静的CMSとは?動的CMSとの違いや選び方についても
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近年、Webサイトの構築や運営に欠かせない存在となっているCMS(コンテンツ管理システム)。その中でも静的CMSは高いセキュリティと高速な表示速度が特長として注目を集めています。一方、動的CMSはリアルタイム性や柔軟なカスタマイズ性を備えており、幅広いニーズに対応可能です。
本記事では静的CMSについて詳しく解説すると共に、動的CMSとの違いを比較し、各CMSの特性を踏まえた選び方のポイントについてもお伝えします。自社のWebサイトにはどちらのCMSが適しているのか、理解を深めていきましょう。
静的CMSとは
静的CMSとは、Webサイトのコンテンツをあらかじめ生成し、HTMLファイルとして保存、配信するタイプのコンテンツ管理システムです。Webサーバーにアクセスがあると、予め用意されたHTMLファイルをそのまま表示するため、表示速度が非常に速いという特長があります。
またデータベースを使用せずにコンテンツを配信するため、動的CMSに比べてセキュリティリスクが低いというメリットもあります。 サイトの更新頻度が低く、セキュリティを重視するサイトに適しています。
静的CMSの仕組みを簡単に説明すると、以下のようになります。
- コンテンツの作成・編集
- HTMLファイルの生成
- 生成されたHTMLファイルをWebサーバーに配置
- ユーザーのリクエストに応じて、HTMLファイルを表示
この一連の流れにより、静的CMSはシンプルかつ高速にWebサイトを提供することができるのです。
関連記事:CMSの仕組みとは?CMS提供会社がわかりやすく解説
静的CMSと動的CMSの違い
静的CMSと動的CMSの主な違いは、Webページの生成方法とコンテンツ更新の仕組みです。静的CMSでは、コンテンツの更新時にHTMLファイルを再生成する必要がありますが、動的CMSではリアルタイムでコンテンツを生成し、表示することができます。
具体的には、以下のような違いがあります。
- 静的CMSはHTMLファイルを事前に生成するのに対し、動的CMSはリクエストに応じてリアルタイムでHTMLを生成する
- 静的CMSはデータベースを使用しないが、動的CMSはデータベースを使用してコンテンツを管理する
- 静的CMSはファイルベースのシステムであるのに対し、動的CMSはプログラムとデータベースで動作する
この仕組みの違いにより、実際の運用では次の表のような違いが出ます。
特徴 | 静的CMS | 動的CMS |
---|---|---|
コンテンツ生成 | 事前に生成 | リアルタイムで生成 |
更新の反映 | 再生成が必要 | 即時反映 |
表示速度 | かなり高速 | 高速 |
セキュリティ | 高い | 中程度以上 |
サーバー負荷 | 低い | 高い |
カスタマイズ性 | 限定的 | 高い |
データベース使用 | 不要 | 必要 |
この比較表を見ると、 静的CMSはセキュリティと表示速度に優れている一方で、リアルタイム性や動的な要素への対応、更新の容易さなどの点で動的CMSに軍配が上がっていることがわかります。
動的CMSの特徴
動的CMSは、以下のような特長を備えています。
リアルタイム性
動的CMSでは、データベースからコンテンツを取得し、リアルタイムで最新の情報を表示することができます。頻繁にコンテンツを更新するサイトに適しています。例えば、ニュースサイトやブログなどでは、動的CMSを使用することで、常に最新の情報を提供し続けることが可能です。
動的な要素に適している
会員登録機能やショッピングカート機能など、動的な要素が必要なサイトには動的CMSが適しています。柔軟なカスタマイズが可能で、様々な機能を実装できます。例えば、ECサイトでは、ユーザーのログイン情報や購入履歴などを管理するために、動的CMSが不可欠です。
静的CMSの特徴
静的CMSには、以下のような特長があります。
セキュリティの高さ
静的CMSでは、データベースを使用しないためセキュリティリスクが低く、SQLインジェクションなどの攻撃を受けにくいという利点があります。動的CMSでは、データベースとの接続が必要なため、セキュリティ上の脆弱性が生じる可能性がありますが、静的CMSではそのようなリスクを軽減できます。
表示速度の速さ
静的CMSは、予め生成されたHTMLファイルを表示するため、動的CMSに比べて表示速度が速いという特長があります。表示速度を重視するサイトに適しています。特に、モバイルデバイスでのアクセスが多いサイトでは、高速な表示速度がユーザーエクスペリエンスの向上につながります。
静的CMSのこれらの特長は、セキュリティと表示速度を重視するWebサイトにとって大きな利点となります。一方で、コンテンツの更新に手間がかかるといった側面もあるため、自社のニーズに合わせて適切なCMSを選択することが重要です。
代表的な静的CMS6選
静的CMSには様々な種類がありますが、以下は代表的なおすすめの静的CMSです。
Movable Type
Movable Typeは、日本国内で導入実績が5万サイト以上と高いシェアを誇る代表的な静的CMSです。
独自のテンプレートタグ「MTタグ」を使うことで、プログラミングの知識がなくてもサイトのカスタマイズが可能な点が特徴。複数のサイトを1つのデータベースで一元管理できるのも魅力のひとつです。
大学など教育機関での導入率が高く、企業サイトにも数多く利用されているMovable Typeは、日本を代表する静的CMSのリーディングカンパニーと言えるでしょう。
関連記事:Movable Typeとは?特徴やWordPressとの違いを解説
NOREN
Movable Typeと並び静的CMSの代表格として知られるNORENは、高いユーザビリティをもつ国産CMSです。
2002年の販売開始以来、850社を超える企業や団体に導入されており、87%のユーザーが自社でサイト運営を行っているという高い自社運用率を誇ります。
NORENの最新バージョン「NOREN6」では静的CMSの利点を継承しつつ、動的な要素も取り入れたハイブリッド型のアーキテクチャを採用。これにより安定性や高速性を保ちながら、一部のコンテンツをリアルタイムに更新することが可能になりました。
さらに充実したサポート体制やトレーニング、使いやすいインターフェースなど、ユーザーフレンドリーな設計も特徴です。
関連記事:NORENはどんなCMS?特徴や評判、料金と導入がおすすめのケースを解説
ALAYA
ALAYAは、2002年に提供開始された国産のウェブサイト管理システムで、高い操作性とセキュリティを備えています。
入力フォーム型のコンテンツ編集方式をベースとしつつ、WYSIWYGエディタやWord・Excelからの貼り付けにも対応し、多様な入力タイプに対応しています。
セキュリティ面でも、ページ・素材・ユーザ単位のアクセス権限設定やCMS操作履歴の記録など、万全の対策が可能です。
官公庁や大手企業など多くの組織で導入されている信頼性の高いCMSといえるでしょう。
TeamSite
TeamSiteはグローバル企業を中心に多くの導入実績がある、大規模サイト向けのCMSです。TeamSiteの大きな特徴は、あらゆる形式のファイルを管理できる柔軟性にあります。HTMLファイルだけでなく、PHPなどの動的プログラムファイルも一元管理できます。また、サイトのまるごと移行が容易なため、他のCMSからのスムーズな移行を実現します。
さらにコンテンツとフロントエンドを分離した「ヘッドレスCMS」としての側面も持ち合わせています。ヘッドレスCMSとしての機能により、同じコンテンツをWebサイトだけでなく、アプリなどにも柔軟に活用できます。承認ワークフローの柔軟な設定や、バージョン管理機能なども備えた、大規模サイトに適した堅牢な静的CMSといえるでしょう。
PowerCMS
PowerCMSは、日本国内で3,000サイト以上の導入実績をもつCMSのひとつです。静的ページと動的ページの両方を出力でき、高いカスタマイズ性が特徴です。
PowerCMSは静的HTML生成を基本とするため、WebサーバとCMSサーバを分離しやすいのも大きな利点。CMSサーバと公開サーバを物理的に切り離すことでセキュリティを高められ、コンテンツのコンプライアンスチェックも確実に行えます。
企業サイトや公的機関のサイト構築に適した、優れた国産CMSと言えるでしょう。
HUGO
HUGOは厳密にはCMSではありませんが、静的なサイトを制作可能なフレームワークのひとつとして紹介します。HUGOはGo言語で開発された高速な静的サイトジェネレーターで、Markdown形式のコンテンツとテンプレートからHTMLベースのウェブサイトを高速で生成できます。
データベース不要でセキュリティリスクも低く、技術文書公開サイトやブログ構築に最適なツールです。
200以上の美しいテーマが利用でき、必要に応じて CSS やレイアウトのカスタマイズも可能。記事へのカテゴリ・タグ割り当てや、新着順・人気順などの自動インデックス生成機能も備えています。GitHub と連携した自動ビルド・デプロイまで可能な、開発者に優しい生産性の高い静的 CMS として広く利用されています。
静的CMSがおすすめなケース
静的CMSは、以下のようなケースで特におすすめです。
- 更新頻度が低いサイト
- セキュリティを重視するサイト
- 表示速度を重視するサイト
自社のWebサイトがこれらの条件に当てはまる場合には、静的CMSの導入を検討する価値があります。
更新頻度が低いサイト
コンテンツの更新頻度が低くリアルタイム性をあまり必要としないサイトには、静的CMSが適しています。例えばほとんど動かさないことがすでに決まっている企業のWebサイトや、一時的な活用を想定しているキャンペーンサイトは、更新頻度が低い傾向にあります。このようなサイトでは静的CMSを用いることで、高速な表示速度とセキュリティの高さを実現できるでしょう。
セキュリティを重視するサイト
セキュリティを最優先に考えるサイトにとって、静的CMSは理想的な選択肢です。データベースを使用しないため、SQLインジェクションなどの脆弱性を突かれるリスクが低くなります。また、サーバー上で動的な処理を行わないため、サーバー自体のセキュリティリスクも軽減されます。
表示速度を重視するサイト
静的CMSは構造として高速な表示速度を実現するため、 表示速度を何より重視するサイトに適しています。ユーザーエクスペリエンスの向上につながります。特に、モバイル端末でのアクセスが多いサイトでは、高速な表示速度が重要な要素となります。静的CMSを用いることで、ユーザーの満足度を高めることができるでしょう。
動的CMSがおすすめなケース
一方、動的CMSは以下のようなケースで真価を発揮します。
- 頻繁にコンテンツ更新するサイト
- 会員機能やEC機能が必要なサイト
- カスタマイズ性を重視するサイト
これらのニーズを持つWebサイトを構築する際には、動的CMSの導入を検討すべきでしょう。
頻繁にコンテンツ更新するサイト
ニュースサイトやブログなど、 新しい情報を頻繁に発信するサイトには動的CMSが適しています。リアルタイムでのコンテンツ更新が可能です。動的CMSを使用することで、常に最新の情報を提供し、ユーザーのエンゲージメントを高めることができます。
具体的には、以下のようなサイトが該当します。
- ニュースサイト
- ブログ
- 情報メディア
- キュレーションサイト
これらのサイトでは、新しい記事やコンテンツを頻繁に追加する必要があります。動的CMSを用いることで、効率的にコンテンツを管理し、スピーディーに情報を発信することができるでしょう。
会員機能やEC機能が必要なサイト
会員登録機能やショッピングカート機能など、 動的な要素が必要なサイトには動的CMSがおすすめです。柔軟にカスタマイズできるため、様々な機能を実装可能です。例えば、以下のようなサイトが該当します。
- ECサイト
- 会員制サイト
- コミュニティサイト
- 予約システム
これらのサイトでは、ユーザーとのインタラクションが重要な要素となります。動的CMSを用いることで、ユーザーのアクションに応じた動的な処理を行い、よりパーソナライズされた体験を提供することができます。
カスタマイズ性を重視するサイト
自社のニーズに合わせてサイトをカスタマイズしたい場合には、動的CMSが適しています。動的CMSは、プラグインやモジュールなどを活用することで、柔軟にサイトの機能を拡張することができます。また、デザインのカスタマイズも容易に行えるため、オリジナリティの高いサイトを構築することが可能です。
カスタマイズ性が重要となるサイトの例としては、以下のようなものがあげられます。
- ブランドサイト
- ポートフォリオサイト
- 大規模な企業サイト
- 特殊な機能を必要とするサイト
これらのサイトでは、他社との差別化を図るために、独自のデザインや機能が求められます。動的CMSを活用することで、これらの要求に柔軟に対応することができるでしょう。
CMS選定のポイント
CMSを選定する際には、以下の3つのポイントを考慮することが重要です。
求めるWebサイトの機能
まず自社のWebサイトに必要な機能を明確にしましょう。例えば、ブログ機能やEC機能、会員登録機能などです。必要な機能を備えているCMSを選ぶことで、効果的にサイトを運営することができます。
社内のスキルセット
CMSの運用には、一定のスキルが必要となります。社内にどのようなスキルを持ったメンバーがいるかを考慮し、現実的に運用が可能なCMSを選ぶことが重要です。特に、静的CMSを導入する場合には、HTMLやCSSなどのコーディングスキルが必要となります。
コンテンツの量と更新頻度
サイトで扱うコンテンツの量と更新頻度も、CMS選定の重要な要素です。大量のコンテンツを扱う場合や、頻繁に更新を行う必要がある場合には、動的CMSが適しています。一方コンテンツ量が少なく、更新頻度が低い場合には、静的CMSでも十分に対応できるでしょう。
これらのポイントを総合的に考慮し、自社に最適なCMSを選定することが重要です。
大事なのは「何ができるか」
CMSを選定する際に最も重要なのは、「そのCMSで何ができるか」ということです。単に静的か動的かという区分けだけでなく、必要な要件を洗い出し、各CMSの特長を理解し、自社のニーズに合ったCMSを選ぶことが大切です。
例えば動的CMSの中でも、WordPressやDrupalのようなオープンソースのCMSと、商用のCMSでは、機能やカスタマイズ性に大きな違いがあります。また静的CMSの中でもHugoのようなシンプルな静的サイトジェネレーターと、Movable Type のような高機能な静的CMSでは、適したサイト規模や用途が異なります。
自社のWebサイトに必要な機能は何か、どのような規模でサイトを構築するのか、誰がサイトの運用を担当するのかなど、様々な角度から検討し、最適なCMSを選定することが重要です。
なお「ブログやニュースなどの記事を頻繁に更新するので動的CMSがいい」「社内のスキルセットとしてITリテラシーはそんなに高くないから、使いやすいCMSがいい」「SEOやお問い合わせ獲得など『マーケティング』に力を入れていきたい」という場合には、LeadGridがおすすめです。
LeadGridは使いやすさとリード獲得機能を兼ね備えた動的CMSであり、マーケティング実績豊富な株式会社GIGがWebサイト制作にあたるので、リリース後のサポートも安心です。
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