多言語サイトのドメイン選び|ターゲット市場とSEOの視点から解説
多言語サイトのドメイン選び|ターゲット市場とSEOの視点から解説
世界がますますデジタル化する中、多くの企業が多言語サイトを運用し異なる地域や言語のユーザーにサービスや情報を提供しようとしています。しかし多言語サイトはただ制作し、公開するだけではあまり意味がありません。検索エンジンから評価を得て、ターゲット地域での検索流入を得ないことには、効果的に多言語サイトの運用が難しくなってしまうのです。検索エンジンに評価を受けるためには(SEO)、ドメインとURL構造の適切な選択と設定が極めて重要となります。
そこで、この記事では多言語サイトのドメインとSEOの関係、URL構造の最適な設定について解説します。多言語サイト制作の参考にしましょう。
ドメインの種類
まず多言語サイトのドメインについて解説する際に必要となる、用語について説明します。ドメインとはWebサイトの「住所」のようなもので、インターネット上でサイトを特定するための名前です。ドメイン名には通常ふたつの主要な要素があり、それぞれ「トップレベルドメイン(TLD)」と「セカンドレベルドメイン(SLD)」と呼ばれます。
トップレベルドメイン(TLD)
ドメイン名の最後の部分を指し “.com” 、 “.jp” 、 “.co.jp” などが該当します。TLDにはさらに2つの種類が存在します。
ccTLD(Country Code Top-Level Domain)
ccTLDは国別コードトップレベルドメインとも呼ばれ、特定の国や地域を表します。日本の場合は “.jp” 、イギリスなら “.uk”、フランスなら “.fr” です。ccTLDを使用すると、そのサイトが特定の地域に焦点を当てていることがユーザーや検索エンジンに対し明確になります。
gTLD(Generic Top-Level Domain)
一方、gTLD(一般トップレベルドメイン)は特定の地域に紐づけられていません。一般的なgTLDは “.com”、“.net”、“.org”などです。これらのgTLDドメインは地域に関係なく、全世界のユーザーを対象とするWebサイトに利用されます。
セカンドレベルドメイン(SLD)
セカンドレベルドメインはドメインの名札となる部分で、例えば「goleadgrid.com」の「goleadgrid」部分です。企業名やブランド名が多く利用されます。
多言語サイトのドメインとGoogleの評価(SEO)の関連性
ドメインは検索エンジンがサイトを認識し、評価する上で重要です。とくにTLDは、GoogleがWebサイトのターゲットとなる地域を理解する手段としています。
例えば “.jp” のccTLDを使用すると、そのサイトが日本をターゲットにしていることをGoogleが判断できる、日本での検索結果にそのサイトが表示されやすくなります。同様に “.uk” のccTLDを使用すると、そのサイトは英国での検索結果にそのサイトが表示されやすくなるでしょう。
しかしccTLDの利用には注意が必要です。ccTLDを使用すると検索エンジンから「その地域限定のページ」と認定されてしまい、他の地域での検索結果からの集客ができなくなる可能性があるのです。この問題の解決方法としては次の二つがあります。
- gTLDを使用し、URL構造とhreflang属性を別途設定すること
- ターゲットの国ごとにccTLDを利用したサイトを展開すること
Googleなどの検索エンジンは、ユーザーが検索するときに最も関連性の高いコンテンツを提供することを目指しています。そのため自社サイトが様々な言語や地域に対応している場合、それぞれの言語と地域のユーザーに対して最も関連性の高いバージョンのサイトを提供できるように、Webサイトの構造を適切に設定することが重要になります。
多言語サイトのドメイン・URL構築3つの方法
多言語サイトのドメイン・URL構築の方法は3つです。
- ccTLD
- サブドメイン
- サブディレクトリ
ccTLDでの言語・地域の区分
ccTLDでの言語・地域の区分をすると、それぞれの市場に対して個別のWebサイトを持つことができます。たとえばあなたが日本市場とドイツ市場をターゲットにしている場合、それぞれの市場向けに ".jp" と ".de" のccTLDを使用してWebサイトの作成が可能です。
ccTLDで言語・地域を区分するメリット
ccTLDで言語・地域を区分する主なメリットは、そのドメインが特定の国や地域に対応していることを明確に示すことができる点にあります。ユーザーだけでなく、検索エンジンもそのサイトが特定の地域向けであることを容易に認識することができます。
また国ごとに異なるドメインを運用することで、それぞれの国や地域に合わせたSEO戦略を展開しやすくなるというメリットもあります。
ccTLDで言語・地域を区分するデメリット
一方で、ccTLDにて言語・地域を区分するデメリットとしては、国や地域ごとにドメインを取得し、管理する必要があり、そのためのコストや運用の手間がかかる点が挙げられます。
また各サイトは独立したドメインとして扱われるため、各言語で独立したSEO施策を必要があり、それぞれが検索エンジンから受けている評価の相乗効果が狙えないデメリットも。
サブドメインでの言語・地域の区分
サブドメインを使用すると主要なドメインを維持しつつ、各地域や言語に対して独立したサイトを設けることができます。たとえば “jp.example.com” や “de.example.com” といった形です。
サブドメインで言語・地域を区分するメリット
サブドメインの場合、市場ごとに異なるCMSやホスティング環境を使用することが可能となるので、それぞれの地域のニーズにあった施策を展開することができるメリットがあります。またccTLDと比較して、サブドメインは一つの主要なドメイン内で運用できるため、管理が容易です。
サブドメインで言語・地域を区分するデメリット
サブドメインで言語・地域を区分するデメリットとしては、ccTLDと同様に検索エンジンからの評価が分散することにあります。またccTLDのサブドメインに多言語サイトを構築してしまった場合、ccTLDがターゲットとしている地域の別言語扱いになってしまい、まったくターゲティングできなくなってしまう点にも注意が必要です。
例)“en.example.jp”という英語サイトの場合でも「日本向けの英語サイト」と認識されてしまう |
サブドメインでの多言語化を考えている場合は、gTLDの利用が必須です。
サブディレクトリでの言語・地域の区分
サブディレクトリを使用すると、メインのWebサイト内に各市場向けのセクションを作成することができます。例えば、“example.com/jp/”や“example.com/de/”などのように、言語コードをサブディレクトリとして使用します。
サブディレクトリで言語・地域を区分するメリット
サブディレクトリで言語・地域を区分するメリットは、サブドメイン方式と同様に一つのドメイン内で複数の言語や地域向けのサイトを運用できる点です。さらにサブディレクトリ方式では、メインドメインの検索エンジンからの評価がサブディレクトリにも引き継がれるため、SEOの観点から有利とされています。
サブディレクトリで言語・地域を区分するデメリット
サブディレクトリで言語・地域を区分するデメリットは、Webサイト全体がメインのドメインに紐づいているため、その地域のユーザーに対する関連性はccTLDやサブドメインと比べて低くなる点です。
また各サブディレクトリでのSEO戦略の自由度が、サブドメイン方式よりも低い点もデメリットに挙げられます。そのため地域や言語ごとに大きく異なるSEO戦略を展開する必要がある場合には、この方式が適していない可能性があります。
URLパラメータでの言語・地域の区分はおすすめしない
URLパラメータ(例:example.com/?lang=ja)を使って言語・地域を区分する方法もありますが、一般的にはおすすめされません。なぜならURLパラメータは検索エンジンがコンテンツを適切にクロール・インデックスするのを難しくする可能性があるからです。
詳細は下記の記事にて解説しているので、ぜひ参考にしましょう。
関連記事:多言語サイトでのSEOのポイント5選|Google公式情報を元に解説
多言語サイトのドメイン選択を具体的なパターンで解説
ここでは「特定の国をターゲットにする場合」と「特定の国をターゲットにしない場合」で、おすすめのドメインの選び方について紹介します。
特定の国をターゲットにする場合
特定の国をターゲットにする場合、ccTLDを利用することでその国のユーザーや検索エンジンに対して強力な地域関連のシグナルを送ることができます。また、それぞれの国で異なるマーケティング戦略を適用したい場合には、サブドメイン方式が役立つでしょう。
特定の国をターゲットにしない場合
特定の国をターゲットにしない場合、gTLDを使用することで広範な地域をカバーすることが可能です。またサブディレクトリにて言語・地域を区分することで、異なる言語のページを一つのドメイン内で一緒に管理し、SEO戦略を共有することが可能になります。
多言語サイトのドメイン設定はSEOのスタートライン
この記事では多言語サイトのドメインの考え方について紹介しました。この記事を参考に、SEOに強いURL構造の多言語サイトを制作しましょう。
ただドメインはあくまでもSEOのスタートラインです。ドメインの設定が間違っているとどれだけ他の施策を行なっても成果が出づらくなってしまいますが、とはいえドメインの設定が正しいだけでも成果は期待できません。多言語サイト公開後、継続的なコンテンツ発信が検索エンジンからの評価を上げる鍵となります。
そこで重要になるのがストレスなく情報が発信できるUIを備えたCMSです。
ここでおすすめしたいのがLeadGrid。LeadGridとは株式会社GIGが開発したCMSで、高度な知識を持たなくても直感的に操作できる「見たまま編集」や「ブログ機能」の使いやすさに定評があります。
またLeadGridはマーケティングにも強く、お役立ち資料の自動ダウンロードやフォームの生成・編集機能など、多言語サイトリリース後のWebマーケティングもサポートします。
LeadGrid BLOG編集部は、Web制作とデジタルマーケティングの最前線で活躍するプロフェッショナル集団です。Webの専門知識がない企業の担当者にも分かりやすく、実践的な情報を発信いたします。
Interview
お客様の声
-
採用力強化を目的に更新性の高いCMSを導入し、自社で自由に情報発信できる体制を実現した事例
株式会社ボルテックス 様
- # 採用サイト
- # 採用強化
- # 更新性向上
Check -
直感的な操作性・自由に構成を変更できる柔軟性により、理想のサイト運営が可能になった事例
株式会社フォーカスシステムズ 様
- # コーポレートサイト
- # 更新性向上
- # 採用強化
Check -
ロゴ・サイト・モーション、すべてのデザインに世界観を込めたリブランディング事例
circus株式会社 様
- # コーポレートサイト
- # 更新性向上
- # リブランディング
- # 採用強化
Check -
物流DX企業として信頼いただけるようなサイトデザインに刷新し、SEO流入も増加した事例
三菱商事ロジスティクス株式会社 様
- # コーポレートサイト
Check
Works