士業のホームページを作成するときは、制作費以外にもドメインの取得費やCMSの利用代金など、さまざまな費用が必要になります。具体的な費用はサイトの規模や制作方法によって異なりますが、どれくらいの費用を見込んでおけばよいのか気になる方は多いかもしれません。

本記事では、士業のホームページ作成にかかる費用目安や内訳を紹介します。ぜひ、自社にあったホームページ制作プラン選びにお役立てください。

なお、下記の記事では士業におすすめのホームページ制作会社を紹介しています。あわせてご覧ください。

関連記事：士業のホームページ制作が得意な制作会社9選｜事例から制作ポイント

士業のホームページ作成にかかる費用目安

士業のホームページ作成費用は、サイトの規模や内容、依頼先によって大きく異なるため一概にはいえません。しかし、制作会社に依頼する場合とフリーランスに依頼する場合、自社で作成する場合では費用が大幅に変わってくるので、それぞれの違いを理解しておくことが大切です。

ここでは、各ホームページ作成方法の費用目安と、メリット・デメリットをみていきましょう。

ホームページ制作会社に依頼する場合

士業のホームページ作成でもっとも一般的なのが、制作会社に依頼するパターンです。近年は、士業に特化した制作会社が増えてきました。

Web制作やマーケティングのノウハウがある専門業者に依頼することで、デザイン性や操作性が高く、集客効果のあるホームページが制作できます。ただし、専門的なサービスを提供してもらえるぶん、費用は高くなってしまう点に注意が必要です。

ホームページ制作会社の費用目安は、次のとおりです。

• 小・中規模の制作会社に依頼する場合：30万～100万円

• 大手制作会社に依頼する場合：150万円以上

なお、サイトの規模や目的によっても費用は変わってきます。

• 名刺代わりの簡易的なホームページ：150万～300万円

• 集客用のホームページ：300万円～

• 集客用のオウンドメディア：300万円～

ページ数やコンテンツ、競合の多さに比例して費用も高くなっていきます。制作を依頼するときは、予算と内容のバランスに気をつけましょう。

フリーランスに依頼する場合

フリーランスにホームページ制作を依頼する場合は、10万～30万円前後が費用の目安となります。

制作会社に比べると、費用を大幅に抑えられる点がメリットです。しかし、依頼する相手によってホームページのクオリティや業務に関する知識の深さに差があるため、思い通りのホームページに仕上げられない可能性があります。

場合によっては、希望するページの作成や機能の実装ができない場合もあるでしょう。フリーランスに依頼するときは、事前に対応可能な範囲を確認しておく必要があります。

自社で作成する場合

費用を抑えたい場合は、自社でホームページを作成するという手もあります。近年は初心者でもホームページを作成できるツールが増えてきたので、興味がある方は挑戦してみてもよいでしょう。

自社で対応すればコストを最小限に抑えられますし、編集や更新もしやすくなります。ただし、作成に時間がかかったり満足できるクオリティに仕上げられなかったりするデメリットに注意が必要です。

ホームページを自作する場合、かかる費用の目安は次のとおりです。

• CMSの導入費用：数万～100万円

• CMSの月額利用料：3万～20万円

• ドメインやサーバー代：1万～5万円

自社で制作することが難しい場合は、制作だけ依頼して自社運用を行うのも一案です。制作費はかかりますが、ランニングコストを抑えられます。

関連記事：Webサイト制作の流れ8ステップ｜各工程のポイントも解説

士業のホームページ作成費用の内訳

士業のホームページ作成費には、次のような費用が含まれています。

• ドメインの取得

• レンタルサーバー

• サイト制作費

• CMSの利用代金

• 運用にかかる費用

納得してホームページ制作を依頼するためにも、内訳の詳細を知っておきましょう。

1. ドメインの取得

ドメインとは、インターネット上の住所のようなものです。ホームページのURLの最初にある、「〇〇.com」「〇〇.jp」などが該当します。

ホームページを制作するときは、そのサイト専用のドメインを取得しなければいけません。ドメイン代は、年間で5,000円前後が目安となります。

2. レンタルサーバー

レンタルサーバー代は、ホームページを公開するときに経由する「サーバー」をレンタルするときに発生する費用です。費用目安は、月々1万〜5万円程度です。

費用を抑えるために安いサーバーや無料のサーバーを使う手もありますが、性能が大幅に落ちてしまうためおすすめできません。快適性や信頼性を担保するためにも、標準的な有料サーバーを利用することを推奨します。

関連記事：ホームページのサーバーって何？仕組みや種類、選び方まで解説

3. サイト制作費

ホームーページ作成費用の大部分を占めているのが、このサイト制作費です。自社で制作するときは費用が発生しませんが、制作業者に依頼する場合は、高額な費用が発生します。

サイト制作費には、デザインやディレクション、コンテンツ、コーディング、システム開発などのさまざまな費用が含まれます。また、写真などの素材を使用するときにかかる撮影代がかかる場合もあるため注意が必要です。

4. CMSの利用代金

CMS（Contents Management System）とは、Webサイトを構成する画像やテキスト、デザイン情報などを一元管理するシステムです。

通常、ホームーページはHTMLやCSSなどのプログラミング言語を用いて作成されます。しかしCMSがある場合は、素材をアップロードするだけで、希望するレイアウトでコンテンツを表示させられるようになります。

CMSを利用する場合は、サイト制作時のコーディング費用はほとんどかかりません。その一方で、システム開発やCMSの導入・保守費用などがかかります。

CMSの導入費用は、初期費用が数万～100万円、ランニングコストが3万～20万円程度を目安にみておきましょう。

安価なテンプレートデザインやWordPressなどの無料CMSを利用すれば、費用を安く抑えられる場合もあります。反対に、オリジナルデザインのCMSや高機能なCMSを利用する場合は、導入費用は高くなります。また、有料のCMSは毎月の維持・管理費用も必要です。

5. 運用にかかる費用

作成したホームページの管理・保守を制作会社に依頼する場合は、運用費用が発生します。

費用は依頼内容や会社によって大きく異なりますが、保守や簡単なメンテナンス程度であれば、費用の目安は数千円から3万円程度です。運用やコンテンツ制作、Web広告の運用まで一任する場合は、20万円以上の維持管理費がかかると考えておきましょう。

自社運用の場合は、運用にかかる費用は節約が可能です。ただし、レンタルサーバー代やドメイン代などの最低限のランニングコストは必要になります。

士業ホームページ作成の依頼先の選び方

士業のホームページ作成に対応した制作会社は数多く存在しています。そのなかから自社にあった制作会社を選ぶには、どのようなポイントをチェックすればよいのでしょうか。

必ずみておきたいポイントは、次の4点です。

• 士業に関する知識・実績がある

• 作成費用に納得できる

• マーケティングや集客に強い

• サポートが手厚い

各ポイントの詳細をみていきましょう。

士業に関する知識・実績がある

士業のホームページを作成するときは、業務に関する専門知識が必要です。対応している業務や専門用語などの知識がなければ、目的を果たせるホームページの作成は難しいためです。

また、士業の方が広告や集客目的のホームページを制作する際は、各法令で定められた規制を遵守しなければいけません。規制から逸脱した表現をすると、懲戒の対象となり大幅に事務所の信頼性を落としてしまう危険性があります。

そのため士業のホームページ作成時は、業務に関する深い知識や実績がある依頼先を選ぶことが大切なのです。

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作成費用に納得できる

作成費用に納得できるかどうかも、事前に確認しておきたいポイントです。

• 不明瞭な項目がないか

• 希望に沿った内容か

• あとから追加費用が発生しないか

上記の事項をしっかりとチェックして、内容に納得できる依頼先を選びましょう。

大切なのは、価格だけで依頼先を選ばないことです。あまりにも安い制作会社の場合、コンテンツの品質が低下したり追加費用がかかったりするおそれがあります。

まずは、ホームページに求めるデザインや機能に優先順位をつけて、妥協したくない要素と妥協できる要素を見極めましょう。そのうえで何社か比較し、予算とサービスのバランスがよい制作会社を選ぶことが大切です。

関連記事：Webサイト制作の見積もりで気をつけるべき点は？費用の内訳項目も

マーケティングや集客に強い

ホームページ作成を依頼するときは、マーケティングや集客に強い会社を探しましょう。

ホームページは、単に作成しただけでは集客効果がありません。検索エンジンで上位表示させたり、Web広告で露出を増やしたりと、さまざまな施策を実施して顧客に認知してもらう必要があります。

士業のホームページで特に重要になるのが、MEO（Map Engine Optimization：マップ検索エンジン最適化）です。

MEOは、地図エンジンで検索したときに店舗などを上位表示させるための施策です。士業の先生を探すときは、「地域＋〇〇（弁護士など）」と検索する人が多いので、MEOの実施が不可欠となります。

SEOやMEO、広告運用には専門的な知識が必要です。しっかりとノウハウを持っている依頼先を選びましょう。

サポートが手厚い

サポートの手厚さも、ホームページ作成の依頼先を選ぶときに重要となります。

制作会社を比較するときは、次の項目を確認しておきましょう。

• ホームページ制作に必要な素材（写真・テキストなど）に関するサポート

• 運用体制を構築するためのサポート

• Webマーケティングや集客のサポート

• 納品後のトラブルサポート

特に重要なのが、納品後の調整や運営サポートに対応しているかどうかです。

納品後のサポートに対応していない制作会社の場合、すべてを自社で対応しなければいけなくなります。自社にノウハウがなければ、更新ができなくなったりホームページを非公開にすることになったりするため、いつでも専門家に頼れる環境を整えておく必要があります。

また、サイト運用で成果を出すには、効果測定と改善を繰り替えるPDCAサイクルが欠かせません。「作って終わり」ではない依頼先を選ぶことで、本当に集客できるホームページにブラッシュアップしていきましょう。

士業のホームページ作成で費用を抑えるコツ

士業のホームページを作成するにあたって、できるだけ費用を抑えたいと考える方は少なくありません。

ホームページの作成費用を節約したいときは、次のようなことを検討してみましょう。

• テンプレートを活用する

• 素材を自社で用意する

• 依頼内容を明確にしておく

• スモールスタートにする

どのようなことなのか、詳しく解説します。

テンプレートを活用する

完全オリジナルのデザインを希望する場合は、どうしても高額なデザイン設計費用がかかってしまいます。依頼先の制作会社にテンプレートを使ったプランがある場合は、それを活用してコストカットを図るとよいかもしれません。

テンプレートといっても、使用する画像や表示させるコンテンツの内要・位置、メインカラーなどの変更が可能な場合がほとんど。他社と瓜二つのホームページになるわけではないので、安心してください。

テンプレートを使用しても、ある程度は希望を反映したりオリジナリティを出したりすることは可能です。強いこだわりがない場合は、ぜひテンプレートの使用を検討してみてください。

素材を自社で用意する

画像や原稿などの素材を制作会社に用意してもらうときに、別途費用がかかることがあります。可能な範囲で素材を自社で用意しておくと、ホームページの作成にかかる費用を節約できるかもしれません。

例えば、事務所代表者の写真を掲載するときに、制作会社に撮影を依頼すると撮影費がかかってしまいます。自社で撮影してその写真を提供すれば、撮影費はカットできるでしょう。

制作会社によっては素材の用意から制作まで含めたサービスをワンパッケージで提供している場合もあるので、素材の代金はコストカットできない場合もあります。また、自社で用意した素材を使うことで、ホームページのクオリティが下がってしまう可能性があることは理解しておきましょう。

依頼内容を明確にしておく

依頼する業務の範囲を明確にしておくことも、ホームページ作成費用を節約するうえでは重要となります。

• 運用は自社で行うので、制作だけ依頼したい

• 素材や原稿は自社で用意する

• ドメイン・サーバーは自社で準備する

このように、依頼範囲を限定するとコストカットできる場合があります。

ただし先述したように、サービス範囲が決まっている制作会社もあります。必ずしも依頼する作業範囲を指定できるわけではないため注意しましょう。

スモールスタートにする

スモールスタートにすることも、ホームページ作成費用を節約するひとつの方法です。

デザインや構造が複雑なホームページやページ数が多いホームページは、作成に手間がかかるため費用も高くなります。最初は最低限のページだけ作成し、あとから必要なぶんだけカスタマイズしていけば、費用は最低限に抑えられます。

士業に特化した制作会社であれば、集客のために最低限どれくらいのページが必要なのか、力を入れるべきコンテンツは何なのかを一緒に考えてくれるでしょう。少ないコストで集客効果を最大化するためにも、士業の集客に深い知見がある制作会社に依頼することが大切です。

士業のホームページ作成で注意したいポイント

最後に、士業のホームページ作成で注意したいポイントを3つ紹介します。

• 目的やターゲットを明確にしておく

• 費用を左右するポイントを押さえておく

• 作成後の運用方法を決めておく

各項目について詳しく説明します。

目的やターゲットを明確にしておく

ホームページの目的や訴求したいターゲットは、最初に決めておきましょう。これらの要素は、ホームページの中身や構造、デザインを大きく左右します。

例えば、企業向けの法務相談を専門とする場合は、格式高いデザインにしたほうがよいかもしれません。相続相談など一般の方をターゲットにする場合は、親しみやすいデザインでわかりやすい構造のホームページのほうが抵抗感を抱かれにくいでしょう。

目的やターゲットに応じたデザインやホームページ構造に仕上げるには、Web制作の知識が不可欠です。制作会社にホームページ作成を依頼する場合は、積極的にプロの意見を取り入れましょう。

費用を左右するポイントを押さえておく

ホームページの作成費用は、次のような要素に影響されます。

• サイト規模（目的）

• デザイン

• 機能

• 依頼先

すべての要望を叶えようとすると、費用が高額になってしまう可能性があります。予算が限られているときは、優先順位を決めて、ときには妥協しながら制作を進めていくことが大切です。

「機能はシンプルでいいけど、デザインにこだわりたい」
「この機能は絶対欲しいけど、依頼先にはこだわらない」

このように、妥協できる点と妥協できない点を整理しておくと、予算オーバーしてしまうことを防げるでしょう。

作成後の運用方法を決めておく

自社運用する場合と運用を外注する場合では、費用や制作会社の選び方が大きく変わります。

運用を外注するときは、プロの視点で集客効果の高い施策を実施してもらえます。しかし、当然費用も高くなる点に注意が必要です。

自社運用はコストを抑えられますが、担当スタッフの教育やWeb制作の知識がない人でも操作しやすいCMSの導入が不可欠です。そのためにも、運用支援やトラブル発生時のアフターサポートを提供している制作会社を選ぶ必要があります。

あらかじめ作成後の運用方法を決めておけば、適切なホームページ制作費や依頼先を見極められるようになるでしょう。

費用対効果が高い士業のホームページ作成を目指すなら

士業のホームページを作成するときは、依頼先やホームページの規模・内容、デザインなどによって費用が左右されます。費用対効果の高いほかホームページにするためにも、目的やターゲット、優先順位をしっかりと整理してから制作することがおすすめです。

士業のホームページで重要なのは、情報の新鮮さと顧客から信頼を獲得できるコンテンツの掲載です。関連法令の改正や顧客ニーズの変化に対応するためにも、自社で編集・更新できるホームページを作成することを推奨します。

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