多言語サイトのURL最適化|SEOとユーザビリティを両立させるには
多言語サイトのURL最適化|SEOとユーザビリティを両立させるには
企業がグローバルにビジネスを展開する際、多言語に対応したWebサイト(多言語サイト)の制作はほとんど必須といえます。
多言語サイトを制作する際サイトの文言やデザインも重要ですが、同様にサイトのURL設定も非常に重要な役割を果たします。URLの設定方法を誤ると、Webサイトの検索エンジンからの評価を下げることにつながり、訪問者にとっても情報を見つけにくくなってしまう可能性があるためです。
そこで本記事では多言語サイトのURL設定について、SEOとユーザビリティ同時に担保していく方法を解説します。Googleが推奨する多言語サイトの管理方法についても解説するので、ぜひ最後までご覧ください。
なぜ多言語サイトのURL構造が重要なのか?
多言語サイトのURL構造が重要な理由は、主に次のふたつです。
- ユーザビリティ向上
- 検索エンジンによるページ内容の理解促進
ユーザビリティ向上
ユーザビリティとは、Webサイトの訪問者がサイトを利用する際のWebサイトの見た目や使いやすさ、そして探している情報をどれだけ早く見つけられるかなどを指します。
URL構造に配慮することで、多言語サイトのユーザビリティ向上が期待できます。URL構造が整っていると、ユーザーはWebサイトの構造を理解しやすく、探している情報を早く見つけることができるためです。
関連記事:ディレクトリ構造はSEOで重要?最適化の際の7つの注意点も
検索エンジンによるページ内容の理解促進
検索エンジンによるWebページの内容理解の促進にも、URL構造が重要な役割を果たします。
世界で最も使われている検索エンジンであるGoogleは、Webサイトを評価する際に200以上のランキング要因を考慮します。その中でも特に重要なのがユーザー体験、コンテンツの質、そして技術的な要素(サイトの速度、セキュリティ、モバイルフレンドリーなど)です。多言語サイトの場合、これらに加えて各ページがどの言語で提供されているか、またどの地域をターゲットにしているかという情報も重要となります。
というのもGoogleの目標は「ユーザーが検索する情報を最も正確かつ迅速に提供すること」であり、ユーザーが使用する言語や地域に合わせて最適な検索結果を提供することを考えているためです。そのためGoogleはWebサイトのURLやその他の信号を利用して、各ページの言語と地域を判断するのです。
例えば “www.example.com/ja/” といったようにURLに “/ja/” という文字が含まれていると、そのページが日本語で提供されていることが分かるので、Googleはそのページを日本語で検索するユーザーに向けた検索結果に表示させやすくなります。
多言語サイトのURL設計の主な3つの方法
ここからは多言語サイトのURL設計について解説します。
URL構造の基本
多言語サイトのURL構造について理解するためには、URL構造の基本について理解しておく必要があります。まずはURL構造の基本、特にドメインとサブドメイン、サブディレクトリについて見ていきましょう。
ドメインとは何か?
ドメインとはインターネット上の住所のようなもので、Webサイトが存在する場所を指します。例えば “www.example.com” というURLがあるとすると “example.com” 部分がドメインです。
ちなみに“www.example.com” の “example” の部分をセカンドレベルドメイン(SLD)、 “.com” の部分をトップレベルドメイン(TLD)と呼びます。
サブドメインとサブディレクトリの違い
サブドメインとは “blog.example.com” のように、 “blog” の後にドメインが続くようなURL構造を指します。一方サブディレクトリとは “www.example.com/blog” といったように、スラッシュ(/)の前にドメインが来るようなURL構造を指します。
多言語サイト用URLの3つの構築手法のメリット・デメリットを比較
多言語サイトのURLを設計するための主要な手法は主に次の3つです。
- ccTLDを利用する
- サブドメインを利用する
- サブディレクトリを利用する
なおURLパラメータの利用でも「使用する言語ごとに違うページを表示する」こと自体は可能ですが、「別のページの有無が不透明になる」などの理由からGoogleからは推奨されていません。詳細は下記の記事をご覧ください。
関連記事:多言語サイトでのSEOのポイント5選|Google公式情報を元に解説
ccTLDを利用する場合
ccTLDとは、特定の国や地域を表すトップレベルドメインのことを指します。ccTLDを使用すると、そのWebサイトが特定の地域に向けて提供されていることを明確に示すことができます。例えば、".jp"は日本、".us"はアメリカを表す、といった具合です。
ccTLDを利用する最大のメリットは、その国や地域をターゲットにした明確な信号をユーザーと検索エンジンの両方に送ることができる点にあります。ターゲットを検索エンジンに的確に伝えることで、地元のユーザーに対するWebサイトの関連性を高めることができます。
反面デメリットとしては展開する国分のドメインが必要になるため、各ccTLDで別々のWebサイトを管理しなければならないという運用面での負担です。また異なるccTLD間で検索エンジンからの評価を共有するのが難しいため、各Webサイトが(それぞれのサイト同士をリンクで繋ぐ、などは可能ではあるものの)SEOの観点から独立した存在となってしまいます。
サブドメインを利用する場合
サブドメインを利用すると、同じドメインの下で複数の異なるサイトを運営することができます。この方法を採用することで、特定の言語や地域向けのWebサイトを個別に運営することが可能です。例えば “us.example.com” というURLは、アメリカのユーザー向けのサイトであることを示しています。
サブドメインを利用するメリットは、それぞれのサブドメインが独立したWebサイトとして扱われるため、言語ごとや地域ごとに異なるSEO戦略を取ることができる点です。さらにサブドメイン方式は技術的に実装が比較的簡単なため、迅速に多言語化を進めたい場合に有用です。
対してサブドメインを利用するデメリットとしては、ccTLD同様に各サブドメインがSEOの観点から独立した存在となるため、検索エンジンからの評価をサブドメイン間で共有することが難しい点が挙げられます。
サブディレクトリを利用する場合
サブディレクトリを利用すると、同じサイト内で異なる言語や地域向けのコンテンツを独立して管理することができます。例えば “example.com/jp/” というURLは、日本のユーザー向けのコンテンツがあることを示しています。
サブディレクトリ方式のメリットは、全ての言語・地域のコンテンツが一つのドメインの下に存在するため、ドメイン全体のSEO効果をすべてのコンテンツが共有することができる点です。どの言語のページを更新してもすべてのドメインの評価となるため、Webサイト全体の検索エンジンからの評価を向上させる助けになります。
デメリットとしては各地域・言語のページが同じドメイン内に存在するため、地域や言語ごとに異なるSEO戦略を取ることが難しくなる点が挙げられます。
Google公式ガイドによる多言語サイトの最適な管理方法
Googleは多言語サイトを管理するための公式ガイドラインを提供しています。このガイドラインは最適な検索エンジン評価を得るための重要な要素となるので、ぜひ多言語サイト運用の際は押さえておきましょう。
多言語と多地域の違い
まずは多言語と多地域の違いを理解しましょう。
多言語は異なる言語のユーザーを対象としたコンテンツを提供することを指します。一方、多地域は特定の地理的な場所に基づいてコンテンツを提供することを意味します。
対応言語によっては多言語、多地域、あるいは両方の特性をもつ場合もある点には注意が必要です。例えばスペイン語で書かれたコンテンツは多くの国や地域で共有できます。しかし一方で、同じくスペイン語を公用語とするメキシコ向けとのWebページと、スペイン向けのWebページの内容は異なるかもしれません。
この場合では特定の地域にしか情報を配信しない場合と、両方の地域に配信したい場合で対策が分かれます。
特定の地域にしか配信しない場合はGoogleサーチコンソールなどでターゲットの指定を行いましょう。また両方の地域に配信したい場合はccTLDやサブドメインによる多言語化を行い、スペインとメキシコで別々のページが表示されるようにしましょう。
Googleが推奨する多言語サイトの管理方法
Googleが公式ガイドラインの中で示している、多言語サイトの管理方法について主に下記4トピックについて解説します。
各言語のページに対して固有のURLを設定すること
各言語に対して、独自のURLを設定しましょう。
対応言語がふたつなど少ない場合に、両方の言語をひとつのページにまとめているケースもありますが、これはSEOとしてはマイナスです。先述の通りGoogleは検索ユーザーの属性に応じて適切なページの提供を重要な課題としています。この観点から、さまざまな言語がひとつのページに混在しているページはユーザーに必要な言語以外不要な情報が多いため、検索エンジンから評価されづらくなります。
Googleによるターゲット地域の認識方法
Googleは下記のような方法で自社サイトのターゲット地域を認識します。
- ccTLD
- Googleサーチコンソールでの地域設定
- hreflang属性
- サイトの内容
- リンクの構造
そのため多言語サイト制作・公開の際は、これらの手段によりサイトのターゲットをGoogleに正しく伝えられているかについて確認する必要があります。
なおccTLDで “.jp” などを使用している場合、ターゲットは「日本」で固定されてしまい、Googleサーチコンソールやhreflangで指定しても無効となってしまいます。ccTLDの利用は特定の地域にターゲットを限定する場合のみとしましょう。
具体的な言語やターゲット地域の指定方法
ここではhreflang属性を利用して言語やターゲット地域を指定する方法について紹介します。hreflang属性を利用して言語やターゲット地域を指定するには次のふたつの方法があります。
- HTMLタグ
- HTTPヘッダー
HTMLタグを使用して、Googleに対して Webページの異なる言語や地域版を明示することができます。HTMLの形式は主に、<link rel="alternate" hreflang="言語コード" href="ページURL" /> です。この要素をWebページの<head>部分に追加します。
例えば英国版、米国版、英語版、ドイツ版、そして特定の言語や地域を指定しないデフォルトのページがあるWebサイトであれば、それぞれのページの<head>部分には以下のようなタグを含めましょう。
<head>
<title>Widgets, Inc</title>
<link rel="alternate" hreflang="en-gb" href="https://en-gb.example.com/page.html" />
<link rel="alternate" hreflang="en-us" href="https://en-us.example.com/page.html" />
<link rel="alternate" hreflang="en" href="https://en.example.com/page.html" />
<link rel="alternate" hreflang="de" href="https://de.example.com/page.html" />
<link rel="alternate" hreflang="x-default" href="https://www.example.com/" />
</head>
これにより、Googleはユーザーのブラウザの設定に応じて、適切な地域や言語のページを表示することができます。
HTML以外のファイル、たとえばPDFのような場合には、HTTPヘッダーを使用して各ページの言語や地域版をGoogleに伝えることができます。HTTPヘッダーの記載フォーマットは次のとおりです。
Link: <ページURL1>; rel="alternate"; hreflang="言語コード1", <ページURL2>; rel="alternate"; hreflang="言語コード2", ...
例えばPDFファイルが英語版、スイスのドイツ語版、他の地域のドイツ語版の3つのバージョンがある場合、それぞれに対応するLink:ヘッダーは以下のようになります。
Link: <https://example.com/file.pdf>; rel="alternate"; hreflang="en",
<https://de-ch.example.com/file.pdf>; rel="alternate"; hreflang="de-ch",
<https://de.example.com/file.pdf>; rel="alternate"; hreflang="de"
以上の方法で、Googleにページの言語や地域のターゲットが明示できます。
hreflang属性の利用の際は、各言語・地域版のページが互いにリンクしていること、言語コードと地域コードの指定が正しいことなどが重要です。これらのルールを守らないと、Googleは誤った解釈をするか、最悪の場合、完全に無視してしまうことがあります。
SEOを考慮した多言語サイトの設計・制作はLeadGridまで
この記事では多言語サイトのURL最適化について、重要性から具体的な方法について紹介しました。この記事を参考に、SEOとユーザビリティを両立した多言語サイトを作成しましょう。
また多言語サイト制作は実績の多いLeadGridがおすすめです。
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