ブランディングとは?構築手法や効果を高めるコツ、成功事例を解説
ブランディングとは?構築手法や効果を高めるコツ、成功事例を解説
近年ビジネスにおいて注目を集めているブランディング。
しかし「ブランディングを始めたいけれど、具体的に何をすべきかわからない」とお悩みの方は多いのではないでしょうか。
ブランディングはブランドの認知度向上や、ファンの増加につながる活動です。ただし意味や目的を理解したうえで戦略を立てなければ、十分な効果が得られない可能性があります。
本記事ではブランディングの意味や目的、ブランド構築手法を解説。成功事例や効果を高めるコツも紹介しますので、これからブランディングに取り組む方はぜひ最後までご覧ください。
ブランディングとは
ビジネスにおいて目にする機会が増えているブランディング。近年はWebサイトやSNSなどで簡単に情報を受発信できるようになったため、とくに注目を集めています。
「ブランディングは大企業が行うもの」というイメージのある方もいらっしゃるかもしれません。しかしブランディングは競合他社との差別化やファンの獲得にかかわるため、企業の規模を問わず有効な戦略です。むしろ中小企業ほど重要だという意見もあるくらいです。
ここではブランディングに初めて取り組む方に向けて次の3つを解説します。
- ブランディングの意味
- ブランディングの目的
- マーケティングとの違い
ブランディングの意味
ブランディングとは「ブランド」を形成したり、その価値を高めたりする活動を意味します。ブランドとはその企業自体や商品、サービスに対する消費者からのイメージのことです。ブランド名やロゴ、メッセージ、キャラクターなどが、ブランドを形成する要素にあたります。
たとえば「このリンゴのロゴはアップル社の製品だ」というように、ロゴを見ただけで会社名が連想できるのはブランディングの結果です。あるブランド名を見た時に「安いけれど高品質」などのイメージがわくのも同様です。
関連記事:オウンドメディアでブランディングは可能?メリットを徹底解説
ブランディングの目的
ブランディングの目的は次の2つです。
- 消費者にブランドの価値を認知してもらい、 ファンを増やすこと
- 社内にブランドの価値を示し、従業員エンゲージメント(自社に愛着や信頼を持ち、主体的に貢献したいと考える意欲)を高めること
ブランディングは消費者に対してだけでなく、社内に対しても有効です。ブランドが持つ理念や価値観、ビジョンなどが社内に浸透すれば、従業員もそのブランドに魅力を感じるようになるためです。その結果エンゲージメントが高まり、業務の効率化や退職者の減少などにつながります。
マーケティングとの違い
ブランディングとマーケティングは混同されやすい言葉のため、ここで違いを理解しておきましょう。
マーケティングとは、商品やサービスを効果的に売るための活動全般を指します。対してブランディングとは、消費者にブランドのイメージを持ってもらうための活動です。
少し視点を変えるとマーケティングは、企業が消費者に対してブランドの価値をアピールする活動です。一方でブランディングは、消費者が自発的にブランドの価値をイメージできるようにする活動ともいえます。
関連記事:Webサイト制作を軸にはじめるマーケティング手法について|よくある課題やポイントについても
ブランディングの4つのメリット
ブランディングのメリットは次の4つです。
- 価格競争からの脱却
- 仕入れ・広告宣伝コストを削減
- ビジネス機会の拡大
- 人材採用力の向上
価格競争からの脱却
他社との価格競争に悩む企業は少なくないはず。値下げは利益の減少につながるだけでなく、リピーター獲得も見込みにくいためデメリットが目立ちます。体力のある大企業でない限り、価格競争に巻き込まれないに越したことはありません。
そこで 価格競争から脱却するための有効な手段の一つがブランディングです。ブランディングの取り組みが上手くいけば、価格ではなく企業独自のブランド力で戦えるようになります。ブランド力があれば価格に関係なく、「そのブランドだから」という理由で購入してくれる顧客を獲得できるためです。
このように他社商品と比較されなくなることで、値下げをしなくても商品やサービスが売れるようになるのがブランディングのメリットです。
仕入れ・広告宣伝コストの削減
ブランディングにより商品の販売数が上がれば、原材料の仕入れ量も増加します。その結果価格交渉がしやすくなるため、 仕入れコストの削減につながるというメリットがあります。
またブランドの知名度が上がりファンが増えれば、広告宣伝しなくても購入してもらえる状態に。紹介や口コミなどで、自主的にブランドを広めてくれる人も増えるでしょう。そのためブランディングに取り組むことで、 広告宣伝費を最小限に抑えることが可能になります。
ビジネス機会の拡大
ブランディングによって企業の価値が浸透すれば、 ビジネス機会を拡大しやすくなります。なぜならブランドイメージを確立している企業ならば、新規市場への参入時にも同様のイメージを持ってもらいやすいためです。
また消費者だけでなく他社からも魅力を感じてもらえれば、協業の機会が増える可能性も高くなります。
人材採用力の向上
ブランディングにより企業理念や価値観をアピールできれば、それらに共感し好印象を持つ人が増加。それにともない就職や転職の候補に選ばれる機会も増えるため、 求める人材を確保できる 可能性が高くなります。また自社のWebサイトからの応募者も増えるため、複数の求人メディアへの掲載などに高いコストをかけずに済むというメリットも。
なお採用サイトの制作を予定している方には、無料配布資料「採用サイトのつくりかた」が参考になります。採用サイトとは、求職者に向けて会社の特徴や求人情報などを発信するWebサイトです。下記資料では採用サイトの制作フローやポイント、成功事例が紹介されています。ブランディングで採用力の強化を狙う方や、すでに採用サイトを運用しているものの応募者が増えず悩んでいる方にとっても有益な情報です。興味のある方はぜひ下記より無料でダウンロードして参考にしてみてください。
ブランド構築手法を5ステップで解説
ブランド構築手法を次の5ステップで解説します。
- ステップ1. フレームワークを使った環境分析
- ステップ2. ブランドの方向性を決定
- ステップ3. ブランドアイデンティティを設定
- ステップ4. ブランドデザインやコピーを作成
- ステップ5. ブランドの発信方法を選定
ステップ1. フレームワークを使った環境分析
ブランド構築には、はじめに環境分析にて現状を把握することが必要です。まずステップ1では、フレームワークを使った環境分析を行います。使用するフレームワークは主に次の4つです。
PEST分析 | 世の中の流れを把握するために使用 |
ファイブフォース分析 | 業界の構造を把握するために使用 |
3C分析 | 市場環境を把握するために使用 |
SWOT分析 | 自社の状況を把握するために使用 |
上記フレームワークを参考に自社のポジショニングや強み、顧客のニーズなどを明確化させておきましょう。
関連記事:ブランディングの戦略立案で必要な要素7選|失敗例についても
ステップ2. ブランドの方向性を決定
ステップ2では、ブランドの方向性を決定します。
まずは環境分析結果をもとに、参入する市場と目指す理想像を決定しましょう。そしてブランドが提供したい価値や強みを明確化します。ブランドの提供価値は大きく分けると次の4つです。
機能的価値 | 商品やサービスから得られる機能の価値 |
情緒的価値 | ブランドや商品・サービスに感じる心理的な価値 |
自己表現価値 | ブランドを利用することで自分らしさを表現できる価値 |
社会的価値 | ブランドを利用することで社会的集団に所属できる価値 |
上記4つのカテゴリを参考に、提供価値を明確化していきましょう。
ステップ3. ブランドアイデンティティを設定
ステップ3では、ブランドアイデンティティを設定します。
ブランドアイデンティティは「ブランドらしさ」の定義です。ブランドアイデンティティの設定には「ブランド・アイデンティティ・プリズム」というフレームワークを活用できます。このフレームワークは以下の6つの要素で構成されています。
- ブランドの特徴
- ブランドの個性
- ブランドと顧客の関係性
- ブランドの文化
- ブランドのターゲット
- ブランドのイメージ
ブランドを上記6つの観点で整理することで、ブランドアイデンティティを設定しましょう。
関連記事:Web制作でのペルソナ設計とは?ペルソナの作り方やコツを解説
ステップ4. ブランドデザインやコピーを作成
ステップ4では、ブランドデザインやコピーを作成します。
ブランドアイデンティティを消費者に伝えやすくするために、ブランド名やロゴ、キャッチコピーなどの視覚で認識できる要素に落とし込んでいきましょう。他社と識別可能かどうか、ブランドに込められた想いがイメージしやすいかどうかが確認ポイントとなります。
関連記事:売れるWebサイトに必要な要素3つ|運用施策やWebデザインのコツも
ステップ5. ブランドの発信方法を選定
ステップ5では、ブランドの発信方法を選定します。
ブランドの発信方法はタッチポイントとも言い換えられます。タッチポイントとは顧客接点のことです。ブランドのタッチポイントとしては店頭に並んでいる商品パッケージやチラシ、Web広告、SNSの写真、動画サイトなどさまざまな要素が考えられます。
タッチポイントを増やせばブランドイメージを発信する機会も増えるため、ブランドの認知度も向上しやすくなります。一方でコストの増加や管理が複雑になるというデメリットも。そのため自社に合った方法を取捨選択することが重要となります。
なおブランディングのためにWebサイト制作する方には、直感的な操作と高いデザイン性が特徴なCMS「LeadGrid」がおすすめです。LeadGridは各ブランドのメッセージを丁寧にヒアリングしたうえでデザインに落とし込むため、ブランディングの取り組みに活用しやすいサービスです。下記資料にてサービスの詳細が確認できるのでぜひご覧ください。
ブランディング成功事例3選
ブランディング成功事例として次の3つを紹介します。
- 「AJINOMOTO」味の素グループ
- 「LIFULL」株式会社LIFULL
- 「BALMUDA」バルミューダ株式会社
「AJINOMOTO」味の素グループ
味の素グループは、主に食品事業やアミノ酸事業を行うメーカーです。
具体的な取り組みとしては、世界各国で事業を行うグループ全体の方向性を統一するために、グローバルブランドロゴを2017年に導入。コーポレートメッセージとともに浸透させ、ブランディングの仕組みを整備しました。
その結果2022年2月時点のブランド価値が、2016年2月と比べて86%増加。また重要員のエンゲージメントスコアでも高い数値を記録しています。
「LIFULL」株式会社LIFULL
不動産・住宅情報サイト「LIFULL HOME’S」を運営する、株式会社LIFULLのマスターブランド「LIFULL」。2017年の社名変更と同時にリブランディング戦略を開始し、数々の成果を出しています。
具体的には社内イベントや動画の作成など、社員にブランディングの意識が浸透する取り組みを実施。生活者に向けては、オウンドメディア、SNS、イベントなどを通してブランドメッセージを発信しています。
これらの取り組みにより企業認知度が、2018年の約20%から2021年には40%を超える割合まで上昇。社員のエンゲージメントも向上し、「ベストモチベーションカンパニーアワード2022」では中堅・成長ベンチャー企業部門において第5位を獲得しています。
「BALMUDA」バルミューダ株式会社
バルミューダ株式会社のブランド「BALMUDA」は、2003年に設立された新興の家電メーカーです。
バルミューダはモノ自体ではなく、製品を使用することで得られる「感動体験」を重視することで競合他社と差別化に成功しました。あえてマーケティングをしない方針により、他社では真似できない斬新な製品を開発。ホームページには各製品の開発ストーリーが丁寧に掲載されており、消費者の共感を生んでいます。
その結果一般的な家電と比較して高価格帯であるにもかかわらず、数々のヒットを記録しました。
ブランディング効果を高める2つのコツ
ブランディング効果を高めるコツとして次の2つを紹介します。
- 社内へのブランディング教育
- 定期的な効果測定
社内へのブランディング教育
ブランディング効果を高めるためには、取り組みの前に社内への教育を行うのがコツです。ブランディング教育では「ブランディングとは何か」という基礎知識だけでなく、取り組みの背景やブランドのメッセージを伝えます。これにより社内でのブランディングの定義を統一し、メッセージを理解したうえで戦略を実行可能になります。
ブランディングには社内の協力が不可欠なため、まずは社内にブランドメッセージを浸透させることが重要です。組織が一丸となって取り組むことで、ブランディングを加速させる効果もあります。
定期的な効果測定
ブランディングの取り組みは、定期的に効果測定しましょう。そのためには何を効果とするかを決定し、数値化できる指標に落とし込むことが必要です。
数値を定期的に計測することで、ブランディングの進捗を可視化できます。効果の出ない施策は必要に応じて改善することで、ブランディング効果を高めていきましょう。
関連記事:WebマーケティングのKPIとは?考え方や施策別のKPI例を解説
ブランドをWebサイトで発信するならLeadGridへ
ブランドのイメージを浸透させることで、ファンの獲得や従業員エンゲージメント向上を目指すブランディング。他にもさまざまなメリットがあるため、企業にとって重要な戦略の一つとなっています。
ブランディングには環境分析や方向性の決定、ブランドアイデンティティの設定が必要です。そして設定した情報をブランド名やロゴなどの視覚情報に落とし込んで、各媒体を通して発信します。
ブランドを発信するうえでWebサイトを利用するのは有効な手段です。 Webサイト制作を検討されている方には、デザインに強いLeadGridがおすすめです。
LeadGridではデザインに精通したスタッフが、ブランドの理念やビジョンをリアリングしたうえでデザインに落とし込みます。リード獲得にも強いのが特徴で、必要な機能がそろっているのも魅力の一つです。また操作性が高いため、プログラミングなどの専門知識がなくても直感的に使えます。
下記資料ではLeadGridの制作事例を確認できるため、興味のある方はぜひご覧ください。
LeadGrid BLOG編集部は、Web制作とデジタルマーケティングの最前線で活躍するプロフェッショナル集団です。Webの専門知識がない企業の担当者にも分かりやすく、実践的な情報を発信いたします。
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