参考にしたい営業戦略の具体例9つ|成功のポイントと役立つフレームワーク
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ビジネスを成功させるうえで重要なのは、長期的な視点で営業戦略を立て、計画的に取り組んでいくことです。しかし、「自社のビジネスにはどのような営業戦略が有効なのかわからない」「結果に繋がるような革新的なアイデアが思い浮かばない」など、営業戦略の立案に悩む営業担当は少なくありません。
効果を生む営業戦略の立案には、他社の成功事例を活用することが有効です。すでに成功を収めている事例を自社の状況に合わせて落とし込むことで、成果につながる営業戦略を効率的に考案できます。
本記事では、参考になる営業戦略の具体例を紹介します。企業事例を参考にしつつ、自社ならではの戦略を探っていきましょう。
営業戦略とは
営業戦略とは、売上向上や市場シェア拡大などの目標を実現するために定めた、営業活動に関する長期的な計画です。市場やターゲット、商品・サービス、販売方法などについて考えて戦略的に実施することで、他社との差別化を図ります。
営業戦略は、企業の経営や業績と大きな関連性があるため、慎重に策定する必要があります。また、変化の早い市場や顧客ニーズに対応するために、PDCAサイクルを回して常により良い営業戦略に磨き上げることも重要です。
なお、営業戦略を実行する手段や方法を具体的に定めたものを「営業戦術」と呼びます。営業戦略で長期的な見通しを立て、営業戦術で中短期的な施策について策定する、という流れが一般的です。
経営戦略・マーケティング戦略・営業戦術との違い
よく混同される経営戦略とマーケティング戦略、そして営業戦略について改めてその違いを確認しましょう。
- 経営戦略:組織目標を達成するための計画
- マーケティング戦略:市場・顧客・競合の動向を分析して策定する計画
- 営業戦略:売り上げや利益目標を達成するための計画
この3つの戦略を図で説明すると、以下になります。
一方で営業戦略と営業戦術にはどのような違いがあるのでしょうか。元々軍事用語として使われていた「戦略」と「戦術」という言葉には、以下のような意味があります。
- 戦略:戦いに勝つのための大局的・長期的な視点の計画
- 戦術:戦いに勝つための兵士の動かし方など局面的な方針
これを現場のケースに当てはめると「売上を10%アップさせる」という目標があった場合、
- 営業戦略:インサイドセールスやCRMツールを導入して顧客満足度を高め、サービスの解約率を下げてLTVを向上させる
- 営業戦術:導入したインサイドセールスを誰がどのように運用するか、CRMツールを活用してどのようなデータを収集するか
と、考え方も実施内容も異なります。
「戦略を考えず、戦術のみ策定して実行する」というケースも散見されますが、これでは目標を達成することはできません。そこで戦略と戦術は並行で策定するのではなく、戦略の下に複数の戦術が紐づいていると考えましょう。
ユニバーサル・スタジオ・ジャパンをたった数年で再建させた森岡毅氏は、以下のように述べています。
決して具体的で発想しやすい戦術から考えないということです。目的と戦略が定まらない限り、戦術に費やす時間は無駄になる可能性をはらんでいるのです。
戦略の方が戦術よりも大事なのです。戦略の大きなミスは戦術ではリカバリーできないからです。
営業戦略の成功事例集9選
営業戦略を立案するときは、他社の成功事例の活用しましょう。営業戦略の成功パターンを知っておけば自社の戦略に役立てられ、新しいアイデアも生まれます。
ここでは、魅力的な営業戦略で成功を収めた企業の事例を紹介します。ぜひ、自社の営業戦略に活かせるアイデアをみつけてください。
スターバックス
スターバックスは、上質な顧客体験を提供する営業戦略で成功を収めた企業です。
目指したのは、家庭や職場以外の居場所となる「サードプレイス」。おいしいコーヒーやフードだけではなく、インテリアや接客、居心地のよい空間作りにも注力しました。そしてコーヒーをより深く味わってもらうために全面禁煙にしたことで、女性顧客からの支持を得ることに成功しました。
さらに、地域ごとの店舗デザインの導入や四季折々のオリジナル商品販売など、何度も訪れたいと思わせる工夫をこらしました。
現在ではビジネス・プライベートを問わず多くの人に愛され、独自のブランディングに成功しています。
ユニバーサル・スタジオ・ジャパン
人気テーマパークのユニバーサル・スタジオ・ジャパンは、経営戦略の大幅な変更によりV字回復を果たしました。
開園当初はハリウッド映画ファンをターゲットにしていましたが、来場者数は低迷。そこで、大人から子どもまで集客できるように、映画だけではなくアニメやゲームなど多様なエンターテイメント要素を取り入れることで巨大テーマパークの維持と回復に成功しました。
具体的にはストリートパフォーマンスであるフラッシュモブなど、ここでしかできない体験を提供し、熱狂的なファンの獲得に成功。さらに、ハロウィンやクリスマス、卒業式などシーズンごとにイベントを実施することで、年間の来場回数を増やすことにも成功しています。当初は大人の来場者がメインでしたが、今ではファミリー層や若年層の顧客を多く獲得するまでに成長しました。
20周年を迎えた2021年には「スーパー・ニンテンドー・ワールド」を開園し、国内外から多くの来場者を集めています。
クラウドワークス
クラウドワークスは、クラウドソーシングプラットフォームを提供し成功を収めています。
従来、オンラインでマッチングできる仕事は「低単価で簡単にお小遣い稼ぎをするためのもの」というイメージがありました。しかしクラウドワークスは、オンラインでも生計を立てられるような案件の提供に注力しました。
自宅でもしっかりと稼げる仕組みは、クリエイターや在宅ワークを希望する人から大きな支持を得ています。また、企業側は人材採用のコストを削減できるため、働く人と会社の両方にメリットをもたらしました。
クラウドワークスの営業戦略と、当時副業や多様な働き方への注目が集まりつつあった時代の流れがマッチし、今では日本最大級のクラウドソーシングサービスへと成長しました。
アスクル
アスクルは、文字通り「明日来る」というコンセプトのもと、中小企業をメインターゲットに事務用品や医療用品などを販売しています。
アスクルの営業戦略の戦略は、ターゲットの絞り込みや分析を緻密に行っている点が特徴的です。中小企業の総務担当者が事務用品の購入を頼まれるシチュエーションを研究し、そのタイミングに合った商品のラインアップを決めています。
さらに、企業の枠を超えたコラボレーション企画の実施やビッグデータを活用し、顧客の購買意欲をかき立てる戦略を実施。ターゲット層が必要とする商品を必要なタイミングで届けるという、基本的な戦略を成功させました。
ジャパネットたかた
通信販売大手ジャパネットたかたは、商品の付加価値向上とターゲティングに注力した営業戦略で成功を収めています。
ジャパネットたかたでは型落ち商品を安く仕入れ、セット販売などで付加価値を向上。さらに、インターネット通販や家電量販店が取りこぼしている顧客層をターゲットに絞り、テンポのよい説明や豊富な情報量で顧客の心をキャッチしています。
商品の価格は必ずしも安いとはいえませんが、ターゲティングやブランディングの成功により不動の地位の確立に成功しました。ECユーザーが増えた現代において、順調に収益向上を実現しています。
丸亀製麺
セルフうどん店の丸亀製麺は、自社の強みを前面に押し出した営業戦略で顧客獲得に成功しています。
全店舗に製麺所を設置していることをCMで積極的にアピール。国産小麦を使った打ち立てのうどんをいつでも食べられること、そして創作的な商品の魅力を伝えることで、外食をする際の選択肢として選ばれにくかったうどんの価値を向上させました。
豊富な期間限定メニューを展開したり新体験のシェイクうどんの提供したりと他社にはない「楽しめる食体験」を提供している点も多くのファンを惹きつけています。
マクドナルド
マクドナルドは、さまざまなマーケティング手法を営業戦略に取り込み、成功を収めています。
営業戦略の基本となるのは、競合他社よりも価格を下げて競争優位性を確保する手法です。商品やサービスを安く提供しつつ、一定の利益率を維持する仕組みを構築しています。また、「早くて安い」という地位を確立し、さまざまな層の顧客を獲得しています。
近年は低価格商品に加え、中価格商品にも注力してニーズを拡大。人気コンテンツとも積極的にコラボレーション戦略も積極的に取り入れ、日本のファーストフード業界におけるトップシェアを維持しています。
株式会社ヤプリ
株式会社ヤプリは、ノーコードでアプリの開発・運用・分析できるプロダクトを提供しています。当時は上場を目指すにあたって、急速に成長を遂げる必要がありました。
売上アップのためには「単価」あるいは「受注数」を上げる必要がありましたが、ヤプリは「受注数がボトルネックである」と判断。しかし受注数を上げるためのリソースが不足していたため、営業代行を依頼しました。結果として、月間のアポイントメント獲得数は2倍以上に上昇しました。
パイオニア株式会社
パイオニア株式会社は業績アップという目標を立てたものの、見込み客に対応するインサイドセールス人材が不足していたため、営業のアポイントメント数が足りていない状況が続いていました。
そこでインサイドセールスを再構築するために、まず見込み客を増やすための施策を策定・実行し、見込み客の増加率を見ながら必要なインサイドセールスの人数を逆算し募集しました。
時に外部パートナーの力を借りながらインサイドセールス体制を整備したことで、アポイントメント数を2倍に増やすことができました。
しかし、インサイドセールス部門をイチから立ち上げるのは簡単ではありません。そこで下記記事ではインサイドセールスの概要から失敗しない立ち上げの手順まで紹介しているので、参考にしてください。
関連記事:インサイドセールスの立ち上げ手順と注意点、成功事例を紹介!
営業戦略を成功させる8つのポイント
営業戦略を策定するときは、目的や市場状況、顧客ニーズをしっかりと分析し、自社の強みを最大化する方法を導き出さなければなりません。
自社ならではの営業戦略を立案して成果につなげるために、以下のポイントを意識しましょう。
最初から完璧を求めない
営業の目的を明確化する
自社の営業課題を整理する
顧客理解を深める
自社と市場を分析する
営業戦略を立案する
KPIを設定する
立案した戦略の実行・結果に応じて改善する
ここからは、各ポイントの詳細を説明します。
最初から完璧を求めない
営業戦略を策定するからには失敗できないという意気込みがあるとはいえ、最初から完璧を求めるべきではありません。なぜならどれだけ綿密に考えた戦略でも、内部環境や外部環境の変化によって、スムーズに進まないことが多々あるからです。
当初から完璧な戦略を目指すのではなく、まずは実行に移しながら微調整していくことが重要です。
営業の目的を明確化する
まずは、営業戦略の目的を明確にしましょう。目的とは「何を・いつまでに・どうしたいのか」を具体化することです。
営業目標の策定には中長期的視点が重要です。そこで以下の3つのポイントを意識して、目標を立てましょう。
- 売上目標の金額や成長率は具体的な数値にする
- 組織全体の戦略と一致させる
- 現状の実績や市場動向を反映させた実現性のある目標にする
例えば「3年後までに売上を今の〇倍にする」「5年で業界シェア率を〇%まで向上させる」など、中長期かつ具体性の高い内容にすると成果を計測しやすくなります。
自社の営業課題を整理する
次に、自社の課題を整理しましょう。将来目す姿と現状を比較し、「どれほど現状と乖離しているのか」「何が不足しているのか」「どうすれば補えるのか」を整理していきます。
例えば、売上アップを目標に設定した場合は「リード数の不足」や「商談成功率の低さ」が課題と考えられます。リードの質と量が共に足りていない」という場合は、マーケティング部門と相談して戦略を策定する必要があります。「商談成功率の低さ」が問題である場合は、営業のトークスクリプトを見直したり、顧客へのアプローチを見なおすことが賢明です。
このように目指すべき目標と現状を比較することで「現状何が足りていないか」「どうすれば不足を補えるか」を明確にし、目標を達成するためのクリティカルなポイントを発見することが重要です。
ここでは、客観性の高いデータを用いて論理的に課題を導き出すことを意識しましょう。勘や経験など、主観的な考えに影響されるのは避けましょう。
顧客理解を深める
営業戦略の立案で重要となるのが、顧客理解を深めることです。特に顧客の課題やニーズに沿った商品・サービスをいかに提供するかを考えることが欠かせません。
顧客理解を進めるためには、ユーザー像を詳しく設定する「ペルソナ設計」と、顧客体験や自社との接点を可視化する「カスタマージャーニーマップの作成」が効果的です。顧客の特徴や行動、心理的な変化を理解し整理できれば、ニーズを満たす施策のヒントになります。
無料配布資料「ペルソナ設計入門ガイド」では、LeadGridチームが開催するペルソナ設計のワークショップ手法をまとめており、実践的な内容となっております。これからペルソナを深掘りする方はぜひ下記より無料でダウンロードしてご活用ください。
また下記記事ではカスタマージャーニーマップを作成する際の注意点や成功のコツをご紹介しているので、参考にしてください。
関連記事:BtoBカスタマージャーニーとは?メリットや作成方法を詳しく解説
また顧客理解を深める際は、自社顧客データを活用しながらターゲットの策定やスコアリング、行動分析を実施しましょう。すでに自社と契約している人・企業の情報を活用すれば、精度の高い顧客分析が可能となります。
自社と市場を分析する
自社と市場を分析することも、営業戦略の立案には欠かせません。ここで分析しておきたいのは、次の2つの要素です。
内部環境:活用できる自社のリソースや強み
外部環境:市場の状況や市場における自社の立ち位置
特に内部環境分析で自社の強みを活かした戦略が立てられるよう、コアコンピタンスについて理解しましょう。コアコンピタンスとは「他社には真似できない優位性」のことで、以下の5つの視点から分析できます。
- 模倣可能性(他社から模倣される可能性が低い)
- 移動可能性(多方面の分野に応用できる)
- 代替可能性(他社が真似できない技術がある)
- 希少性(希少価値がある)
- 耐久性(他社と比べて優位性がある)
コアコンピテンスを見極めるためには、後述するSWOT分析が有効です。
自社を取り巻く環境を把握できれば、その時々に応じた戦略を選定しやすくなります。外部環境は変化するため、現状をしっかりと把握して柔軟に対応することが大切です。
また外部環境分析においては、特にコロナ禍後の消費活動の変容も念頭に置くことが重要です。2023年に発表された「第12回 新型コロナによる暮らしの変化に関する調査」によれば、
- 約8割以上の消費者が物価上昇から生じる家計の影響を受けている
- ネットショッピングやキャッシュレス決済の増加は一定の定着が見えた一方で、デパートなどの店舗利用の再開へ動きは鈍い
- コロナ禍以降、フリマアプリの利用者が増え続けている
などの動きがあります。
営業戦略を立案する
ここまでの準備が終わったら、分析した顧客のニーズと自社、市場の状況をふまえて戦略を立てましょう。
営業戦略の立案では、「誰が・どのような手法で・誰に・何を・どうやって売るのか」を考えます。自社のリソースや技術面をふまえ、実際に実現可能な戦略を立てることが大切です。戦略によっては、外部の業者との連携が必要になることもあります。
KPIを設定する
KPI(Key Performance Indicator)とは、営業戦略の成功を評価する指標です。
具体的には
- 売上目標達成率
- 顧客満足度
- 新規アポイントメント獲得数
などが挙げられます。KPIを決める際は過度に厳しい数値を設定しないよう注意しましょう。あまりに高い数値目標では、チームのモチベーションは下がってしまいます。そこで、KPIは現実的に達成できる数値に設定しましょう。
またKPIを多く設定するのも避けましょう。KPIが多すぎるとプロセスも複雑になるため、営業戦略が機能不全に陥ります。1つの戦略につき1つのKPIを掲げて、確実に実績を積み上げることが重要です。
立案した戦略を実行・結果に応じて改善する
営業戦略を立てられたら、あとは施策を実行するのみです。
どれほど綿密に策定された戦略であっても、はじめから計画通りに進めることは困難です。計画の実行後は評価を行い、問題があれば改善を繰り返す「PDCAサイクル」の巡回を定期的に実施すること実施が重要です。
場合によっては、大きな方向転換や計画の中止が必要になることもあるでしょう。ビジネスで成果を出すには根気強い取り組みが欠かせませんが、ときには思い切った判断でリスクマネジメントをすることも大切です。
最初に立てた戦略にこだわり過ぎず、臨機応変な対応を心がけましょう。
営業戦略の立案に役立つフレームワーク
営業戦略を立案するときは、枠組みに沿って情報や思考を整理する「フレームワーク」の活用が効果的です。
精度の高い戦略を練るためにも、以下の8つのフレームワークを押さえておきましょう。
- 3C分析
- SWOT分析
- 4C分析
- 4P分析
- ファイブフォース分析
- ランチェスター戦略
- パレートの法則
- AIDMA(アイドマ)の法則
各フレームワークの詳細を説明します。
3C分析
3C分析は、自社を取り巻く市場の環境を整理するために有効なフレームワークです。競合や外部環境を分析することで、事業の成功要因(Key Success Factors)を導き出せます。
3C分析で分析する項目は、具体的に次の3つです。
Customer(顧客):顧客は誰なのか、ニーズは何なのか
Competitor(競合):競合他社の状況や評価、強みと弱み
Company(自社):自社が受けている評価、強みと弱み
そして各項目は、以下の図のような関係を築きます。
各要素の分析が完了したら、その内容を整理して事業の方針や施策案に反映させます。
なお、顧客や市場は常に移り変わっているため、3C分析は素早く行うことが大切です。分析に時間をかけすぎて時代遅れな戦略を立ててしまわないよう、十分に注意しましょう。
3C分析の活用事例:株式会社星野リゾート
宿泊業を展開する星野リゾートを3C分析で分析すると、以下になります。
要因 | 分析結果 |
Customer(顧客) |
|
Competitor(競合) |
|
Company(自社) |
|
星野リゾートの顧客は少数派であり、競合他社は宿泊業や観光業者です。そこで日頃宿泊客に接する現場社員に大きな権限を与えたことで顧客満足度は上がり、リピーターを増やすことに成功しました。
SWOT分析
SWOT分析は、自社の内部環境と外部環境を把握するためのフレームワークです。既存事業の強みや改善点、新規事業のチャンスや将来的なリスクを発見できるため、今後の営業戦略の指針を見つけられます。
SWOT分析で分析する項目は、次の4つです。
【外部環境】
Opportunity(機会):自社にとってチャンスとなる市場の変化や競合の動き
Threat(脅威):自社にとって脅威となる市場の変化や競合の動き
【内部環境】
Strength(強み):自社の強みや差別化ポイント
Weakness(弱み):自社の弱みや欠けているポイント
上記の4項目を分析できたら、それぞれの項目を掛け合わせた「クロスSWOT分析」を行います。
強み×機会:自社の強みを活かし、事業成長につなげる機会を考える
強み×脅威:自社の強みを活かし、脅威を回避する方法を考える
弱み×機会:自社の弱みを補い、チャンスにつなげる機会を考える
弱み×脅威:自社の弱みを理解し、それによる脅威を回避する方法を考える
クロスSWOT分析を分かりやすく図解すると、以下になります。
SWOT分析は、顧客視点で考えたり従業員に意見を聞いたりと、多角的な視点を取り入れて実施すると効果的です。第三者の意見も聞きながら、客観的に分析を行いましょう。
SWOT分析の活用事例:Apple Inc.
AppleをSWOT分析で分析すると、以下になります。
プラス要因 | マイナス要因 | |
内部環境 | Strength(強み)
| Weakness(弱み)
|
外部環境 | Opportunity(機会)
| Threat(脅威)
|
AppleをSWOT分析すると、MacbookやiPhoneなどで高いブランド力を築き上げてきたことが分かりました。一方で高額な製品価格やスマートフォン市場の飽和化というマイナス要因は無視できません。そこで今後はiPhoneだけでなく、他の事業にも注力すべきであることが分かります。
PEST分析
PEST分析とは以下の4つの視点から分析を行う手法です。
- Politics(政治)
- Economy(経済)
- Social(社会)
- Technology(技術)
PEST分析を行うことで、外部環境の変化に敏感になり将来のビジネス展望を予測できます。
PEST分析の活用事例:SaaS業界
SaaS業界をPEST分析を用いて見てみると、以下のことが分かります。
要因 | 概要 |
Politics(政治) |
|
Economy(経済) |
|
Social(社会) |
|
Technology(技術) |
|
上記から、クラウドサービスの市場拡大が経済領域に影響を及ぼしていることが分かります。さらに技術革新に伴い参入者も増加しています。しかし、世代間のリテラシー格差が課題にあるため、今後は中小企業の高齢の経営者をいかに取り組むかが焦点となるでしょう。
4C分析
4C分析は、顧客が商品を選択・購入するときに影響する4つの要素を整理するフレームワークです。
4C分析は、顧客の目線に立って情報を整理できる点が大きなメリットです。顧客ニーズに沿った商品・サービスの提供や、付加価値を高めて他社と差別化するための戦略立案に役立ちます。
4C分析で分析する項目は、次の4つです。
要因 | 概要 | BtoB企業の商品・サービスの実例 |
Customer Value(顧客価値) | 品質や機能、ブランド力など、顧客が感じる価値 |
|
Cost(コスト) | 商品の価格や購入にかかる時間・交通費 |
|
Convenience(利便性) | 商品の購入しやすさ |
|
Communication(コミュニケーション) | 顧客にとって最適なコミュニケーション手段・内容 |
|
戦略を考える時は、どうしても自社からの視点で物事を考えてしまいがちです。そこで顧客目線で情報を整理する4C分析が非常に役立ちます。また4C分析は、後述する4P分析と一緒に実施するとより高い成果を得られます。
後述する4P分析と一緒に実施するとより高い成果を得られます。
4P分析
4P分析は、企業目線でマーケティング施策を立案するためのフレームワークです。「マーケティングミックス」と呼ばれる場合もあります。
4P分析は状況を客観的に把握できるため、整合性の高い戦略の立案の手助けになります。また、マーケティングに必要な項目を網羅でき、情報や思考の整理がスムーズになる点も大きなメリットです。
4P分析で分析する項目は、次の4つです。
要因 | 概要 | BtoB企業の商品・サービスの実例 |
Product(製品) | 何を売るのか |
|
Price(価格) | いくらで売るのか |
|
Place(販売・流通方法) | どうやって売るのか |
|
Promotion(販促活動) | どうやってプロモーションするか |
|
なお、サービス業における営業戦略の立案には、4P分析に以下の3つのPを加えた7P分析も有効です。
People(人):スタッフと顧客はどう関わるのか
Process(業務販売プロセス):購入までのプロセスをどうするか
Physical(物的証拠、安心保証):どうやってサービス価値をアピールするのか
それぞれのPは密接に関わり合っているので、バランスを考えながら戦略に反映していく必要があります。分析後は、その結果に「矛盾がないか」「バランスがとれているか」を振り返っておきましょう。
ファイブフォース分析
ファイブフォースとは「5つの脅威」という意味です。自社や製品・サービスを取り巻く5つの外的脅威を洗い出し分析することで、自社の優位性を探り出す手法です。
5つの脅威とは以下の5つです。
- 業界内での競争
- 業界への新規参入者
- 代替品の存在
- 売り手(サプライヤー)の交渉力
- 買い手(顧客)の交渉力
これら5つの脅威は以下のように関連し合っています。
自社を取り巻く脅威を掘り下げ、どのように収益を確保できるかを分析できれば、成果に繋がる営業戦略が作成できます。
ランチェスター戦略
ランチェスター戦略とは、自社の強みを最大限に活かす戦略で、以下の4つに細分化できます。
戦略名 | 戦略内容 |
近接戦 |
|
一点集中戦 |
|
陽動戦 |
|
一騎討ち戦 |
|
ランチェスター戦略の活用事例:アパサービス株式会社
全国にアパホテルを展開するアパサービスは、ランチェスター戦略で成功を収めた企業の一つです。金沢の企業であるアパサービスは、最初に金沢の中心部ではなく、周囲3拠点からホテルを開業させました。そこでアパホテルという認知とブランドを得て、金沢に拠点を移し、全国にホテルを展開するまでに成長しました。
パレートの法則
パレートの法則は「80:20の法則」とも言われ「全体の数値の大部分は、一部の要素が生み出している」と考える思考法です。例えば
- 売り上げの8割は2割の顧客によって生み出されている
- 売り上げの8割を2割の従業員が生み出している
- 売り上げの8割は2割の商品によって成り立っている
この考えを応用すれば、
- 売り上げの8割が2割のリピーターによって生み出されている:その2割のリピーターを分析することでマーケティング効率を高められる
- 営業成績の8割は2割の営業担当者によってもたらされている:その2割の営業担当者のノウハウを分析し、全社に共有することで営業力を底上げできる
このように上位2割のターゲットを分析することで、様々な業務の効率化やパフォーマンスの向上を図れます。
しかしパレートの法則を適応させる際は、以下のポイントに注意しましょう。
- 分析対象に、この法則が成立しているかを確認する
- なぜ成立しているかを明確にする
AIDMA(アイドマ)の法則
AIDMA(アイドマ)の法則とは、見込み顧客が商品・サービスを認知してから購入するまでの行動を示したフレームワークです。
AIDMAの法則では、以下の順番で見込み顧客が行動すると定めています。
- Attention(認知):顧客が商品やサービスを認知する
- Interest(興味・関心):認知されたサービスや商品が自分ごと化される
- Desire(購買欲求):購入を検討するが、経済的な事情などですぐには購入に至らない
- Memory(記憶):購入に至らなかった商品について思い出す
- Action(購入・行動):最終的に購入に至る
しかしスマートフォンによる情報収集が一般化されて以降、新しい行動フレームワークも登場しています。
例えばAISAS(アイサス)の法則では、
- Attention(認知)
- Interest(興味・関心)
- Search(検索・情報収集)
- Action(購入・行動)
- Share(共有)
上記のようにインターネットでのSearch(検索・情報収集)を経てAction(購入)し、その後商品に関する口コミをSNSなどでShare(共有)が追加されています。
さらにAISCEAS(アイセアス)の法則では、AISAS(アイサス)の方式にさらに新しい要素が追加されています。
- Attention(認知)
- Interest(興味・関心)
- Search(検索・情報収集)
- Comparison(比較)
- Examination(検討)
- Action(購入・行動)
- Share(共有)
Comparison(比較)とExamination(検討)のフェーズが追加されていることから、消費者が積極的に広く情報収集を行い、納得した上でAction(購入)に至っているかが分かります。
策定した営業戦略はマーケティング部と連携するのがおすすめ
ここまで、営業戦略を策定する手順と参考になるフレームワークを紹介しました。営業部で策定した営業戦略は、社内のマーケティング部とも連携しましょう。なぜなら営業部は売り上げの向上のために商談・成約(クロージング)を担当しますが、その前段階である「確度の高い見込み顧客の認知拡大・集客・育成(リードナーチャリング)」は、マーケティング部が担当します。
このように営業部とマーケティング部と連携し、ターゲットとなる見込み顧客とどのように接点を生み出すか、さらにどのように成約させるかという流れを、部署横断で一貫してアプローチできるよう、社内で共通認識を持つようにしましょう。
営業戦略を成功させるには、Webサイトも重要
せっかく時間をかけて営業戦略を策定しても、見込み顧客との接点を生み出せなければ成果を発揮できません。そこで、接点の創出、集客、さらに育成の受け皿となるWebサイトが役立ちます。
LeadGridであれば、簡単に編集・更新できる「見たまま編集」機能が搭載されているため、専門知識がない社内担当者でも簡単にWebサイトの更新ができます。もちろん、営業戦略を最大化させるための情報更新も可能です。
シームレスな営業とマーケティングの連携で売り上げを向上させたい方は、ぜひLeadGridを主軸にしたマーケティング施策・インバウンド営業に注力しましょう。
さらにLeadGridなら見込み客の獲得をサポートする便利な機能を標準で実装しています。
ホワイトペーパーの登録機能
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フォームの作成・編集機能
顧客管理機能
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