SMBとエンタープライズそれぞれの営業戦略の違いは?二股モデルで成功するポイントを解説|Webサイト制作・CMS開発|LeadGrid

SMBとエンタープライズそれぞれの営業戦略の違いは?二股モデルで成功するポイントを解説

目次

あらゆる企業は、事業規模により「SMB」もしくは「エンタープライズ」の2つに分類されます。それぞれではリードタイムや意思決定フロー、購入・契約の判断軸が異なるため、自社のターゲットにあった営業活動を行うことが重要です。

この記事では、SMB戦略のメリット・デメリットやエンタープライズとの違い、二股モデルの営業戦略を成功させるためのポイントを紹介します。

どのようなターゲット層を狙えばいいのかを知りたい企業、企業利益の最大化を目指す企業は、ぜひ本記事を営業戦略にお役立てください。

SMBとは

SMB(Small to Medium Business)とは、中小企業を意味するビジネス用語です。明確な定義はありませんが、SMBは従業員が数名から数百名程度の会社を指すことが一般的です。

SMBを対象とした営業戦略には、どのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。ここでは、SMBに対する理解を深めるための基礎知識を紹介します。

SMB営業戦略のメリット

SMBを対象とした営業戦略のメリットは、次の3つです。

  1. 市場規模が大きい

  2. 決裁者と接点を作りやすい

  3. リードタイムが短い

各メリットの詳細を説明します。

市場規模が大きい

SMBは大企業と比べると数が非常に多いため、アプローチ対象も多くなります

独立行政法人 中小企業基盤整備機構によると、日本における全企業数のうち、99.7%が中小企業に該当することがわかっています。反対に、日本における大企業はたったの0.3%。つまり、大企業を対象とするビジネスよりも、SMBを対象とするビジネスのほうが市場規模は大きいのです。

ターゲットが無数に存在するので、そのぶんリードや顧客を獲得できるチャンスも増えます

※出典:独立行政法人 中小企業基盤整備機構|日本を支える中小企業

決裁者と接点を作りやすい

決裁者と接点を作りやすく、スムーズに商談を進められる点もSMBを対象とした営業戦略の特徴です。

規模が小さい会社は、大企業と比べると決裁者とのアポイントを獲得しやすい傾向にあります。なかには、最初のアプローチでいきなり決裁者と話ができるケースもあります。

また予算に制限があることを理由に、自社に適した商材を探すため積極的に情報収集する経営者は少なくありません。そのため、テレアポや直接訪問といった「アウトバウンド型営業」だけではなく、コンテンツの配信や資料請求などの「インバウンド型営業」からの集客も期待できます。

リードタイムが短い

アポイントから商談、契約までのフローがシンプルですぐに成約につながる点も、SMBを対象とした営業戦略のメリットです。

先述したように、規模が小さい企業は決裁者に直接アプローチしやすく、意思決定のプロセスもシンプルです。場合によっては、1回目の商談で成約を獲得できることもあります。

大企業を相手にするときよりも効率よく成約を獲得できるため、短期間で成果を上げやすい傾向にあります。

関連記事:営業のリードタイムとは?BtoBのリードタイムを短縮する4つの方法

SMB営業戦略のデメリット

メリットが豊富なSMBを対象とした営業戦略ですが、反対に気をつけたいデメリットが存在していることも事実です。

SMB営業戦略のデメリットは、次の2つです。

  1. 単価が低い

  2. チャーンレートが高い

デメリットの詳細をみてみましょう。

単価が低い

SMBは成約に至りやすい点がメリットですが、一社ごとの単価が低いため注意が必要です。

大企業ほどの予算をもっていなかったり、商材を利用する規模・機能が限られていたりと、中小規模は契約単価が低くなりがちです。そのため利益を向上させるためには、少額の契約を数多く獲得しなければいけません

多くの企業へアプローチするリソースがない場合は、SMBだけを狙った営業戦略では十分な利益を得られない可能性があります。

チャーンレートが高い

チャーンレートは、日本語に直すと「解約率」を示す言葉です。SMBは、チャーンレートが高くなる傾向にあることも押さえておきましょう。

規模が大きい会社は、一度導入した商材やサービスを乗り換えることが難しいと考えられています。なぜなら、多くの人が意思決定に関わっているうえに、わずかな変更でも現場で働く膨大な従業員に大きな影響を与えるためです。

対して、意思決定フローがシンプルで変更による影響が少ないSMBは、解約や乗り換えに苦労しにくい傾向にあります。そのため、魅力的な商品・サービスを提供できなければ、すぐに解約されるおそれがあるのです。

あわせて押さえておきたい「エンタープライズ」とは

SMBとあわせて押さえておきたい関連用語として、「エンタープライズ」が挙げられます。エンタープライズは、大企業を指すビジネス用語です。

意思決定フローが複数部門にまたがり課題も複雑なエンタープライズでは、じっくりと時間をかけてアプローチしていく必要があります。また、収益の安定化や爆発的な利益向上を狙える点が特徴的です。

SMBとエンタープライズは、セットで使われたり比較されたりすることが多い言葉です。しっかりと覚えておきましょう。

SMBとエンタープライズにおける営業戦略の違い

ターゲットとする企業の規模が異なれば、営業戦略にも違いが出てきます。各企業の特色にあったアプローチをするのが、営業を成功させるためのコツです。

SMBとエンタープライズにおける営業戦略には、以下のような相違点があります。

  1. 市場の選定

  2. リードタイム

  3. 訴求内容

  4. 成約後のサポート

どのような違いがあるのか、詳しくみていきましょう。

市場の選定

1つ目の違いは、市場の選定方法です。

SMBを対象とした営業戦略では、市場を絞り込まずに広く網を張って、より多くの顧客を獲得することを目指します。もちろん、自社商材の特性をふまえて業界や業種をある程度絞り込むことはありますが、幅広いリードを対象にアプローチしていくことが一般的です。

対してエンタープライズは、業種や規模などを細かく絞り込んで狙い撃ちをする「ABM(Account Based Marketing)」が基本となります。ターゲットを特定する手法には、アプローチシナリオを策定しやすくなる、リソースの集中によってROI(投資利益率)が向上するなどのメリットがあります。

広く浅くアプローチするのがSMB、狭く深くアプローチするのがエンタープライズということです。

関連記事:アカウントベースドマーケティング(ABM)とは?手法や事例も解説

リードタイム

2つ目の違いは、リードタイムの長さです。

決裁者と接点を作りやすく意思決定のフローがシンプルなSMBは、リードタイムが短く当日に契約に至ることも多々あります。一方でエンタープライズは、決裁者が意思決定を下すまでに時間がかかるため、長期戦になる傾向にあります。

エンタープライズでは、時間をかけてじっくりとリードと向き合い、少しずつ信頼関係を構築していくことが重要です。

訴求内容

3つ目の違いは、商談における訴求内容です。

SMBは課題の抽出を行い、それを解決できるソリューションを提案して成約を目指すことが多い傾向にあります。対してエンタープライズは課題の解決に加え、個別のカスタマイズやビジョンの共有など+αの価値提供が必要になることがほとんどです。

機能や価格だけではなく、付加価値や伴走する姿勢も重要視される点がエンタープライズの特徴です。

成約後のサポート

4つ目の違いは、成約後のサポート内容です。

SMBは顧客数が多くなる傾向にあるため、電話やWeb会議システムなどを使って、いち顧客あたりのサポートに割くリソースを抑えることが少なくありません。対してエンタープライズは、個別サポートや企業訪問などで接触頻度を高めることで、じっくりと関係の深化を狙います

これは商談の過程でも同様で、SMBは電話やチャットなどを使った方法で、エンタープライズは企業訪問などの方法でコミュニケーションをとる傾向にあります。

二股モデルの営業戦略が重要な理由

二股モデルとは、異なる市場セグメントに対して均等に投資する営業戦略です。

SMBとエンタープライズの両方に注力する二股モデルの営業戦略は、企業成長において重要な意味をもちます。なぜなら、二股モデルの営業戦略には以下のようなメリットがあるためです。

  1. 市場シェアを拡大できる

  2. ブランドイメージの固定化を防げる

  3. 企業利益を最大化できる

どのようなことなのか、詳しく説明します。

市場シェアを拡大できる

二股モデルの営業戦略には、市場シェアを拡大できるという大きなメリットがあります。

SMB、もしくはエンタープライズのどちらかに市場に絞ってしまうと、他の市場に参入する障壁が高くなります。各セグメントでは有効な戦略が異なり、ノウハウがなければ成約を獲得することは難しいためです。また、既存企業に市場シェアを独占されてしまえば、後発企業が入り込む隙はなくなるでしょう。

いざというときにそれぞれの市場を行き来するのは、決して簡単なことではありません。早い段階で二股モデルを取り入れていれば、スムーズな市場シェアの拡大を狙えます。

ブランドイメージの固定化を防げる

ブランドイメージの固定化を防げるのも、二股モデルのメリットです。

エンタープライズに絞ってビジネス展開すると、「あの製品は大企業向けだから」と、ブランドイメージが固定化されてしまいます。そのような場合、いくら中小企業向けのプランを用意していたとしても、顧客に敬遠されて機会損失につながってしまう可能性があるのです。

SMBとエンタープライズの両方の顧客を抱えていれば、どちらの市場でも新規顧客を獲得しやすくなります。

企業利益を最大化できる

二股モデルは、企業利益の最大化に貢献してくれます。

比較的低単価の顧客をより多く獲得するSMB戦略では、認知・顧客数の拡大と、それによるリスク分散が狙えます。一方でエンタープライズ戦略は、顧客単価が高いため利益向上につなげやすいうえに、解約率が低いことで収益が安定する点がメリットです。

各営業戦略には、異なったメリットとデメリットがあります。二股モデルで両方に取り組めば、リスクを抑えつつ利益の最大化を目指せるようになるのです。

二股モデルを成功させるためのポイント

二股モデルを成功に導くには、以下のようなポイントを意識する必要があります。

  • 業務プロセスを仕組化する

  • 商材の特性を理解する

  • 顧客理解を深める

  • インバウンドとアウトバウンドを使い分ける

  • 人材配置を最適化する

  • 複数のチャネルを用意する

各ポイントについて詳しくみていきましょう。

業務プロセスを仕組化する

二股モデルを戦略に取り入れる際は、案件数が多くなることが予想されます。それに伴い、進捗管理や受注プロセスが複雑化することは防げません。

各営業担当者が情報を個別管理することも可能ですが、案件数が増えればミスが生じる可能性が高まりますし、業務の属人化にもつながります。それを防ぐためにも、業務プロセスの仕組化が欠かせないのです。

二股モデルを成功に導くためにも、営業サポートツールや顧客管理ツールを積極的に活用しましょう。ツールを使えば情報を一元管理できるようになり、リソースを抑えながら効率よくアプローチする仕組みを構築できます。

商材の特性を理解する

商材の特性を理解したうえで営業戦略を立てることも、非常に重要です。

例えば、利益率が1社につき1つしか売れない商材は、短期間で成約を狙えるSMBに適しています。商材にもよりますが、じっくりと時間をかけてエンタープライズにアプローチしても、売れる商品が1つであれば営業生産性は低いといえるためです。

反対に、ID数などに応じて売上がアップする商材の場合は、エンタープライズを狙って営業したほうが多くの利益を得られる可能性があります。

このように、商材によって向いている企業規模は異なります。二股モデルでどちらにも取り組みつつ、より注力すべきなのはどちらかなのかを見極められると、さらなる企業成長を目指せるでしょう。

顧客理解を深める

顧客理解を深めると、二股モデルで得られる利益を最大化できます。

SMBとエンタープライズにおける営業戦略の違いは先述したとおりですが、これはあくまで「このような傾向がある」という一般論でしかありません。すべての企業が同じニーズを抱えているわけではないため、定石にとらわれすぎることは避けましょう。

市場の状況や顧客が抱えている課題、商材によって、適した営業手法や提案内容は異なります。顧客理解を深め、アプローチや提案内容を個別にカスタマイズすることが重要です。

インバウンドとアウトバウンドを使い分ける

二股モデルでは、インバウンドとアウトバウンドを使い分けると効果的です。

インバウンドとは、顧客に有益な情報を提供することで、自社に興味を持ってもらう営業手法です。SNSを使った情報発信やセミナーの開催などが手法の一例として挙げられます。

アウトバウンドは、自社から積極的に顧客にアプローチする営業手法です。企業訪問やテレアポなどが該当します。

一般的には、市場が大きいSMBはインバウンド、ABMが有効なエンタープライズにはアウトバウンドが向いていると考えられています。

もちろん、業界や商材によって異なるため、「絶対にこちらの手法でなければいけない」ということはありません。それぞれの営業手法を使い分けたり組み合わせたりして、顧客心理・行動に合わせたアプローチを行いましょう。

関連記事:インバウンド営業とは?具体的な手法から成功させるコツについても

人材配置を最適化する

SMBへのアプローチに向いている人材とエンタープライズへのアプローチに向いている人材は、大きく異なります。

SMBでは、短期間で自社や商材を好きになってもらう必要があります。そのため、多くの顧客にアプローチし、素早く成約を獲得する「狩猟型営業」が得意な人材が最適です。

一方で、エンタープライズはじっくりと顧客と向き合い、顧客が求める以上の提案をする必要があります。ゆえに、農作物を育てるように顧客を育成し、時間をかけてコミュニケーションをとりながら信頼関係を構築する「農耕型営業」が得意な人材が向いています。

営業担当者の性格や得意な営業スタイルをふまえてチームを編成できると、より成果につながる営業戦略を立てられるでしょう。

複数のチャネルを用意する

二股モデルでは、チャネルを多く持つことが大切です。

先述したとおり、SMBとエンタープライズでは向いている営業手法が異なります。SMBはインバウンド、エンタープライズはアウトバウンドが向いているため、チャネルがどちらかに偏ってしまうと、十分な集客効果が得られません。

さまざまなチャネルを横断的に活用して、顧客とたくさん接点を持つことが二股モデルを成功に導くカギです。コンテンツ運用やイベント開催、テレアポ、企業訪問など複数のチャネルを用意しておくと、顧客の獲得機会を増やせます。

関連記事:新規顧客開拓の効果的な方法は?8つのアプローチ・施策や追うべきKPIも

SMBとエンタープライズの二股モデルを成功させるなら

SMBとは、中小企業を指すビジネス用語です。大企業を意味する「エンタープライズ」と比較して使われることが多いため、各用語の違いをしっかりと整理しておきましょう。

SMBを対象とする場合とエンタープライズを対象とする場合では、営業戦略が大きく異なります。また、それぞれには違った長所・短所があるので、メリットを最大化できる二股モデルの営業戦略の実施を検討してみてください。

二股モデルの成功には、複数チャネルを活用したリード獲得が欠かせません。その手法のひとつとして有効なのが、リード獲得の母艦となるWebサイトを運用する戦略です。

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