商談化率の平均は?計算式や見直すべき課題点、改善策まで紹介
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営業活動を効率的に進めて多くの顧客を獲得するためには、「商談化率」を意識することが重要です。
商談化率が低い場合は営業活動がうまくいっていない可能性が高いため、課題や改善点を探っていく必要があります。
本記事では、商談化率の平均やよくある課題、改善策について解説します。あわせて商談を受注につなげるためのポイントも説明するので、ぜひ精度の高い営業活動の実現にお役立てください。
商談化率とは
商談化率とは、営業先への訪問やテレアポなどといったアプローチのうち、実際に商談につながった件数の割合を示す指標です。わかりやすく言い換えると、商談を持ちかけた顧客のうち、どれくらいしっかりと話を聞いてもらえたのかを表しています。
商談化率は、営業活動の効果測定や効率化を目指すときに重要となります。まずは、商談化率の計算方法や平均値についてみていきましょう。
商談化率の計算式
商談化率を計算する方法は、次のとおりです。
商談化率(%)=商談数÷アプローチ数×100
例えば、月に1,000人のリードにテレアポを行って実際に商談につながった件数が20件だったとします。この場合、「商談化率=20件÷1000人×100=2%」ということになります。
いかに多くの商談を獲得できていても、そのために多くのリソースを割いていては効率的な営業活動とはいえません。
商談化率は営業活動の効率を示す指標であり、数値が高いほど少ないリソースで効果的なアプローチが行えていると判断できます。
商談化率の平均
商談化率は業界や商材、単価によって異なります。また、リード獲得経路によっても商談化率は変わってくるため、明確な平均値は出ていません。
例えば、インバウンド型の営業で獲得したリードは、アウトバウンド型の営業で獲得したリードよりも商談化率が高くなる傾向にあります。なぜなら、インバウンド型の営業では「自社に興味を抱いている見込み顧客」に絞ってアプローチできるためです。
一般的に商談化率の目安は30%といわれていますが、商材によってはさらに低くなることもあります。平均値と比べるよりも、自社の商談化率の推移を把握し、よりよい数値へ改善していくことが大切です。
商談化率と案件化率の違い
商談化率と似た指標として「案件化率」が挙げられます。
案件化率とは、商談が進行し、クロージングのためにフィールドセールスへ引き渡せる段階に至った案件の割合です。実際に商談を重ね、契約するための具体的なアクションを起こそうとしている段階なので、こちらのほうが受注確度は高いといえます。
商談を獲得できても、案件化できなければ受注につながりません。商談の対応品質を見直す指標として、案件化率もしっかりと活用しましょう。
案件化率が低いときの課題・原因
案件化率が低いときは、営業活動に何らかの課題・原因が隠れている可能性があります。
よくある課題として、以下の3つが挙げられます。
適切なリードにアプローチできていない
顧客のニーズに沿った提案ができていない
商談化を目的にしてしまっている
どのようなことなのか、各項目を詳しく解説します。
適切なリードにアプローチできていない
多くのリードにアプローチしているのに案件化率が低い場合、対象とするリードが適切でないことが原因となっているかもしれません。
自社商材やセールストークがどれほど魅力的なものでも、相手が商品にまったく興味を抱かない・必要性を感じていない場合は商談につながりません。営業効率を向上させるには、自社製品と関連性が深く確度の高いリードに絞り込んでアプローチすることが不可欠です。
リードの確度を把握する際は、リードの「BANT情報」や「新BANT」の確認が有効です。
【BANT情報】
Budget(予算)
Authority(決定権)
Needs(必要性)
Timeframe(導入時期)
【新BANT】
背景(Background)
現状(As-is)
必要性(Needs)
理想(To-be)
アプローチの過程で上記の情報を聞き出して、確度の高いリードかどうかをスコアリングしておきましょう。
顧客のニーズに沿った提案ができていない
顧客のニーズに沿った提案ができていないことも、商談化率が低い原因として考えられます。
例えば「経理業務を効率化したい」というニーズを抱えるリードに対し、経理ソフトのセキュリティ面やコスト面を訴求しても、十分に魅力は伝わらないかもしれません。この場合は、「何時間の業務削減が可能か」「どのような業務を効率化できるのか」を重点的に説明したほうが興味を抱いてもらえるでしょう。
商談を獲得するためには、相手のニーズを理解したうえで解決できる問題や提供できるベネフィットを提示し、顧客目線の提案をする必要があります。
ニーズにフィットした提案は、営業活動の効率化やコスト削減にも高い効果を発揮してくれるでしょう。
商談化を目的にしてしまっている
商談の獲得だけを目標にしてしまっていないかどうかも、あらためて確認してみましょう。
「ノルマを達成するためにとにかく商談をたくさん獲得しよう」と目先の数字だけを追い求めると、商談の先の案件化に発展させることが難しくなります。強引なアポイントは顧客に不快感を与え、企業やブランドのイメージ低下につながるリスクも高めるでしょう。
営業活動の目的は「リードを育成して商材への興味関心を高め、受注を決意してもらうこと」であり、商談の獲得はその手段でしかありません。目的と手段を混同しないように注意しましょう。
商談化率を改善するための対策
商談化率を改善する際は、以下の4つの対策が有効です。
顧客理解を促進する
リードナーチャリングでリストの精度を上げる
インサイドセールスの品質を強化する
営業・マーケティング支援ツールを活用する
それぞれの詳細を詳しくみていきましょう。
顧客理解を促進する
商談化率を高めるためには、まず顧客理解を促進する必要があります。
顧客理解が浅い営業活動は「一方的な売り込み」になってしまい、どれほどアプローチしても商談につなげることは難しいものです。リードひとり一人・一社一社が抱える課題やニーズは異なるため、顧客理解を深めてそれぞれにマッチした提案を行うことが重要です。
顧客理解の促進には、「ペルソナ設計」や「カスタマージャーニーマップ」などのフレームワークが活用できます。顧客ニーズや商談に至るまでのプロセスを可視化して、リードが求めている情報を提供できるように準備しておきましょう。
無料配布している「ペルソナ設計入門ガイド」では、具体的なペルソナの設定方法について解説しています。ぜひ顧客理解の促進にお役立てください。
リードナーチャリングでリストの精度を上げる
営業リストの精度が低いと、営業効率が悪くなって商談化率が下がります。
対策としては、確度の高い「ホットリード」に絞ってアプローチすることが有効です。しかし、ホットリードだけに絞ったアプローチには限界があるため、同時にリードナーチャリングでホットリードの分母を増やすことも大切です。
リードナーチャリングの手法としては、次のようなものが挙げられます。
メルマガやステップメールの送信
SNSやオウンドメディアからの情報発信
セミナーの開催
電話やチャットによるコミュニケーション など
営業をかけてすぐに商談化するケースはごく稀です。リードナーチャリングで少しずつ関係性を構築し、ホットリードに育ったタイミングで商談につなげると成功率を高められます。
関連記事:ホットリードとは?言葉の意味や獲得するメリット、方法まで解説
インサイドセールスの品質を高める
インサイドセールスの品質を高めることも、商談化率の改善に効果的です。
インサイドセールスとは、オフィス内で行う営業活動です。メールや電話を使った提案やヒアリング、Web会議システムを使ったコミュニケーションなどが該当します。
インサイドセールスは、前項で説明したリードナーチャリングに効果を発揮する施策です。また、営業の効率化・コスト削減など多くのメリットがあります。
次のような取り組みでインサイドセールスの品質を高められれば、おのずとホットリードの獲得や商談化率の向上につながります。
インサイドセールス部門のスタッフ教育
魅力的なコンテンツの作成
訴求メッセージの再確認
各部門との連携強化 など
営業品質を均一化し、担当者によって提案品質に差が生まれないようにすることも意識しましょう。トレーニングやマニュアル化を積極的に行い、インサイドセールスのノウハウを蓄積していけば、長期的に活用できる資産となってくれます。
関連記事:インサイドセールスにおけるリードナーチャリングの重要性と運用ポイントを徹底解説
営業・マーケティング支援ツールを活用する
リソースを抑えつつ商談化率を向上させるためには、営業やマーケティングを支援するツールを活用することが不可欠です。
商談化率を高めるには、より多くのホットリードを育成する必要があります。ホットリードを育成するためには、リード情報の管理や分析、ニーズに適した内容・手法でのアプローチ、スコアリングなど多くのプロセスが必要です。
これらの業務をマンパワーだけで行うことは難しいため、効率化・自動化できる支援ツールの活用が欠かせないのです。
商談化率の向上に役立つ営業・マーケティング支援ツールとしては、次のようなものが挙げられます。
ツールの種類 | 役割 | 代表的な機能 |
MAツール | リードの獲得や管理、育成を効率化・自動化する。 |
|
CRM | 顧客情報を一元管理し、顧客満足度向上や戦略立案をサポートする。 |
|
SFA | 営業活動に関する情報や進捗を管理・分析する。 |
|
CMS | Webサイトのテキストや画像を一元管理し、自動的にページを生成する。 |
|
企業が抱えている課題や効率化したい業務によって、導入すべきツールは異なります。まずは自社の課題を洗い出し、必要なツールを見極めましょう。
関連記事:【比較表付き】目的別おすすめMAツール9選(BtoB向け)ツールの選び方も解説
関連記事:【無料から】顧客管理ツールおすすめ12選|種類・目的別に比較
関連記事:導入事例・実績の豊富なCMS10選|CMS比較のポイントと実績ページの見方も
商談化率の向上で押さえておきたいKPI
商談化率の向上を目指す際は、以下の指標をKPIとして設定しておくと、効果測定や改善点の把握がスムーズになります。
フォローアップ数
有効会話数
ターゲット接続数・接続率
ここでは、各指標の詳細を説明します。
フォローアップ数
フォローアップ数は、電話やメールなどを通してリードに接触した回数を示す指標です。
適切なタイミングや回数でフォローアップできれば、信頼関係を構築しやすくなります。リードナーチャリングの進捗把握やリードの興味持続のためにも、KPIに盛り込んでおきましょう。
フォローアップ数の目安は、リード1人(社)に対して3~5回です。商材によってはさらに多くのフォローが必要になることもあるため、自社商材に適した回数を見極めましょう。
有効会話数
有効会話数は、営業担当者がリードと意味のあるコミュニケーションを行った回数を示す指標です。
ただ接触するだけではなく、課題のヒアリングや情報の提供ができた状態を指します。そのため、「今外出中なので、今度にしてください」などといわれた場合はカウントしません。
有効会話数は架電のタイミングに大きく左右されるため、この指標だけを厳しく追う必要はありません。しかし、うまく活用できればコミュニケーションスキルや顧客理解を測るひとつの判断材料となってくれるでしょう。
ターゲット接続数・接続率
ターゲット接続数(接続率)は、ターゲットとするリードと連絡が取れた回数を示す指標です。着電数やメールの返信数などが含まれます。
ターゲット接続数は、時間帯やターゲットの立場などによって変わってきます。あまりにも数値が低い場合は、アプローチする時間や手法を見直してみてください。
商談を受注につなげるためのポイント
獲得した商談を受注につなげるためには、以下の4つのポイントを意識することが大切です。
見込み度合いによって優先順位をつける
複数の選択肢を用意する
回答期限を設ける
決裁者との商談を獲得する
各ポイントの詳細をみていきましょう。
見込み度合いによって優先順位をつける
見込み度合いが低いリードに多くの時間やリソースを割く営業活動は、非効率的です。受注につながる商談を効率的に獲得するには、リードに優先順位をつけることが欠かせません。
リードに優先順位をつけながら行う営業活動としておすすめなのが、分業型セールスモデルです。
分業型セールスモデルでは、マーケティング部門がリードを獲得し、インサイドセールス部門が顧客を育成し、営業部門が商談や契約を担当します。営業部門は、見込み度合いが高いリードの商談獲得を優先し、その間に他の部門がリードの獲得や育成を実施するのです。
各部門で優先するリードを特定して分業しながらアプローチすると、業務を大幅に効率化できます。
複数の選択肢を用意する
商談における受注率向上には、「選択肢の提示」が有効です。商談時に複数プランを提案できると、よりニーズに沿った選択肢を選んでもらえるようになります。
例えば、商談の際に「課題をすべて解決できるプラン」を提供したが、予算の問題で契約が難しいといわれたとしましょう。この場合、営業担当者は予算を抑えたプランを作り直さなければいけません。その間にリードの熱量が下がってしまうかもしれませんし、競合他社に奪われてしまう可能性もあるでしょう。
反対に、最初から「予算を抑えられるプラン」と「課題をすべて解決できるプラン」の両方を提示できれば、ニーズに応えつつ機会損失を防ぐことが可能です。
なお、2つの選択肢を提示してどちらかを選んでもらうことには、相手に「NO」と言わせにくくする効果もあります。この心理テクニックは「選択話法(ダブルバインド、二者択一法)」と呼ばれ、セールストークではよく活用されています。
回答期限を設ける
商談時に回答期限や導入スケジュールについて共有しておくことも、商談を受注につなげるためのポイントです。
回答期限を明確に設けることで、決断を先延ばしにされることを防げます。また、納品希望日にあわせて具体的なスケジュール感を伝えられれば、安心感を抱いてもらえるという効果もあります。
スムーズに回答してもらえるよう、判断材料となる金額などの情報は商談時にしっかりと伝えておきましょう。
決裁者との商談を獲得する
商談の際は、できる限り決裁者と話すようにしましょう。それ以外の担当者と商談をする場合、十分にベネフィットを伝達できず、決裁者の熱量が上がらない可能性が高いためです。
大企業では、はじめから決裁者と面会することは難しいことが多いかもしれません。
その場合は、事前にインサイドセールスなどで担当者との信頼関係を構築しておくと、その後のアポイントや商談をスムーズに進められる可能性が高まります。
商談化率の向上には「LeadGrid」がおすすめ
商談化率の向上には、確度の高いリード獲得とリードナーチャリングが欠かせません。リストの精査や顧客理解を深め、各リードのニーズに沿った提案をしていきましょう。
より多くの商談を獲得するためには、リードの分母を増やすことが重要です。そして、リードの効率的な獲得には母艦となるWebサイトが必要となります。
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