グローバルサイトとは?運用の種類や5つのコツ、成功事例についても
グローバルサイトとは?運用の種類や5つのコツ、成功事例についても
企業が世界に向けて情報を発信するために重要なグローバルサイト。その構築と運用は多言語対応だけでなく、地域ごとの文化を踏まえたデザインやユーザビリティなどさまざまな視点から考慮が必要となります。
この記事ではグローバルサイトの基本的な概念から、多言語サイトとの違い、そして具体的な成功事例を解説します。具体的なイメージを持って取り組むことができるよう、ぜひ参考にしましょう。
グローバルサイトとは?多言語サイトとの違い
グローバルサイトとは、全世界を対象としたウェブサイトのことを指します。国や地域を問わず、ユーザーが情報を得られるように設計されています。
ここではグローバルサイト制作の目的や特徴、多言語サイトとの違いについて解説します。
グローバルサイト制作の特徴・目的
グローバルサイトの特徴は以下の3つです。
- 多言語対応:複数の言語でコンテンツを提供します。世界各地のユーザーが自分の母国語で情報を得ることが可能になります
- 多文化対応:地域の文化、慣習、法規制を考慮したコンテンツ設計がなされます。情報が受け手に誤解なく伝わるために重要です
- ユーザビリティ:国ごとの使用者の視点から最適なデザイン・レイアウトが選ばれます。使用者がWebサイトで情報を違和感なく効率的に検索できます
またグローバルサイト制作の目的は、特定の言語や文化の壁を越えて情報を提供することです。企業の規模を問わず、商品やサービスを海外市場に広められる一方で、グローバルサイトにより海外の顧客からのフィードバックを得るための重要なツールにもなります。
多言語サイトとの違い
多言語サイトは基本的に、日本語のベースとなるWebサイトを複数の言語に翻訳し提供されている形態を指します。
それに対してグローバルサイトは、単に言語の違いだけでなく、各国や地域の文化、慣習、法規制を考慮した設計がなされています。展開する国に合わせて、それぞれ別のサイトを作成するイメージです。
国ごとにサイトを展開することによりサイト作成にコストがかかる、別サイトなので運用コストがかかるなどのデメリットがある反面、国ごとにWeb戦略が立てられる、言語だけでなくデザインも国に合わせられる、国ごとにSEOが可能といったように、メリットも多数あります。
グローバルサイトの種類
グローバルサイトはその運用方法により、以下の4つに分類されます。
- 本社単体運用型
- 各拠点完全個別運用型
- 各拠点独自運用型
- 本社統制型
それぞれの特徴を理解し、自社のビジネス戦略やリソースに合った選択しましょう。
本社単体運用型
「本社単体運用型」のグローバルサイトは、本社が一手に全ての国・地域のサイトを管理・運用する形態です。特徴としては、ブランドの一貫性を保つことが可能であり、全世界共通の情報配信も容易になります。しかし、各国・地域の特性に応じたフレキシブルな対応が難しい点がデメリットとして挙げられます。
この特徴から本社単体運用型はスタートアップや金融機関などの企業に取り入れられています。
各拠点完全個別運用型
「各拠点完全個別運用型」は各国・地域の拠点が自分たちのサイトを独自に管理・運用する形態です。特徴としては、各国・地域のニーズに応じたフレキシブルな情報配信が可能であり、また、現地の法規制に対する対応も容易です。ただしブランドの一貫性を保つことが難しくなる可能性があります。
飲食系のビジネスやBtoCのEC事業などで各拠点完全個別運用型の運用がよく採用されています。
各拠点独自運用型
「各拠点独自運用型」は、本社が全体的な方向性や発信の基本的な型を決めておき、運用は各国・地域の拠点が自分たちのサイト独自に行う形態です。本社が基本的な枠組みを決めるので、各国・地域の特性に応じたフレキシブルさとブランドの一貫性を両立することが可能です。各拠点完全個別運用型のメリットを活かしながらデメリットが克服しやすい運用方法といえるでしょう。
多くの企業で実際にこの運用方式が採用されています。
本社統制型
「本社統制型」は本社が全体的な方向性を示し、各国・地域のサイトの運用も管理する形態です。特徴としては、ブランドの一貫性を強く保つことが可能であり、全世界共通の情報配信も容易になります。ただし、各国・地域の特性に応じたフレキシブルな対応が難しい点がデメリットとして挙げられます。
グローバルで統一した発信を行いたい場合に適している運用形態といえます。
グローバルサイト成功への5つのポイント
グローバルサイトが成功するためのポイントを5つ紹介します。
- 国ごとのUI/UX最適化
- 地域性や国民性への考慮
- お問い合わせ窓口体制の確立
- アンケートの実施
- ガイドラインの作成
1. 国ごとのUI/UX最適化
グローバルサイト成功のためのポイントとして最初に挙げられるのが、国ごとのUI/UX最適化です。例えば日本のサイトでよく見られる「左から右へ」の読み進め方は、アラビア語圏の人々にとっては直感的ではありません。アラビア語圏では「右から左」に読み進めるのが一般的で、ほとんどの要素が正しく読めるように反転させる必要があります。このように、サイトのナビゲーションやコンテンツの配置は、対象となるユーザーの慣習や読み方に合わせることが必要です。
色彩についても考慮が必要です。例えば、日本では白は純粋さや清潔さを象徴しますが、中国の地域では白は病気や死を象徴する色とされます。このように、色の意味は文化によって大きく異なるため、グローバルサイト制作時には色彩の選択にも配慮が必要となります。
2. 地域性や国民性への考慮
地域性や国民性への考慮も重要です。例えば、地域性を無視した場合、特定の地域でのビジネスがうまくいかない可能性があります。
例えば英語のサイトを作るとすると、北米だけでなくヨーロッパ、アジアなど様々なエリアからのアクセスが期待されます。そのためアメリカ英語を基準としていると、一部のユーザーに読みにくいサイトとなる可能性があります。複数の英語圏の地域をターゲットにする場合はシンプルで分かりやすい英語にする必要があります。
また日本にはトップページに情報量を詰め込みデザインで惹きつけるようなWebサイトが多いですが、このレイアウトのまま翻訳すると海外の人には言いたいことが伝わらない、といったことも起こりえます。
文化圏によってはシンプルなワンメッセージで明確に伝えるようなデザインと言葉選びが求めれられるのです。
3. お問い合わせ窓口体制の確立
グローバルサイトでは、多様な言語での問い合わせ対応が求められます。そのため、多言語対応のカスタマーサポート体制を整備することが重要です。具体的な対策としては、多言語対応のスタッフを雇用する、翻訳サービスを利用する、AIチャットボットを導入するなどがあります。
展開言語すべてに問い合わせ体制の構築ができない場合は、一旦英語の問い合わせページにリダイレクトするのも一つの方法です。
4. アンケートの実施
グローバルサイト運用においては、ユーザーの意見や反応を定期的に取得し、それをフィードバックとしてサイトの改善に活用することが重要です。そのため、アンケートを定期的に実施することをおすすめします。アンケートの内容は、サイトの利便性や情報の満足度、改善希望点などが含まれると良いでしょう。
またユーザーだけでなく、運用側にもインターフェースの要望についてアンケートをとると、より使いやすいサイトに仕上げることができます。
5. ガイドラインの作成
ブランドの一貫性を保つためにも、グローバルサイトの運用ガイドラインを作成し、それを各国・地域の拠点に共有することが重要です。ガイドラインには、ブランドのメッセージ、デザインの基本方針、情報の更新頻度や手順などをまとめておくと良いでしょう。
グローバルサイトの成功事例
グローバルサイトの参考となる成功事例について、次の3社の紹介をします。
- 日産自動車株式会社
- 株式会社資生堂
- キヤノン株式会社
日産自動車株式会社
日産自動車株式会社は、1933年に設立された日本の大手自動車メーカーです。初期の製品は主にトラックと軍用車で、戦後は乗用車市場に参入しました。1950年代から海外への輸出を開始し、Datsunブランドを通じて国際的な知名度を獲得。1970年代にはエネルギー危機に対応する燃費の良い車を提供し、市場シェアを拡大しました。
サイトとしては各セクションに分かれており情報が探しやすいように設計されています。またサイト右上には「日本語」と日本語で表記されているのも、日本人にとって日本語に切り替えやすく高ポイントです。
またインフォグラフィックも使用されており、英語サイトながら様々な英語圏のユーザーに使いやすいよう配慮されています。
株式会社資生堂
株式会社資生堂は、日本の化粧品メーカーで、1872年に日本初の民間洋風調剤薬局として創業し、1916年に化粧品事業へ本格的にシフトしました。サイトとしては非常に整理されており、主要なカテゴリーが明確でユーザーが探している情報を簡単に見つけられます。
またサイト上部には「JP」と「CN」の2つの言語切り替えオプションがあり、言語の切り替えは容易に行えます。日本語版と英語版は同じレイアウトですが、中国語サイトには別のレイアウトが適用されており、現地への最適化が伺えます。
ブランドのミッションや価値観としても「BEAUTY INNOVATIONS FOR A BETTER WORLD」を強調し、新しい取り組みについて分かりやすくなっています。
キヤノン株式会社
キヤノン株式会社は東京に本社を置く精密機器メーカーで、映像機器、事務機器、デジタルマルチメディア機器、半導体・ディスプレイ製造装置などを製造しています。1937年に創業し、1947年に社名をキヤノンカメラ株式会社に変更しました。グローバルサイトは主に投資家や株主をターゲットにしており、その言語対応は主に日本語と英語です。商品の販売やブランディングのためには、170以上の国と地域に向けた販売会社のローカルサイトがあり、各国の主要言語で対応しています。
サイト上の情報は主にテキストベースで、ビジュアル要素は少ないものの、「About Canon」、「Our Business」などの主要なカテゴリからCEOのメッセージ、企業の哲学、ビジネス戦略など、さらに具体的なトピックがリスト化されており、ユーザーは関心のある情報を比較的簡単に見つけることができると考えられます。
グローバルサイトはLeadGridで
この記事ではグローバルサイトの目的や多言語サイトとの違い、成功のポイントについて紹介しました。この記事を参考に、グローバルサイト構築を進めていきましょう。
またグローバルサイトは、多言語対応の実績の多いLeadGridにお任せください。
LeadGridは株式会社GIGがWebサイト制作の際に利用するCMSで、デザイン性の高さと使い勝手の良さに定評があります。国ごとの文化を踏まえ、貴社の価値観やブランドを反映したデザインをご提供します。
またLeadGridはリード獲得周りのマーケティングに強い点が特徴です。リードマグネットの自動ダウンロード機能やフォームの作成・編集機能もあるため、グローバルサイトのリリース後のマーケティングについてもスムーズに進めるサポートをします。
LeadGrid BLOG編集部は、Web制作とデジタルマーケティングの最前線で活躍するプロフェッショナル集団です。Webの専門知識がない企業の担当者にも分かりやすく、実践的な情報を発信いたします。
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