IRサイトとは?IRの意味やコーポレートサイトとの違い、掲載コンテンツを紹介
IRサイトとは?IRの意味やコーポレートサイトとの違い、掲載コンテンツを紹介
予算別でわかる!
IR CMSで構築した制作事例集、無料配布中!
自社に合ったIRシステムの導入やWeb制作会社をお探しの担当者様へ。さまざまな予算に対応したIRサイトの制作事例・IRツールを集めた資料を無料でダウンロードいただけます。
IRサイトとは、株主や投資家に向けて、企業が投資判断に役立つ情報を発信するサイトを指します。
日本IR企業協会の調査(2023年4月)によると、調査協力した上場企業のうちでIR活動を実施している企業は約95%。ほとんどの上場企業がIRサイト(IRページ)を運営していると見られます。
本記事では、IRサイトの概要、IRサイトに必要なコンテンツ、魅力的なIRサイトを制作するポイントを解説します。
なお、Webサイト制作で豊富な実績を持つ株式会社GIGのIRサイト制作事例集もご用意しております。下記より無料でダウンロードいただけますので、比較検討の際にご活用ください。
IRサイトとは?役割やターゲットについて
まずは「IR」という用語の意味、IRサイトの役割、IRサイトのターゲットについて解説します。
IRの意味
IRは「Investor Relations」の略であり、企業が投資家や株主に対して業績などの投資判断に必要な情報を提供する活動全般を指す用語です。日本語では「投資家向け広報」と訳されます。
具体的には以下のような活動がIRにあたります。
- 企業説明会や決算説明会の開催
- 紙やWebでのアニュアルレポート(年次報告書)の発行
- 株主通信の発行
- SNSでのIRアカウントの運用
IR活動というと上場企業だけの話に感じますが、近年では未上場のスタートアップ企業でも資金調達を有利に進める目的でIR活動に力を入れる動きが見られます。
IR活動の目的とメリット
企業がIR活動を行う目的を一言で表すと「企業価値を資本市場から適正に評価されること」となります。
企業が適時・公平に情報開示を行うことは、積極的に市場とコミュニケーションを図ることに他なりません。IR活動によって市場から公平な企業評価を得られれば、次のようなメリットにつながります。
- 自社の株を長期保有してくれる良質な株主が増える
- 株価上昇によって敵対的M&Aから会社を守りやすくなる
- 市場関係者から有益なフィードバックが得られる
- 企業の社会的価値が高まり、採用活動で有利になる
- 将来の資金調達が有利になる
IRサイトの役割
IRサイトの役割は、資金調達を有利に行うため、株主・投資家にオンラインで投資判断に必要な情報を開示することです。
前提として株式を上場している企業は、法律や証券取引所の規定によって有価証券報告書、決算短信、適時開示資料などをTDnet・EDINETで公開する義務を負ってます。
- TDnet:決算短信、業績予想修正、役員の異動といった投資判断に必要な会社情報の適時開示を行うシステム。東京証券取引所が運営している。
- EDINET:有価証券報告書、大量保有報告書など金融商品取引法に基づく開示書類を電子開示する金融庁のシステム。
この義務範囲を越えて、企業が積極的にIR情報を発信する拠点となるのがIRサイトです。
IRサイトのターゲット
IRサイトのメインターゲットは、次のような株主・投資家です。
- 個人投資家:自己資金で投資を行う個人の投資家。デイトレードから長期投資までさまざまなスタイルの個人投資家がおり、日本の株式保有比率の約17%を占める
- 機関投資家:信託銀行、保険会社、年金基金、ヘッジファンドなど、巨額の資金を運用する法人の大口投資家を指す。日本株の50%以上は機関投資家が保有しているため市場への影響は大きい
- 海外投資家:日本市場に投資する外国籍の投資家、法人、団体を指す。ヘッジファンドや信託投資会社、海外年金基金なども含まれる。東証プライム市場の売買高の約70%を占め、相場に強い影響力を持つ。また、近年は株式保有比率も約30%に達しており、今後さらに増加することが見込まれる
また、就職活動中の学生や求職者が企業の業績や将来性を調べるためにIRサイトを訪れることもあります。
参考:日本取引所グループ「2022年度株式分布状況調査の調査結果について」
参考:日本取引所グループ「投資部門別売買状況」
IRサイトとコーポレートサイトの違い
IRサイトもコーポレートサイトも企業の公式なWebサイトですが、次のような違いがあります。
項目 | IRサイト | コーポレートサイト |
目的 | IR情報の発信を通じた企業価値の最大化 | 企業の認知拡大や信頼獲得 |
ターゲット | 株主・投資家 | 顧客、求職者、株主など多様なステークホルダー |
掲載内容 |
|
|
コーポレートサイトのほうが、ターゲット層と掲載コンテンツの種類が幅広いと言えるでしょう。
したがってコーポレートサイトの一部としてIRページを設置しても違和感はありません。またIRサイトを別に用意する場合も、コーポレートサイトから遷移できるようリンクでつなぎます。
コーポレートサイトについて詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
関連記事:コーポレートサイトとは|目的や構成要素、事例と制作のポイントも解説
IRサイトとコーポレートサイトをわけて制作するケース
コーポレートサイトとIRサイトをわけて制作するケースは、IRサイトの管理をIR部門やIRチームだけで行う場合などです。
IR活動の実態調査(2023年4月)によると、独立したIR業務の担当部門を設ける企業の割合は約49%。部門まで設けない場合でも、専任者を置いている企業は約28%です。IRの和訳は「投資家向け広報」ではありますが、多くの企業が広報担当者とは切り分けた体制でIR活動を行っていると見受けられます。
IRサイトは、ほかのサイトよりも厳しく情報の正確性が求められます。とくに数字のミスは許されません。また、投資判断に関係する情報が漏洩したり、誤った日時で公開されたりといったミスも厳禁です。もし株価に大きな影響が出れば、企業の信頼に傷がついてしまいます。
情報管理や運営の効率化の面で、コーポレートサイトとは別の管理体制を構築するほうが都合が良いのです。
上場企業にとってIRサイト(IRページ)はほぼ必須
上場企業には決算情報などの情報開示が求められますが、わざわざIRサイトを作ってWeb上で情報発信する義務はありません。しかし、日本の上場企業でIRサイト(またはIRページ)を設けていない企業は滅多に見ないでしょう。
実際、日本IR企業協会の調査(2022年6月)ではIR実施企業の約98%がIRサイトやIRページがあると回答しています。Gomezなどの有名IRサイトランキングの調査対象数と上場企業数が近いことからも、ほとんどの上場企業がIR情報をオンラインで発信していると見て間違いないでしょう。
いまは多くの国内外の投資家・株主がオンラインで情報収集を行います。上場企業および上場を目指すスタートアップにおいて、IRサイト運営はほぼ必須と言えるのです。
IRサイトに掲載するコンテンツ
ここから、実際にIRサイトで掲載されることが多いコンテンツを紹介します。
- 経営方針
- 会社情報
- 財務・業績情報
- 株式情報
- IRライブラリ
- IRニュース
- その他
経営方針
企業としての行動方針、考え方、姿勢などをアピールするコンテンツです。以下のような内容を掲載します。
- 社長メッセージ
- 中期経営戦略
- ディスクロージャーポリシー(情報開示に関する企業方針)
- 事業などのリスク情報
- コーポレートガバナンス
- マーケットデータ
- 事業データ
- 株主総会での質疑応答
会社情報
会社に関する情報です。
- 企業情報
- 経営理念
- 事業内容
- 役員紹介
- 企業の沿革
- グループ会社紹介
コーポレートサイトの会社情報へリンクでつなぐだけのIRサイトも多く、IRサイトの必須コンテンツではありません。ただし、該当する情報までの導線はわかりやすく作っておきましょう。
財務・業績情報
企業の業績や財務状況、重要な経営指標に関する情報を提供するコンテンツです。以下のような内容を掲載します。
- 決算ハイライト
- 貸借対照表(BS)
- 損益計算書(PL)
- キャッシュフロー計算書(CF)
- チャートジェネレーター
- 独自指標(セグメントなど)
- 業績ハイライト
- 格付け情報
株式情報
株式に関する情報を掲載します。
- 株式・株主情報
- 株主状況
- 株価情報
- 株主総会
- 配当金
- アナリスト情報
- 社債情報
- 格付情報
- 定款
- 電子公告
- 株主優待情報
株価情報については、リアルタイムの株価表示ツールを導入するサイトと、Yahoo!ファイナンスなどの外部サイトへ誘導するサイトの2パターンが見られます。
IRライブラリ
過去から現在までのIR資料を掲載します。決算短信や有価証券報告書など、現在から遡って閲覧されることが多い資料については一括ダウンロード機能を設ける場合もあります。
- 決算短信
- 有価証券報告書
- 決算説明資料・動画
- アニュアルレポート
- 株主通信
- 事業報告書
- 月次報告書
- アナリストレポート
- ファクトブック
- 資料ダウンロード機能
IRニュース
トップページに配置する更新コンテンツです。IRニュースやプレスリリースがあったときにお知らせし、該当の情報をすぐに取得できるようユーザーを案内します。
その他
そのほか、以下もIRサイトでよく見られるコンテンツです。
- IRお問い合わせ窓口
- 個人投資家の皆様へ
- よくある質問
- CSR情報
- SDGs情報
- IRカレンダー(IRスケジュール)
- IRメール配信
- RSS配信
「個人投資家の皆様へ」は、会計・財務の知識が薄い投資家に向けて、IR情報をわかりやすく再構築したコンテンツです。企業の事業概要、強み、成長戦略、業績推移などをイラストやアニメーションで視覚的にアピールします。
魅力的なIRサイトを制作する6つのポイント
IRサイトは、閲覧した投資家や株主が企業の魅力に気づき、「投資したい」「長期で株を保有したい」と思えることが重要です。そのために以下のポイントを意識しましょう。
- 情報取得のしやすさを重視する
- 権限管理機能で情報管理を徹底する
- マルチデバイス対応にする
- 多言語化対応にする
- 非財務情報も充実させる
- 他社事例を参考にする
1. 情報取得のしやすさを重視する
投資家は毎日いくつもの企業情報を取得・分析しています。よって、各コンテンツが埋もれないように整理しつつ、投資家がサイト内で迷わないようにサイト設計をすることが重要です。
欲しい情報になかなかたどり着けないサイト設計では、投資先として印象が悪くなってしまいます。つまり、IRサイトはスピーディに目的の情報が取得できることが重要です。
まず実践できるのが、IRサイトのトップページに更新頻度の高い情報を掲載することです。なぜならIR情報や株価情報など更新頻度の高い情報は、投資家の関心度も高いからです。
また、スマホやタブレットなど多様なデバイスで閲覧される傾向があるため、表示速度を遅くするアニメーションなどは使用しないほうが良いでしょう。
サイト設計に不安がある場合は、下記の記事を参考にしてください。
関連記事:Webサイト設計とは?5つの手順や成功のコツについて解説
2. 権限管理機能で情報管理を徹底する
IRサイトに掲載する情報の多くは機密性が高いものになります。上場企業にはフェア・ディスクロージャー・ルールがあり、投資判断に影響するような未公表の情報を第三者に内密で流すことは禁止されています。
つまり、本来はTDnetと同時刻に開示すべき情報をIRサイトの閲覧者に先んじて開示したり、IRリリースが出ることをSNSで匂わせたりすることは許されません。インサイダー取引を疑われれば、投資先としての信頼を大きく毀損してしまいます。
万が一の情報漏洩を防ぐため、IRサイトに権限管理機能は必須です。誰がどこまで情報を閲覧でき、編集や公開権限は誰に限定するのか細かく設定する必要があります。
3. マルチデバイス対応にする
IRサイトは、PC、タブレット、スマートフォンのすべてで見やすいマルチデバイス対応のサイトデザインにしましょう。
株取引を行うスマホ向けアプリが多くの証券会社からリリースされており、ちょっとした隙間時間を使ってスマホからIRサイトを閲覧する個人投資家も少なくありません。モバイルフレンドリーではないIRサイトは、それだけで「時代にあっていない」との印象を与えてしまいます。
また、PDFをダウンロードしなくても重要指標がチェックできる決算ハイライトの掲載もユーザビリティの向上に効果的です。
4. 多言語化対応にする
プライム市場上場企業を中心に、日本語と英語で切り替えができるIRサイトが増えています。最近は海外投資家も存在感を増しており、海外からの資金調達を目指すなら多言語化は必須です。
とはいえ、日本語サイトのコンテンツすべてを英語対応にするのはコストがかかります。決算短信や決算説明資料など、とくに重要な資料だけ英訳して掲載するところからはじめると良いでしょう。
なお、グロース市場やスタンダード市場の企業であれば「まずは国内向けIRの強化から」として日本語のみでサイト運営を行っても問題はありません。ただ、必要になったら多言語対応ができる形でのサイト制作をおすすめします。
またクラウド型CMS「LeadGrid」は多言語対応・アカウント権限管理機能付きのCMSです。ぜひこちらから詳細をご確認ください。
5. 非財務情報も充実させる
IRサイトでは非財務情報も重要です。なぜなら投資家は投資を検討する上で「どのようなビジネスを行っているのか」「そのビジネスが社会にどのような影響を与えるか」「企業としてどのような将来設計を考えているか」など、企業の姿を見極めているからです。投資家から関心を集めるために、具体的には次のような情報を提供しましょう。
- 経営理念・ビジョン
- CSR・環境への取り組み方針に関する情報
- 中期経営計画書
- コーポレート・ガバナンス報告書
企業の置かれた環境の変化スピードが速まり、財務情報だけで株主・投資家が企業の将来性を計ることが難しくなってきています。非財務情報を開示し、財務情報とあわせて企業価値をアピールする動きは今後も強まると見られています。
また、先ほども説明したようにIRサイトのターゲットは個人投資家、機関投資家、海外投資家など様々です。よってそれぞれのIRターゲットに沿ったコンテンツを提供することも効果的でしょう。例えば、個人投資家に対しては企業の基礎情報や創業に至るまでのストーリーコンテンツが有効です。さらに海外投資家に向けては先に説明した多言語対応は必須と言えます。そして機関投資家に向けては財務情報を充実させることが効果的でしょう。
さらに最近では、サスティナビリティへの関心が高い企業は投資家からの評価が高まるという傾向があります。従来の財務状況に加えて、現在は環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス(Governance)を考慮したESG投資が増加しています。
6. 他社事例を参考にする
投資家から評判の高いIRサイトを参考にすることで、自社のIRサイトをより魅力的にできるヒントを得ることができます。
評価が高いIRサイトは、下記サイトからチェックしましょう。
- インターネットIR表彰(大和インベスター・リレーション株式会社)
- 全上場企業ホームページ充実度ランキング(日興アイ・アール株式会社)
- IRサイトランキング - 優秀企業(株式会社ブロードバンドセキュリティ)
IR活動の拠点としてIRサイトを制作しよう
IR活動は、株主や投資家に向けて投資判断に役立つ情報発信を行い、自社の企業価値を理解してもらう活動です。
IRサイトは、IR活動の拠点として法定開示資料や適時開示資料の掲載、決算説明動画の配信、個人株主向け情報発信などさまざまなシーンで活用できます。上場企業にほぼ必須のサイトと言えるでしょう。
ただし、IRサイトは扱う情報の機密性の高さから、セキュリティ対策はもちろん、権限管理機能も必要になります。担当者に専門知識がない場合も多いため、直感的な使いやすさも重要です。
これから新規でIRサイトを制作したい、またはリニューアルしたいとお考えの方は、ぜひクラウド型CMS「LeadGrid」をご検討ください。
「LeadGrid」は、見たままページ編集機能、アカウントの権限管理機能、多言語対応など、Webサイト運営に不慣れなIR担当者でもスムーズに扱える機能がそろっています。
企業が利用するCMSとして十分な安全性を備えており、安心してIRサイトを運営いただけます。ぜひご検討ください。
なお、Webサイト制作で豊富な実績を持つ株式会社GIGがIR CMSやLeadGridを導入したIRサイト制作事例集もご用意しております。下記より無料でダウンロードいただけますので比較検討の際にご活用ください。
予算別でわかる!
IR CMSで構築した制作事例集、無料配布中!
自社に合ったIRシステムの導入やWeb制作会社をお探しの担当者様へ。さまざまな予算に対応したIRサイトの制作事例・IRツールを集めた資料を無料でダウンロードいただけます。
LeadGrid BLOG編集部は、Web制作とデジタルマーケティングの最前線で活躍するプロフェッショナル集団です。Webの専門知識がない企業の担当者にも分かりやすく、実践的な情報を発信いたします。
Interview
お客様の声
-
採用力強化を目的に更新性の高いCMSを導入し、自社で自由に情報発信できる体制を実現した事例
株式会社ボルテックス 様
- # 採用サイト
- # 採用強化
- # 更新性向上
Check -
直感的な操作性・自由に構成を変更できる柔軟性により、理想のサイト運営が可能になった事例
株式会社フォーカスシステムズ 様
- # コーポレートサイト
- # 更新性向上
- # 採用強化
Check -
ロゴ・サイト・モーション、すべてのデザインに世界観を込めたリブランディング事例
circus株式会社 様
- # コーポレートサイト
- # 更新性向上
- # リブランディング
- # 採用強化
Check -
物流DX企業として信頼いただけるようなサイトデザインに刷新し、SEO流入も増加した事例
三菱商事ロジスティクス株式会社 様
- # コーポレートサイト
Check
Works