ブランディングの戦略立案で必要な要素7選|失敗例についても|Webサイト制作・CMS開発|LeadGrid

ブランディングの戦略立案で必要な要素7選|失敗例についても

目次

ブランディングの戦略を考える上で「とりあえずフレームワークを使っておけばいいよ」というアドバイスを受けたり、情報を見たりしたことがある人も多いのではないでしょうか。しかしただ「フレームワークを使う」と言われても、そもそも何を考えるべきなのか、そしてどのようなシチュエーションでどのフレームワークを利用するべきかわかりませんよね。

この記事ではブランディングの戦略立案において重要な7つの要素を挙げた上で、それぞれの要素を考える上で有効なフレームワークについて解説します。失敗しやすい例についても紹介するので、ぜひ最後まで読んで戦略立案にお役立てください。

関連記事:ブランディングとは?構築手法や効果を高めるコツ、成功事例を解説

ブランディングの戦略立案での必要となる7つの要素

ブランディングでの戦略立案に必要となる要素は次の7つです。

  1. ターゲットユーザーの理解
  2. 市場と競合の認識
  3. ブランドのポジショニング
  4. ブランドのユニークさやストーリー
  5. タッチポイントの特定
  6. コミュニケーションの取り方
  7. フィードバックと評価

1. ペルソナ(ターゲットユーザー)の理解

ペルソナとは、あなたの商品やサービスを最も必要としている、もしくは購入してくれる可能性の高い人物のことを指します。例えば玩具を売る店であれば、ペルソナは子どもたちや親でしょう。ペルソナを理解することは、彼らが何を求めているのか、どのように感じているのかを知ることで、商品やサービスを正確に市場にマッチさせるため非常に重要です。

例えばティーンエイジャー向けのファッションブランドがあったとします。このブランドが好むスタイルや価格帯、販売する場所を決めるには、ティーンエイジャーの好みや流行、使えるお小遣いの平均などを理解する必要があります。注意すべきは、ペルソナが常に固定されているとは限らないこと。時代や文化、技術の変化によって、ペルソナの好みや行動も変化する可能性があります

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2. 市場と競合への理解

市場とは、あなたの商品やサービスが展開される「場所」や「範囲」のことを意味します。競合とは同じ市場で同じような商品やサービスを提供している他の企業やブランドのことを指します。例えばスマートフォンの市場において、AppleSamsungは大きな競合関係です。

この市場や競合を知ることで、どんな特徴や強みを持っているのか、どこで改善が必要なのかが明確になります。また競合が提供する商品やサービスの価格や機能、プロモーション活動などを知ることで、自社の戦略を見直すヒントを得ることができるのです。

具体例としては、もし新しいスマートフォンを市場に出す場合、既存の競合製品の価格や機能、デザインを分析して、自社の製品がどんな特徴を持っているのか、どこが他と異なるのかを明確にする必要があります。

注意事項としては、同じ種類のサービスでなくても競合にはなり得る点です。例えば「大人女性の夜の時間を優雅にする」観点から、ハーゲンダッツプレミアムモルツは競合関係にあると言えますし、携帯電話が流行った結果カラオケ店の売り上げた減った話もよく知られています。

3. ブランドのポジショニング

「ポジショニング」とは、市場内で自社のブランドや商品が占める位置や役割を指しますポジショニングは「価値提案」によって明確化されます。価値提案とは、自社の商品やサービスが持つ独特の価値や強みを、顧客に伝えるための主張やメッセージのことで、価値提案をしっかりと定義することで自社のブランドが他社のブランドと差別化され、消費者に対して自社の商品やサービスがなぜ選ばれるべきかの理由を明確に伝えることできるのです。

たとえばルイヴィトンは値下げを行いません。値下げをすると値下げ前の購入者を裏切ることになり、また商品の本当の価値もわかりづらくなるためです。ルイヴィトンは高品質な製品と有名人やスターを起用したイメージ戦略でブランドイメージを築き、徹底した価格管理で自社のポジショニングを守っているのです。

4. ブランドのユニークさやストーリー

ブランドのユニークさとは、そのブランドが持つ独自の性格や特徴のことを意味します。ブランドのストーリーとはブランドの背景や由来、ビジョンやミッションなど、ブランドが持つ物語のことを指します。これにより、消費者との深いつながりや共感の創出が可能です。

ユニークさとストーリーが合わさった時、人々に強くブランドイメージを印象付けることができるのです。

たとえばAppleは1984年に放映されたテレビCMとしては有名で、「それまでの(主にIBMの)中央集権的で権威主義的なコンピューターではない、独立性と自由に基づいたAppleのMacintosh」を小説「1984」をバックグラウンドにしてブランドのユニークさ、ストーリーを発信しています。

 

このようなメッセージは、Appleのブランド個性やストーリーを強化するものであり、多くの人々に愛される理由の一つです。(2020年、皮肉にもEpicはこのCMのパロディを作成し「Appleは中央集権的で権威主義的になってしまった」としていますが……。)

5. タッチポイントの特定

タッチポイントとは顧客とブランドや企業が接触する、すべての場面やポイントのことを意味します。この接点は宣伝広告や商品パッケージ、店舗のサービスなど、さまざまな場面で発生します。

これらの接点を明確にし、適切に管理することで、顧客の体験を向上させ、ブランドの認知度や好意度の向上が可能です。

例として「サードプレイス(自宅や職場に次ぐ、人々が集う場所)」としての価値をアピールするスターバックスの店舗ではコーヒーを提供するだけでなく、おしゃれで快適な空間や特徴的な容器、Wi-Fiの提供など、多くの顧客接点をもっています。これによりスターバックスはただのコーヒーショップ以上の存在となっているのです。

6. コミュニケーションの取り方

コミュニケーションとは、ブランドや企業が顧客や市場に対して行う情報の伝達やメッセージの送信のことを指します。このコミュニケーションが一貫していると、顧客の信頼やブランドの認知度を向上させることができます

例えばミネラルウォーターのブランドである「いろはす」は、ミネラルウォーターブランドとしては後発ながら「エコ」を全面的に打ち出し、青色が一般的であったペットボトルのキャップの色を緑にし、ボトルは潰しやすい厚みや形状にするなど、エコに対する姿勢を常に一貫して伝え、今日の消費者へのブランドイメージの認識に繋がっているのです。

7. フィードバックと評価

フィードバックとは顧客や市場から得られる反応や意見のことを指します。このフィードバックをもとに、ブランドの戦略や商品の改善などの方向性の考案が可能です。

具体的には、新しい商品を発売した後に、顧客からの評価や反響を収集し、次回の商品開発やブランド戦略の見直しに活用することが考えられます。

ブランディングの戦略立案で利用可能なフレームワーク

それではここからは上記紹介した7つの要素それぞれで利用可能なフレームワークについて、一覧表で紹介します。

要素利用フレームワーク概要
ペルソナの理解
ジョブ・トゥ・ビー・ダン(JTBD)理論ユーザーが製品を利用する目的を明確にし、その目的を達成するために製品を改善する手法
価値命題キャンバス顧客が求める価値を明確にし、それに基づいてビジネスモデルを構築するためのフレームワーク
カスタマージャーニーマップ顧客が商品やサービスを利用する過程を可視化し、顧客のニーズを把握するためのフレームワーク
市場と競合への理解SWOT分析自社の強み・弱み、市場の機会・脅威を分析し、戦略を策定するためのフレームワーク
PESTEL分析政治、経済、社会、技術、環境、法律の6つの要因を分析し、ビジネスに影響を与える要因を把握するためのフレームワーク
BCGマトリクス製品や事業の成長率と市場シェアを分析し、ポートフォリオ戦略を策定するためのフレームワーク
ゲーム理論競争関係にある複数のプレイヤーが、自分たちの利益を最大化するための戦略を考える理論
SCQ会社の置かれている状況(Situation)、会社を困らせているもの(Complication)、答えるべき問い(Question)を整理するフレームワーク
ブランドのポジショニングブランドポジショニングステートメントブランドの独自性や魅力を明確にし、消費者に訴求するための文言(考える過程が大事)
ブランドピラミッドブランドの構成要素をピラミッド状に表現し、ブランドの構築を促進するためのフレームワーク
4Pと4C商品やサービスのマーケティングにおいて、商品、価格、販売促進、流通の4つの要素を4C(顧客、コスト、コミュニケーション、利便性)に置き換えたマーケティングミックス
ブルーオーシャン戦略競合の激しい既存市場ではなく、新しい市場を開拓することで競争を回避し、市場を創造する戦略
ブランドのユニークさやストーリーブランドアーキタイプブランドのイメージを象徴する12のアーキタイプを定義し、ブランドの構築を促進するためのフレームワーク
ストーリーテリング物語を通じて、商品やサービスの魅力を伝えるマーケティング手法
ブランドパーソナリティブランドに人格を与え、消費者との共感を促進する手法。ブランドの人柄とも言える
タッチポイントの特定
カスタマージャーニーマップ顧客が商品やサービスを利用する過程を可視化し、顧客のニーズを把握するためのフレームワーク
ブランドエクスペリエンスマップブランドの接点を可視化し、消費者が商品やサービスを利用する過程での体験を改善するためのフレームワーク
コミュニケーションの取り方
4Pと4C商品やサービスのマーケティングにおいて、商品、価格、販売促進、流通の4つの要素を4C(顧客、コスト、コミュニケーション、利便性)に置き換えたマーケティングミックス(特に「プロモーション」および「コミュニケーション」部分)
ブランドエクイティモデルブランドの価値を測定するためのモデル。ブランド知名度、ブランドイメージ、ブランドロイヤルティなどの要素を分析する
フィードバックと評価SWOT分析自社の強み・弱み、市場の機会・脅威を分析し、戦略を策定するためのフレームワーク(「Opportunities」「Threats」評価部分)
BCGマトリクス製品や事業の成長率と市場シェアを分析し、ポートフォリオ戦略を策定するためのフレームワーク(投資と収益のバランス評価)

フレームワークについては、下記の記事でも解説しています。興味のある方はぜひご覧ください。

関連記事:Webマーケティングの戦略立案に役立つ9のフレームワークと考え方

ブランド戦略の失敗例5つ

ブランドは構築するのは大変ですが、壊れてしまう時は一瞬です。

ブランド戦略が失敗する時、多くのケースで次の5つが当てはまります。ブランド構築の際にも気をつけることばかりなので、ここで確認しておきましょう。

  1. ペルソナの誤認識
  2. 一貫性のないメッセージ
  3. 行き過ぎたブランド拡張
  4. 不適切なマーケティング活動
  5. 変化に対する適応不足

ペルソナの誤認識

ブランド戦略を立てる際に最も重要なのは、ペルソナの正確な理解です。もしペルソナのニーズや期待を正しく把握できていなければ、戦略自体がそのオーディエンスに合致しない可能性が高くなります。例えば若者向けと思って作った広告が実際には若者には響かず、逆に年配者に人気だったというケースが考えられます。

ただ年配者に広告が受けても、その後のサービス設計が若者向けとなっているので、思ったパフォーマンスは発揮されません。ペルソナは社内の都合の良い人物像を描くのではなく、実際のユーザーや市場へのヒアリングを通じて、具体的に設計するようにしましょう。

一貫性のないメッセージ

ブランドの価値提案や個性を伝えるメッセージが、実際の商品やサービスと一致していないと、消費者の信頼を失う原因となります。また他社で成功しているブランディングをいたずらにを追いかけてはなりません。元々のブランディングに一貫性が失われ、顧客が離れる原因となります。

例えば大塚家具はかつて高級家具市場で急成長を遂げる一方、経営者間の対立や後継者問題、そしてビジネスモデルの変更による難局に直面しました。特にオリジナルの高級家具に特化したビジネスモデルからIKEAのようなカジュアル路線へのシフトは、多くの従来までの顧客の信頼を失う結果となりました。結局IKEAのユーザーも取り込めず、リブランドに失敗しています。さらにブランドのイメージを損なう広告戦略も、その衰退を加速させる要因となったのです。

2019年、大塚家具はヤマダホールディングスのヤマダデンキと資本業務提携を行う形となり、2021年には上場廃止しヤマダデンキとの吸収合併により、その名を市場から失うこととなりました。

行き過ぎたブランド拡張

ブランドの強みやイメージに合わない商品やサービスの展開は、ブランドの価値を薄める可能性があります。例えば、高級ブランドが安価な製品を多数投入すると、そのブランドのプレミアムなイメージが損なわれることが考えられます。

また社内のリソースが分散する点にも注意しましょう。元のカテゴリでの競争力が低下するリスクが生じることも。別ブランドとして打ち出す、別の会社にするなどの方法もありますが、ブランドの拡張は慎重に行いましょう。

不適切なマーケティング活動

ブランドイメージを築く活動が、社会的に不適切であると感じられた場合、ブランドの評価が急落することがあります。例えば、文化的感受性に欠けた広告やプロモーションは批判を浴びる可能性が高まります。

実際2018年11月、ドルチェ&ガッバーナ(D&G)は、中国市場でブランディングの危機に陥りました。上海での大規模なファッション・ショーを予定していたが、公開された広告キャンペーンのビデオが人種差別的との批判を受け、いくつかの中国の主要なオンラインショッピングプラットフォームがD&Gの商品の販売を中止する事態となったのです。D&G側は、ハッキングされたと主張しましたが、中国人を侮辱するやりとりが含まれるとされるスクリーンショットが広がり、ショーに参加予定だったモデルたちのキャンセルが相次ぎました。

D&Gは公式のSNSでの謝罪を行い、予定していたショーのキャンセルを発表しました。このように、ブランディングは不適切なマーケティング活動により簡単に崩れてしまうのです。

変化に対する適応不足

市場環境や消費者のニーズは常に変わっているため、過去の成功体験に固執しすぎて新しい変化に対応できない場合、ブランドの価値は低下します。技術革新が進む産業などでこのようなリスクが高いでしょう。

また市場の中に上手なブランディングが出現すると、競合する他社もレイヤーの差はあれど方向性を真似することが多くあります。そのため、はじめはうまく他社と差別化できていたブランド戦略も定期的に見直す必要があるのです。

競合で似たような施策が増えてきている時は、新たな差別化できるポイントを探してリブランディングを行いましょう。

関連記事:リブランディングとは?目的や実施タイミング、進め方やポイントを解説

ブランディングは長期目線で取り組もう

この記事ではブランディングの戦略立案での必要な要素と、それぞれの要素での有効なフレームワークについて解説しました。この記事を参考に、必要なタイミングで有効なフレームワークを利用するための参考にしましょう。

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