インサイドセールスとは? 意味やメリット、やり方を解説
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インサイドセールスとは、メールや電話などの非対面の方法で行う営業活動を指します。対面での営業が制限されたことをきっかけに、インサイドセールスを導入する国内企業が増えています。
営業効率の向上や売上アップに効果的とされるインサイドセールス。この記事では、インサイドセールスの概要とメリット・デメリット、導入のやり方、成功させるポイントを解説します。
なお「売上アップのために見込み客の獲得数も増やしたい」とお悩みの方は、ぜひこちらの資料もお役立てください。
インサイドセールスとは非対面の営業活動のこと
インサイドセールスとは、メール、電話、Web会議といった非対面の方法で行う営業活動を意味する用語です。「内勤営業」や「リモート営業」と呼ばれることもあります。
HubSpot社が2021年12月に実施した調査によると、日本企業のインサイドセールス導入率は40.4%。2019年の11.6%、2020年の36.4%と、コロナ禍で対面営業が制限されたのをきっかけにインサイドセールスを導入する企業は増加傾向にあります。
インサイドセールスは、営業するほう・されるほうの双方が場所を選ばないで済む営業スタイルです。在宅ワークとの相性の良さも、インサイドセールス増加の理由と考えられます。
まずは従来のフィールド営業およびテレアポとの違いを知り、インサイドセールスの理解を深めましょう。
フィールドセールスとの違い
フィールドセールスとは、飛び込み営業、訪問営業、会議室での商談のように、従来の対面による営業活動を指します。
- 顧客との直接コミュニケーションでリアルな情報を収集できる
- 顧客の温度感を測定しやすい
- 商品の魅力を伝えやすい
など、インサイドセールスとは異なるメリットがあります。
インサイドセールスを導入していてもクロージングはフィールドセールスで行う企業は多く、それぞれの強みを生かした使い分けが求められます。
テレアポ・テレマとの違い
インサイドセールスと「テレアポ」や「テレマ」との違いは、その目的です。
- インサイドセールス:非対面の営業によってリードの購買意欲を高め(ナーチャリング)、商談につなげることが目的
- テレアポ:テレフォンアポインターの略称。電話で商談や訪問営業のアポを取ることが目的
- テレマ:テレフォンマーケティング。電話を使って市場調査を行うことが目的
インサイドセールスの業務内容にテレアポやテレマが含まれる場合もありますが、あくまで見込み客との良好な関係構築が優先と言えるでしょう。
マーケティングとインサイドセールスの関係
マーケティングとインサイドセールスは重なる部分が多く、後述するBDRのようにインサイドセールスがリード獲得〜ナーチャリングまでを担う場合もあります。
実際の業務の切り分け方は企業によって違いがありますが、大まかには次のように区別されます。
- マーケティング:リード発掘・獲得、購買意欲の育成(リードナーチャリング)
- インサイドセールス:ナーチャリング、確度の高い見込み客の選別(リードクオリフィケーション)、案件化
- フィールドセールス:商談、受注・成約
- カスタマーサクセス:アフターフォロー、顧客のリピーター化
マーケティングで購買意欲の高い見込み客を作り、インサイドセールスで商談可能な状態(案件化)まで進め、フィールドセールスが実際の商談を行うといった流れが多いでしょう。 部門を横断して見込み客を引き継いでいくため、マーケティング部門と営業部門との連携が重要になります。
インサイドセールスには2タイプある
インサイドセールスにはSDRとBDRという2つのタイプがあります。
SDR(反響型)
SDR(Sales Development Rrepresentative)は「反響型」と呼ばれるタイプ。見込み客からの反響(問い合せや資料ダウンロード)を起点として展開するのが特徴です。
マーケティング部門がオウンドメディアやSNSを介して創出した見込み客を、インサイドセールスが引き継いで案件化を行う場合は、SDRに該当します。
自社の商材に興味・関心を持っている状態の見込み客に対して営業活動を展開できるため、次に紹介するBDRより成功率が高いとされます。
オウンドメディアの活用についてはこちらの資料もお役立てください。
BDR(新規開拓型)
BDR(Business Development Representative)は「新規開拓型」と言われるタイプです。成功したときの受注額が大きい大企業に対して行なわれることが多いでしょう。
BDRのインサイドセールスでは、ターゲットとする企業の問い合わせ窓口などからメールや電話でアプローチします。自社の商品や製品にまったく興味のないコールドリードを相手にするため、SDRと比べて失敗率が高く、戦略が必要とされる方法です。
インサイドセールスのメリット・デメリット
インサイドセールスのメリットとデメリットを一言でいうと、メリットは「営業効率の向上」、デメリットは「導入時の組織作りに手間がかかる」です。
詳しくみてみましょう。
メリット
非対面で営業できるインサイドセールスでは、次のようなメリットがあります。
- 接触する見込み客を増やせる
- テレワークが可能
- マニュアル化しやすい
商談場所までの移動を必要とするフィールドセールスでは、担当者が1日に対応できる見込み客数には物理的な限界があります。
その点、 電話やメールといった移動を伴わない手段を使えるインサイドセールスは、同じ期間でより多くの見込み客と接触できます。
また、営業活動の内容をマニュアル化しやすい点もメリットです。「初回の電話で顧客からのヒアリングすべき事項」「メールを再送する目安」などをあらかじめ決めておくことで、質を保ったまま営業活動を効率化できます。
さらに活動内容が記録として残りやすいため、属人化の回避にも効果的です。
デメリット
インサイドセールスのデメリットは、次の2つがあげられます。
- インサイドセールスの組織体制の構築に手間がかかる
- 不得意な商材がある
インサイドセールスは、マーケティング部門が獲得・ナーチャリングした見込み客を案件化して、営業部門へ引き継ぎます。つまり、マーケティング部門と営業部門をつなぐハブとも言えるでしょう。
部署を横断した情報共有の仕組みが必須になるため、 ゼロからインサイドセールスの組織を構築するとなると組織改造やMAツールの導入といった手間がかかります。
また、すべての商材がインサイドセールスに向くわけではありません。たとえば機械や材料といった「物」が商材の場合は、現物を見て、触ってもらえる対面での営業のほうが効果的な場合もあります。
ビジネスモデルによってインサイドセールスが有効な範囲が異なる点も、組織体制の構築を難しくしています。
インサイドセールスの進め方
営業効率の向上が期待できるインサイドセールスですが、無計画に始めてもなかなか成功しません。そこで、これからインサイドセールスに取り組もうと考えている方へ向けて、インサイドセールスのやり方を5 stepで紹介します。
- インサイドセールスを導入する範囲を決める
- インサイドセールスを行う組織体制を整える
- KPIを設定する
- インサイドセールスのシナリオを作る
- 関係部署との情報共有体制を作る
1. インサイドセールスを導入する範囲を決める
まずは既存の営業プロセスのなかの、どこをインサイドセールスに置き換えるか決めます。ひと口にインサイドセールスといっても、扱う商材や顧客の属性によって業務範囲は異なります。
- 状況のヒアリングだけ行う
- ナーチャリングから商談のアポを取りまで行う
- ナーチャリングからクロージングまで行う
など、インサイドセールスのゴールはさまざまです。対応する業務範囲を明確化し、関係部署と共有しておきましょう。
2. インサイドセールスを行う組織体制を整える
どのような組織体制でインサイドセールスのチームを立ち上げるか決めます。
- マーケティング部門または営業部門の一部として作る
- マーケティング・営業部門とは別部門としてチームを作る
どちらもあり得ます。営業・マーケティングとの連携がインサイドセールスの成否を決めるため、両部署とコミュケーションを取りやすい位置にチームを作るのが良いでしょう。
3. KPIを設定する
インサイドセールスとしてのKPI(目標値)を設定します。
- 案件化率(商談率)
- 案件化数
- メール開封率
- 架電数(電話をかけた回数)
- 通話時間
よく使われるKPIとして上記があげられます。
たとえば電話を用いる場合、まず架電数をKPIに設定して行動量を増やし、そのあと通話時間をKPIにしてナーチャリングの精度を上げるといったやり方が考えられるでしょう。
KPIを設定することで、プロセスの改善やメンバーのモチベーション維持につながります。
なおインサイドセールスは、マーケティングでリード獲得に成功していることが大前提です。もしリード獲得数が伸び悩んでいる場合は、こちらのお役立ち資料や関連記事もご覧ください。
関連記事:リード獲得施策の成果を上げる10の方法|リード獲得方法の一覧表付き
4. インサイドセールスのシナリオを作る
インサイドセールスのシナリオとは、見込み客に対して「どのタイミング」で「どの情報を提供するか」のフローチャートを指します。
- キャンペーンやセミナーなどの各種案内
- 導入事例の紹介
- 見積金額の概算
- 商談のアポイントメント
上記のような情報を見込み客の温度感にあわせて紹介します。たとえば、見積りで止まっている見込み客に無料体験を案内したり、過去に導入事例をダウンロードした見込み客に最新事例を紹介するなどが考えられます。
インサイドセールスの一連の流れをあらかじめ設定し、誰が担当しても同じ流れでインサイドセールスが展開できる状態にすることが重要です。
5. 関係部署との情報共有体制を作る
営業やマーケティングといった関係部署と情報共有ができる体制を作ります。
インサイドセールスは関係部署との連携が必須です。どこかで顧客情報が共有されずに溜ってしまうと、メリットである属人化防止や営業活動の効率化に支障が出ます。
MAツールなどを活用し、部門を横断して情報を一元管理できる体制を構築しましょう。
インサイドセールスを成功させるコツ
インサイドセールスを成功させるコツは以下の3つです。
- トークスクリプトを作成する
- ボトルネックの可視化に努める
- 自社にあったツールを導入する
トークスクリプトを作成する
トークスクリプトとは、おもに電話でインサイドセールスを行う際に使う台本です。シナリオに合わせ、場合わけして作成します。
たとえば「いつもお世話になっております。◯◯株式会社の◯◯と申します。」からスタートし、相手の反応ごとに分岐していくイメージです。
- 誰にどんな情報を提供したいのか
- どんな情報をヒアリングしたいのか
- この電話のゴール(目的)はなにか
上記3つの視点でトークスクリプトを作成します。最初は電話営業に慣れた担当者のトーク内容を参考に考え、使うなかでブラッシュアップしていくとスムーズでしょう。
なおメールでインサイドセールスを行う場合は、トークスクリプトの替わりにテンプレートを作成します。
ボトルネックの可視化に努める
マーケティング〜営業におけるボトルネックを可視化しましょう。
- 見込み客は十分に獲得できているか?
- ホットリード(いますぐ客)は育成できているか?
- 案件化率や受注率に問題はないか?
インサイドセールスを導入したからといって、すぐに受注数が増えるわけではありません。まずは 関係部署が協力し、現状の課題解決に取り組みましょう。
自社にあったツールを導入する
インサイドセールスでは関係部署との情報共有が鍵です。
- SFA(営業支援システム)
- CRM(顧客管理システム)
- MAツール(マーケットオートメーションツール)
上記のようなツールを導入すると、リード獲得からナーチャリング、受注まで各プロセスのデータを一元管理できます。
顧客情報が増えてくると、人の手による管理はフォロー漏れのリスクが大きくなります。
データが増えてからツールを導入するとなるとデータ移行の手間もかかるため、ツールは早めの導入がおすすめです。
インサイドセールスの第一歩はリード獲得から
日本企業のインサイドセールスの多くは、見込み客からの問い合わせや資料ダウンロードを起点としたSDRです。見込み客はすでに興味関心が高い状態にあるため、インサイドセールスの成功率は高いとされています。
その反面、リード獲得数が十分にないとインサイドセールスが機能しません。
よってインサイドセールスで最終的な受注数を増やそうと考えるなら、リード獲得施策も並行して強化する必要があります。
リード獲得施策にWebサイトの活用をお考えなら、ぜひ『LeadGrid』をご検討ください。
LeadGridはリード獲得に特化したCMSです。
- Webページの見たまま編集
- 顧客管理機能
- 資料ダウンロード設定
- フォームの制作・最適化
など、リード獲得に必要な機能がすべてそろっており、担当者ベースでの施策実施を実現します。マニュアルを見なくても直感的に操作できるUIも特徴です。
さらに、主要MAツールと連携して導入することも可能なため、獲得したリード情報をインサイドセールスに活用できます。
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