ニューロマーケティングとは?ビジネスでの活用事例やメリット・問題点を解説|Webサイト制作 / CMS・MAツール|LeadGrid(リードグリッド)

ニューロマーケティングとは?ビジネスでの活用事例やメリット・問題点を解説

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消費者の心理やニーズを正しく捉えることは、マーケティング活動において非常に重要です。しかし消費者の心理、とくに無意識領域における心理は優れたマーケターでも分析が難しいとされています。

そこで本記事では、人の無意識を定量評価する手法「ニューロマーケティング」について解説します。ビジネスにおける活用事例も取り上げているので、顧客理解に役立つマーケティング手法をお探しの方はぜひ最後までご覧ください。

ニューロマーケティングとは脳科学をビジネスに活用する手法

ニューロマーケティングとは、人の脳波や心電などの生体反応を計測することで無意識化の心の動きを読み、マーケティングに活用する手法です。あなたは買い物をする際、明確な理由なく「なんとなく良さそう」と商品を選んだ経験はありませんか?ニューロマーケティングでは、この「なんとなく」の感情を脳科学で解明・分析し、商品開発や広告運用に活用します。

これまでは、消費者の心理を把握するための手法としてアンケートや聞き取り調査などが実施されてきました。しかしこれらの方法で収集できるのは「言語化できる感情」です。ニューロマーケティングで言語化以前の感情を分析することで、企業はより効果的なマーケティング施策を立案できるようになります。

ニューロマーケティングのメリット

企業がニューロマーケティングを実行するメリットは下記の2点です。

  • 消費者の無意識を分析できる
  • 感情の変化を数値化できる

消費者の無意識を分析できる

ニューロマーケティングを実行することで、消費者の無意識を分析できます

ハーバード大学のジェラルド・ザルトマン氏が「人間の行動の95%は無意識下で行われている」と述べたように、私たちの行動のほとんどは無意識のうちに決定されます。つまり購買活動においても、消費者は無意識で商品を選択しているのです。

ニューロマーケティングによって消費者の無意識を分析できれば、アンケートや聞き取り調査で把握できない潜在意識を分析できるようになります。

感情の変化を数値化できる

従来のアンケートや聞き取り調査では「消費者の感情」は把握できても「感情の変化の流れ」までは正確に把握できませんでした。しかしニューロマーケティングでは、脳波や心電、血液量、脈拍数などの変化を捉えることで、感情がどのように移り変わるかを計測できます

消費者の感情の変化を捉えることができれば、購買プロセスを定量的に理解することも可能です。購買プロセスに沿った広告や商品デザインを打ち出すことで、企業は購買率を伸ばすことができるでしょう。

ニューロマーケティングで使われる指標

ニューロマーケティングには3つの指標が存在します。ここでは、それぞれの指標について見ていきましょう。

  • 生理指標
  • 行動指標
  • 主観指標

生理指標

生理指標とは、人間の身体に関する指標です。下記の指標がおもに使用されています。 

  • 脳波
  • 心拍数
  • 前頭葉に送られる血液量

たとえば、私たちの心拍数は緊張や不安などで上がることがあります。生体反応と感情は連動していることから、生体反応を数値化して分析することで感情を読み解くことができるとされているのです。

生理指標の計測には、おもにfMRIやEEGなどが使われます。

行動指標

行動指標とは、消費者の心身の働きを定量化した指標のことです。視線の動きや表情の変化などが行動指標として挙げられます。

視線の動きを計測するには、アイトラッキングという技術が使われます。アイトラッキングとは、人の瞳孔を検知し、その人がどこを見ているのかを追跡する技術のこと。商品や広告を見たときに視線がどのように動くか、またどこに注目するかを分析すれば、興味を持たれやすい商品や広告を作れると期待されています。

また表情の変化には表情認識という技術が使用されており、現在ではAIを活用した表情認識なども登場しています。

主観指標

主観指標とは、従来のマーケティングで用いられてきたアンケートや聞き取り調査の結果を指します。前述の通り、アンケートや聞き取り調査の結果では言語化以前の感情は分析できません。しかし主観指標は主観指標と生理指標、行動指標を組み合わせることで効果が高まるとされています。

ニューロマーケティングの問題点

ニューロマーケティングにはメリットだけでなく、問題点も存在します。ビジネスに活用する際は、下記の問題点も理解しておきましょう。

  • 倫理的な側面に配慮する必要がある
  • 内製化のハードルが高い
  • 発展途上の技術のため失敗の可能性がある

倫理的な側面に配慮する必要がある

ニューロマーケティングには、倫理的な問題が絡んでいます。それは「脳を見える化したとき、プライバシーは守られるのか?」という問題です。

言わずもがな、私たちの脳には多くの情報が詰まっています。脳データの取り扱いについてはいまだ議論の最中であり、「臓器と同じく収集・販売できないものとして法的に分類すべき」と主張する研修者も少なくありません。

ニューロマーケティングに取り組む企業は、情報管理や安全性を徹底し、倫理的な問題と向き合い続ける必要があります。

内製化のハードルが高い

ニューロマーケティングの実施には、専用設備や技術力、脳科学に精通した人材などが求められます。これらを用意するには多くの時間やコストが必要であり、内製化を目指すにはハードルが高いといえるでしょう。外注する場合も高額なリサーチ料金が発生することから、資金力がない企業は導入が難しい状況にあります。

発展途上の技術のため失敗の可能性がある

ニューロマーケティングは発展途上の技術です。今まで常識とされてきた内容が覆る可能性もゼロではありません。また比較的新しい手法のため、ノウハウが蓄積されていない点も、ビジネスで活用しにくい理由の一つです。

ニューロマーケティングに取り組む際は、結果を過信するのではなく、効果検証を繰り返して成功パターンを掴んでいくことが大切になります。

企業におけるニューロマーケティングの活用事例

ここでは、企業におけるニューロマーケティングの活用事例を3社紹介します。

  • 株式会社バンダイ
  • ペルフェッティ・ヴァン・メレ・ジャパン・サービス株式会社
  • アース製薬株式会社

株式会社バンダイ

株式会社バンダイは、子どもの成長に合わせた玩具開発をめざすバンダイのベビートイシリーズ「ベビラボ」を開発・販売しています。同社は、赤ちゃんがアンパンマンに注目したときに、脳血流量の変化が大きくなることなどを発見。検証結果を仕様に取り入れた商品を発売したところ、年間市場売上38億円を突破しています。

2022年時点で、のべ数百人の赤ちゃんの脳活動や行動をデータ化しており、おもちゃだけでなくアパレル商品を販売するなど商品ラインナップも拡充しています。

参考記事:【共同実験】株式会社バンダイの新製品『∞プチプチAIR』の集中・リラックス効果を検証しました

ペルフェッティ・ヴァン・メレ・ジャパン・サービス株式会社

ペルフェッティ・ヴァン・メレ・ジャパン・サービス株式会社は、フリスクやメントス、チュッパチャップスなどのお菓子を展開するペルフェッティ・ヴァン・メレ社(オランダ)の日本事業部です。同社では、「フリスク」のプロモーション動画を20~30代の社会人の男女16名に視聴してもらい、脳波測定を行ったうえで動画のブラッシュアップを行いました。

結果は、動画リテンションレート77%を実現。2分と長尺の動画にもかかわらず、多くの人が最後まで視聴する動画を作り上げました。

参考記事:【マクロミルとセンタン、提携後初の事例発表】 ニューロ指標を活用した共感度測定サービスが、「フリスク」ブランドの新商品キャンペーン動画のクリエイティブ最適化を支援

アース製薬株式会社

アース製薬株式会社では、脳波を測定・分析する専用ラボを設置し、ニューロマーケティングを独自に内製化しています。

2021年には脳波・視線計測などを用いた商品パッケージデザインを採用。直近1年間に入浴剤を購入し使用した20~50代の女性24名に2種類のパッケージデザインを提示し、脳波や視線などを測定することで、「視認性が高い」「好感を持てる」「コンセプトが伝わる」の3つの軸を満たすパッケージを開発しました。

参考記事:アース製薬、脳波・視線計測などを用いた商品パッケージデザインの新評価法を確立

ニューロマーケティングを自社に取り入れる方法

ニューロマーケティングを自社に取り入れる際、①リサーチ会社に依頼する ②自社で実施する の2通りの方法が存在します。それぞれのメリット・デメリットを知り、自社に合う方法を選択しましょう。

専門のリサーチ会社に依頼する

ニューロマーケティングを得意とするリサーチ会社に依頼する方法です。代表的な企業としては、下記が挙げられます。 

  • 株式会社NTTデータグループ
  • 株式会社マクロミル
  • 株式会社センタン
  • 株式会社NeU
  • 株式会社SandBox

ニューロマーケティングを実施するには、脳波や心拍数などを計測する機器や、機器を扱う技術者、計測したデータを分析するアナリスト、マーケティング戦略を立案するマーケターなどが必要です。しかし、これらをイチから揃えるのは簡単なことではありません。リサーチ会社に依頼することで、自社で設備や人員を用意することなく、高度な分析を行えるでしょう。

しかしニューロマーケティングを依頼するには、高額なリサーチ費用がかかります。費用は調査内容にもよるので一概に言えませんが、株式会社マクロミルのHPによると、4名を対象として脳波測定調査を実施した場合には100万円(税別)~の料金がかかるとのことです。

ニューロマーケティングの外注にコストをかけられない場合は、次に紹介する方法を検討しましょう。

自社で取り入れられそうな施策を試す

専門のリサーチ会社への依頼が難しい場合、自社で取り入れられそうな施策やサービスを試すことも有効です。

たとえば、近年では音声やチャットから相手の感情を可視化できる「感情認識AI」を提供する企業も増えています。感情を可視化することによって、マイナスな感情の裏に隠れているニーズや意見を取り込むことができれば、商品の改善や新商品の開発につながることも期待できます。

またWeb解析で活用される「ヒートマップ」は、ニューロマーケティングに近い手法です。ヒートマップとは、ユーザーがWebページ内でとった行動や反応を色の濃淡で表したものを指します。視線は無意識に移動するため、ヒートマップで視線の動きを探ることで、ユーザーの深層心理に迫ることができるでしょう。

このように、実践しやすいレベルからニューロマーケティングを試してみると、今まで得られなかった発見が見つかるかもしれません。

ニューロマーケティングをビジネスに活用しよう

ニューロマーケティングは発展途上のマーケティング手法です。活用にはコストや技術力を要しますが、消費者の無意識を探ることができれば、新たな価値を創出できるかもしれません。今後の動向をチェックし、自社に活かすことができないか検討しましょう。

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LeadGrid BLOG編集部
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LeadGrid BLOG編集部は、Web制作とデジタルマーケティングの最前線で活躍するプロフェッショナル集団です。Webの専門知識がない企業の担当者にも分かりやすく、実践的な情報を発信いたします。

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