PLG(プロダクトレッドグロース)とは?成功のポイントや成功事例も
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PLG(プロダクトレッドグロース)は、おもにサブスクリプション型ビジネスなどで採用されているビジネスモデルの1つです。
本記事では、PLGの概要を解説したのち、成功事例や成功のポイントなどをわかりやすく解説します。
PLG(プロダクトレッドグロース)とは
PLGとは「Product-Led Growth(プロダクトレッドグロース)」の略です。プロダクト(製品やサービス)そのものに営業の役割をさせる、言わば 「プロダクトがプロダクトを売る」ビジネスモデルを指します。
2016年に米国のベンチャーキャピタルであるOpenViewが提唱したことが始まりとされ、いまでは多くのSaaSビジネスで取り入れられている戦略です。
たとえばリモートワークの拡大によって知名度を上げたZoomやSlackも、PLG戦略で成功したサービスと言えます。
PLGの仕組み
PLGのビジネスは以下のような流れで展開されます。
- マーケティングでユーザーにプロダクトの認知を図る
- プロダクトを無料でユーザーに提供する
- プロダクトの体験を通じてユーザーにプロダクトの価値を理解してもらう
- 有料プランを契約してもらう
最初に無料でプロダクトを体験できるようにし、戦略的に新規顧客を獲得することがPLGの特徴です。無料体験の時点で売上は出ませんが、プロダクトのなかでより便利な有料プランへユーザーを誘導し、収益化へつなげます。
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PLGとSLG(セールスレッドグロース)の違い
SLGは「Sales-Led Growth(セールスレッドグロース)」の略で、セールス(営業)がプロダクトを売り込むビジネスモデルを指します。いわゆる従来型の、営業担当者が自社のプロダクトの魅力をアピールして売り込む戦略です。
SLGの流れは以下の通りです。
- マーケティングでリード(見込み客)を獲得する
- リードに対して営業活動を実施する
- 商談を実施する
- プロダクトの受注・納品
最初に無料でプロダクトを体験してもらうPLGと違い、SLGではユーザーがプロダクトを試すのは納品後です。よって、営業部門の営業力が売上を大きく左右します。
顧客のニーズにあわせてカスタマイズを要するような、比較的複雑で高単価のプロダクトについては、SLGが採用される傾向があります。
なおリード獲得については無料配布資料「リード獲得ロードマップ」もご覧ください。リード獲得を目指す場合、どのようなプロセスを構築すべきか解説しております。下記から無料でダウンロードできます。
PLGが必要とされる背景
PLGが必要とされる背景には、 消費者の購買行動の複雑化と市場のレッドオーシャン化があります。
現在はユーザーが自発的に情報へアクセスできる環境が整い、営業担当者を介さずに商品の比較検討が可能になりました。またビジネスのスピードが上がり、ブルーオーシャン戦略で動いてプロダクトを売り出しても、参入障壁が低ければすぐに真似されてしまいます。
そこで「ユーザーにプロダクトを無料で提供し、プロダクトの価値を直接理解してもらう」という営業活動のリソースを抑えたPLGが注目されるようになったのです。
PLGに欠かせない2つの収益モデル
PLGでは、プロダクトを認知したユーザーに「すぐに」「気軽に」プロダクトを試してもらう必要があります。このプロダクトの体験は、おもに2つの収益モデルによって提供されます。
- フリーミアム
- フリートライアル(無料体験期間)
フリーミアム
フリーミアムは「基本サービスの利用は無料(フリー)」と「より高度なサービスの利用は有料(プレミアム)」を合わせた収益モデルです。後述するフリートライアルと違い、基本サービスのみ利用する場合はずっと無料で利用できます。
たとえば、フリープランは個人向け、有料プランはビジネス利用者向けといったバランスで展開しているクラウド型ツールはフリーミアムです。
ほかにも「入園無料、アトラクションの搭乗にはチケットが必要」のような形でレジャー施設に導入されていることがあります。
<フリーミアムの活用事例>
Zoom、Notion、Moneytreeなど
フリートライアル(無料体験期間)
フリートライアルは「一定期間だけ無料でサービスを利用できる」「期間を過ぎての利用は有料」という収益モデルです。無料期間中にプロダクトの優位性やメリットをユーザーに理解してもらい、そのまま有料契約へつなげます。
楽曲・動画配信サービスのようなサブスクリプション型サービスに多いモデルで、無料期間は7日間、14日間、1か月間などが一般的です。また多くの場合、ユーザーがトライアル期間中に解約申請をしなければ、そのままシームレスに有料契約へ移行します。
<フリートライアルの活用事例>
Shopify、Amazonプライム、freee会計など
PLGの成功事例
PLGの成功事例は数多くありますが、代表的な事例を3つ紹介します。
Slack
Slackはビジネス向けのオンラインコミュニケーションツールです。ユーザー同士はチャット形式でメッセージやデータをやり取りできます。
個人向けのフリープランのほか、機能が異なる3つの有料プランが用意されており、組織やチームの規模にあわせて選択可能。メッセージ履歴の保持やストレージ容量拡張など、ビジネスで必要となる機能の多くは有料プランでの提供です。
フリープランでも十分にサービスの価値を理解できるため、利用中のユーザーが周囲に対して導入をおすすめする「人が人を呼びこむサービス」を実現しています。
Canva
ブラウザ上で利用できる無料のグラフィックデザインツールです。各種SNSに対応した豊富なテンプレートが無料で利用でき、初心者でもデザイン性の高い投稿が簡単に作成できます。
フリープランのほか、より高度な機能や有料素材を利用できる「Canva Pro」と、チームでの共同作業が可能になる「Canva for Teams」という有料プランがあります。
直感的なUIでセルフオンボーディングを実現。フリープラン内で有料プランのメリットを感覚的に理解できるようサービスを提供し、自然な形で有料プランへ誘導しています。
U-NEXT
日本独自の動画配信サービスで、31日間の無料トライアルがあります。無料トライアルの際にクレジットカードなどの決済方法の登録が必要で、無料期間中に解約を申し込まない場合はそのまま有料契約となります。
U-NEXTの特徴の1つが、毎月自動で配布されるポイントです。競合より割高な料金設定を「見放題対象外の電子書籍やレンタル作品もポイントで楽しめる」という付加価値で補っています。
配信サービスとしてはやや複雑なシステムですが、無料体験でポイント配布まで含めて提供することで、広告では伝えにくいメリットの理解促進に成功しています。
PLGに向いているプロダクトの特徴
多くの事業を成長へ導いているPLGですが、すべてのプロダクトで有効な戦略というわけではありません。PLGの強みを発揮しやすいプロダクトの特徴を紹介します。
競合環境がレッドオーシャン
PLGは、市場が成熟し、競合との競争が激化しているレッドオーシャン向きの戦略と言えます。なぜならば、レッドオーシャンの市場には以下の特徴があるためです。
- 類似するプロダクトがすでに存在するため、ユーザーの製品・サービス理解が早い
- 既存プロダクトに対する顧客の不満やニーズが把握しやすい
- 競合と価格競争になっている
PLGの強みは、コスト削減による低価格・高クオリティなプロダクトの提供です。顧客の開拓が必要なブルーオーシャンよりも、レッドオーシャンのほうがメリットを出しやすくなります。
現場主導で導入しやすい
PLGでは、実際にユーザーに体験してもらい、プロダクトの価値を理解してもらうことが重要です。よってトップダウンで決まるプロダクトよりも、 現場主導で選ばれるようなプロダクト向きと言えます。
たとえばPLGの代表サービスであるZoomやDropboxは、現場の人間が日々の業務で利用しやすいサービスと言えます。現場の人が気軽に試せるため、「無料なら1回使ってみよう」から「便利だからチームで導入しよう」まで一気に話が進みやすいわけです。
とくにユーザーと決裁者が同一の場合は、ビジネス向けの有料プランへ移行してもらいやすくなります。
PLGを成功させるポイント
戦略としてPLGを採用する際に、成功に向けて押さえるべきポイントを4つ解説します。
タイムトゥバリューを短縮する
タイムトゥバリュー(TTV、Time To Value)とは、ユーザーがプロダクトの利用をスタートし、その価値を理解するまでの時間を指します。
- フリーミアムの場合:フリープランですぐに価値を理解できると、その後も継続して使われやすい
- フリートライアルの場合:無料期間終了までにプロダクトの価値を理解してもらえれば、そのまま有料契約に移行しやすい
いずれの場合もタイムトゥバリューの短縮が継続利用のカギになります。 ユーザーがプロダクトに期待する価値を明確にし、プロダクト内ですぐにその価値を実感できるよう誘導しましょう。
セルフオンボーディングを可能にする
手厚いサポートなしでユーザー自身がプロダクトの使い方を理解できることが成功するPLGの必須条件です。ユーザーが使い方を迷うようでは解約率が高くなり、サポートが必要になれば余計なコストがかかってしまいます。
そこで必要となるのがセルフオンボーディングの促進です。セルフオンボーディングとは、テックタッチとユーザー自身の力でプロダクトの初期設定を完了できるようにする取り組みを指します。たとえばクラウド型サービスによくある初回のチュートリアルやガイド機能などは、セルフオンボーディング施策と言えるでしょう。
セルフオンボーディングを実現できれば、 ユーザーは途中で挫折することなく自らプロダクトへの理解を深められます。
ユーザーにパーソナライズされた提案をする
ユーザーの利用状況を把握し、各ユーザーにパーソナライズされた提案ができるようにしましょう。利用状況を把握できれば、以下のような提案が可能になります。
- 利用頻度が高いユーザーにアップグレードをおすすめする
- 解約画面に進んだユーザーにまだ利用していない機能を紹介する
- 一度解約して戻ってきたユーザーに割引クーポンを配布する
PLGを採用するプロダクトの傾向として、競合サービスが多いことがあげられます。 競合サービスへの乗り換えを回避するためにも、一人ひとりのユーザーにあわせた提案が重要です。
複数プランを用意する
フリーミアムでのプロダクト提供を検討している場合は、フリープランのほかに有料プランを複数用意しましょう。「フリープラン」「ビジネスプラン」「エンタープライズプラン」のように、 ユーザーの利用状況やビジネス規模にあわせて選択できる形にします。
フリープランから徐々に機能を拡張できるようサービスを設計すると、ユーザーが「有料版も試してみよう」と納得してアップグレードしやすくなります。結果的に客単価も引き上げやすくなるでしょう。
PLGでもマーケティング戦略は必要
PLGは、プロダクトそのものに営業の役割を担わせるビジネスモデルです。営業やサポートにかかるコストを抑えて事業成長を実現できるメリットがあり、おもにサブスクリプション型サービスでよく採用されています。
とはいえ、 PLGであっても認知拡大のためのマーケティング活動は必要です。優れたプロダクトを用意しても、ユーザーがプロダクトを認知してくれなければ無料体験は提供できません。
そこでおすすめなのが、クラウド型CMS『LeadGrid』です。LeadGridは株式会社GIGがWeb制作の際に利用するCMSで、Webマーケティングやリード獲得支援を得意としています。
- ランディングページの作成・編集機能
- ホワイトペーパーの登録機能
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- 顧客管理機能
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上記の機能を標準で備えており、これまでWebサイトを触った経験がない担当者でも簡単に使いこなせると好評です。
プロダクトの認知拡大施策に、ぜひ活用をご検討ください。
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