デジタルセールスルーム(DSR)とは?必要性やメリット、主要ツールを解説
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近年、アメリカをはじめとした欧米で「デジタルセールスルーム(DSR)」の利用が広がっています。
日本でも注目されているデジタルセールスルームですが、「どのようなツールなのかイマイチ分からない」「何ができるの?」と疑問を感じている方も多いでしょう。
そこで本記事では、デジタルセールスルームの基礎知識やメリット、機能などを解説します。世界で使われている主要ツールも紹介しているので、ぜひ最後までご覧ください。
デジタルセールスルーム(DSR)とは
デジタルセールスルーム(DSR)とは、売り手(企業)と買い手(顧客)が製品情報や営業コンテンツを共有できるオンラインスペースのことを指します。言い換えれば、「デジタルで営業活動を行うための空間」と表現できるでしょう。
ここではデジタルセールスルームの基礎知識として、仕組みや注目される背景について解説します。
デジタルセールスルーム(DSR)の仕組み
デジタルセールスルーム(DSR)は、顧客専用のWebページを営業担当者が容易に作成できる仕組みです。
一般的に初回顔合わせの前に作成され、製品カタログや価格表、初回ミーティングのアジェンダ、事例集などが共有されます。営業側は顧客がどの資料をどこまで閲覧したかを確認できるため、より効率良く営業活動を進められます。
またデジタルセールスルームでは、チャットやタスクの共有も可能です。一つのプラットフォーム上にログが残ることから、「チャットはチャットツール、タスク管理はタスク管理ツール」と、複数のツールを横断する手間を省けます。そのため、営業側・顧客側の双方にとって無駄がなく、効率の良い手法といえるでしょう。
デジタルセールスルーム(DSR)が注目される背景
デジタルセールスルーム(DSR)が注目を受けている背景には、DXの推進が絡んでいます。
DXとは、デジタル技術を活用して、社会や生活をより良いものに変革する取り組みのこと。企業のDX化が進む現代では、営業活動においてもCRM/SFAで営業履歴や顧客情報を管理し、アプローチを最適化する「営業DX」の動きが活発化しています。
2000年代から普及が進んでいるCRM/SFAですが、昨今では「現場での入力が間に合っていない」という課題を抱えた企業が増えてきました。そこで注目されているのがデジタルセールスルームというわけです。
デジタルセールスルームであれば、そもそもデジタル上で営業活動を行える(ログが残る)ため、わざわざ入力を行う必要がありません。またCRMとの自動連携機能を備えている製品もあり、既存ツールを活用することもできます。
日本ではまだ普及が進んでいないデジタルセールスルームですが、CRM/SFAが浸透したように、これから徐々に普及していくことが予想されています。
関連記事:営業DXとは?取り組む重要性や現場で導入する方法を解説
デジタルセールスルーム(DSR)のメリット
デジタルセールスルーム(DSR)は、営業・顧客の双方にメリットがあるプラットフォームです。ここでは、デジタルセールスルームのメリットを、営業側・顧客側に分けて解説します。
営業側のメリット
デジタルセールスルーム(DSR)を利用する営業側のメリットは下記の2つです。
- 顧客の行動や興味関心をチェックできる
- 営業情報や契約書類を一元管理できる
顧客の行動や興味関心をチェックできる
デジタルセールスルーム内で共有された資料は、閲覧・ダウンロードされた日時がデータとして分かるようになっています。また「どの資料をどこまで読んだのか」まで把握できることから、顧客の興味関心や本気度をチェックすることも可能です。
これらの情報は、次回の商談を円滑に進めるための準備に利用できます。顧客の興味関心に合わせた営業コンテンツを用意することで、顧客体験の向上を期待できるでしょう。
営業情報や契約書類を一元管理できる
デジタルセールスルームは顧客ごとに作成されるため、CRM/SFAを更新しなくても個別の営業情報を管理することができます。
営業で使用した資料や提案書、見積書も管理できることから、振り返りやノウハウの蓄積にも役立つでしょう。また成約となった場合、電子署名の受け取りや契約書の管理もデジタルセールスルームで対応可能です。
顧客側のメリット
デジタルセールスルーム(DSR)を利用する顧客側のメリットは下記の2つです。
- 課題をすぐに解決できる
- 営業資料を探す必要がない
課題をすぐに解決できる
デジタルセールスルームを利用すれば、リアルタイムで営業担当者とチャットできます。不明点を直接担当者に確認できるため、顧客は課題を即時的に解決できるでしょう。
また共有されている資料や動画をいつでも確認できることも、顧客側の効率性向上に役立ちます。
営業資料を探す必要がない
一般的に、営業担当者から受け取る営業資料は、メールやチャットなどで送られます。しかしメールやチャットは時間の経過とともに埋もれてしまい、どこに必要な資料があるか見失ってしまうことも。
デジタルセールスルームなら、プラットフォーム内に必要な資料がすべてアップロードされているため、顧客は営業資料を探す手間を削減できます。
デジタルセールスルーム(DSR)の主要機能
デジタルセールスルーム(DSR)の主要機能を下記の6つに分けて解説します。
- 製品情報の掲載
- 営業資料の設置
- エンゲージメント分析
- リモートコミュニケーション
- 相互タスク管理
- 電子署名機能
- CRM/SFA連携
製品情報・価格の掲載
デジタルセールスルームでは、プラットフォーム上に製品スペックや価格表、製品カタログなどを掲載できます。
顧客が検討に必要な資料をあらかじめ用意しておくことができるため、営業側・顧客側双方の効率性向上に役立つでしょう。
営業資料の設置
デジタルセールスルーム上に製品の導入事例集や使い方の解説動画、口コミなど、営業活動に使う資料を設置することができます。
個別に作成された動画や資料を設置すれば、顧客体験の向上にもつながるでしょう。
エンゲージメント分析
デジタルセールスルームでは、「誰が、いつ、どのコンテンツを、どれくらい見ているのか」という情報を可視化できます。
エンゲージメントレポートを確認し、顧客の状況や興味関心を把握することで、よりパーソナライズされた提案を行うことができます。
リモートコミュニケーション
デジタルセールスルームには、チャット機能やビデオ通話機能、共有画面機能など、リモートコミュニケーションを可能にする機能が搭載されています。
これにより、遠方の顧客とも不自由なく商談を行えるようになるでしょう。
相互タスク管理
デジタルセールスルームには相互タスク管理機能が搭載されており、営業側・顧客側双方のタスクが一目でわかるようになっています。
商談をスムーズに進めることができ、双方の効率性を向上させることができるでしょう。
電子署名機能
デジタルセールスルーム上で契約や注文を行うための、電子署名機能も搭載されています。
契約書類の確認から署名、書類の管理まで一つのプラットフォームで実行可能です。
CRM/SFA連携
多くのデジタルセールスルームは、主要なCRM/SFAと連携できる機能を持っています。
自動同期できる製品もあるため、CRM/SFAの入力を効率化することも可能です。
デジタルセールスルーム(DSR)の主要ツール
現在では、世界中のさまざまな企業がデジタルセールスルーム(DSR)の開発・提供を進めています。ここでは、おすすめの3つのツールを紹介します。
- DealPods(ディールポッズ)
- Dealhub
- Clientpoint
DealPods(ディールポッズ)
DealPods(ディールポッズ)は、株式会社マツリカが提供する日本初のデジタルセールスルームです。
「商談情報の一元集約」「コミュニケーション&案件進捗スピードアップ」「売り手と買い手の相互支援」の3つを実現できるプラットフォームで、ローンチから半年で案件化率+16.1%、受注率+25.8%、案件受注単価+33.7%という結果も出ています。
無料版も利用できるため、まずは使用感を確かめたいという企業におすすめです。
Dealhub
Dealhubは、見積もりから成約、そして収益までのプロセスを合理化してくれる統合プラットフォームです。
デジタルセールスルームの「Deal Room」のほか、構成が複雑な製品を見積もるための「CPQ」や契約の締結前から締結後までのフローを管理・最適化する「CLM」など、複数のツール群で構成されています。Deal RoomはDealhubのツールをすべて1か所で使用できるため、営業段階から収益段階までのプロセスを一貫して最適化できます。
Clientpoint
Clientpointは、「プライベート・リレーションシップ・ポータル」というデジタル環境で営業活動から成約までを実行できるツールです。
製品情報や営業資料の共有から、閲覧状況の可視化・分析、電子署名、スマートフォンからのコンテンツ追加、CRM連携など、さまざまな機能を実装しており、営業担当者のパフォーマンスを向上してくれます。またSalesforce、Hubspotなどの主要CRMとの連携ができる点も優れているポイントです。
デジタルセールスルーム(DSR)が向いている企業
下記に該当する企業は、デジタルセールスルーム(DSR)の利用が向いているでしょう。
- 営業活動の属人化を解消したい企業
- CRM/SFAを上手く活用できていない企業
- 海外企業をターゲットにしている企業
営業活動の属人化を解消したい企業
営業活動の属人化を解消したい企業は、デジタルセールスルームの利用が向いています。
デジタルセールスルームでは、営業で使う提案資料から見積書、価格表、契約書まで、さまざまな情報を管理できます。さらに顧客とのやりとりを一つのプラットフォーム上に残しておけるため、成功要因の分析にも役立つでしょう。
ケーススタディとして使用すれば、トップセールスのノウハウを営業部全体に共有することができます。
CRM/SFAを上手く活用できていない企業
「CRM/SFAを導入しているものの、現場での入力が行われておらず正しいデータが計測できない」という悩みを持っている企業も多いでしょう。
CRM/SFAは、営業活動に加えて入力の手間があるため、営業担当者の業務量が増えてしまうデメリットがあります。しかしデジタルセールスルームなら営業活動のログがプラットフォーム上に残るうえ、CRM自動連携に対応しているツールを使えば、既存のツールを生かしながら効率良く営業活動を行うことができます。
海外企業をターゲットにしている企業
アメリカを中心とした欧米諸国では、すでにデジタルセールスルームの利用が進んでいます。海外企業をターゲットにしているなら、早めにデジタルセールスルームを導入することで、他社との差別化につながるかもしれません。
デジタルセールスルーム(DSR)を活用して顧客体験を向上させよう
デジタルセールスルーム(DSR)は、日本ではまだ浸透していないITツールです。しかし営業DXが推進されるこれからの時代、日本でもデジタルセールスルームを活用した営業活動が増えてくるでしょう。今後の動向をチェックし、波に乗り遅れることのないよう準備しておきたいところです。
また営業DXを推進するなら、デジタルセールスルームに限らず、ツールや施策の選定は慎重に行いましょう。株式会社GIGでは、オウンドメディアの制作や運用支援、オウンドメディアマーケティングに必要な機能を盛り込んだ独自CMS「LeadGrid」を開発・提供しています。詳しくは下記より詳細をご覧ください。
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