【BtoB向け】Webマーケティングの成功事例9選｜成功のポイントも

2024.04.22

Webマーケティングとは、インターネットを利用して、自社の商品やサービスを宣伝・販売することです。WebマーケティングにはSEO（検索エンジン最適化）、広告、動画、LPO（ランディングページ最適化）、EFO（エントリーフォーム最適化）、ウェビナー、ホワイトペーパーなど、さまざまな施策があります。

Webマーケティングのメリットは、以下のようなものがあります。

広告費用が低く抑えられる
効果測定が容易で、改善に活かせる
ターゲット層に合わせたカスタマイズが可能
リアルタイムでのコミュニケーションができる
ロイヤルティの高い顧客を育成できる

しかしWebマーケティングには競合他社との差別化や、成果を出すまでの時間や労力など、課題も多くあります。そこでこの記事では、主にBtoB（企業向け）のWebマーケティングにおいての分野で成功した事例を9社紹介します。

Webマーケティングを考えている企業のWeb担当者の方は、ぜひ参考にしてください。

また新規顧客の獲得については下記の資料にも成功事例をまとめていますので、新規顧客獲得に課題のある担当者の方はぜひご覧ください。

Webマーケティングの成功事例9選

ここではWebマーケティングの成功事例について、次の9件を紹介します。

Chatwork株式会社
タイミーラボ（株式会社タイミー）
Bright（日機装株式会社）
ワタシゴト（株式会社コラボスタイル）
スマートスタジオ（株式会社SHARE）
新潟・長岡・上越不動産買取応援隊（株式会社リアルト・ハーツ）
白瀧酒造株式会社
竹内金属箔粉工業株式会社

Chatwork株式会社

▲出典：Chatwork株式会社

Chatwork株式会社は、ビジネスチャットツール「チャットワーク」を提供する企業です。2011年3月のリリース当初、ビジネスチャットの必要性が十分に認知されていない時代でしたが、「ほぼクチコミのみ」でユーザーを着実に増やしていきました。

当時はSNSが次の主流だと考えられていたため、ビジネスチャットツールが本当に浸透するか疑問視する声もありました。また、ビジネスチャットというジャンルが確立していなかったことから、SEOなどの検索エンジンを利用した施策は効果が限定的でした。

そこでChatworkが打ち出したのが、IT系メディアへの記事広告でした。Chatworkを使っている企業の業種から媒体を絞り込んで広告を出稿したことで、想定以上の反響があったそうです。

さらに、3ヶ月に一度のペースでコンスタントなプレスリリースを展開することで、口コミによって評判を広げていきました。

その結果、Chatworkは個人利用から大手企業まで、幅広い規模での利用が広がっていきました。2019年からは5年連続で国内ビジネスチャットツールの利用者数No.1を獲得するなど、着実にプロダクトを成長させてきました。

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タイミーラボ（株式会社タイミー）

▲出典：タイミーラボ

タイミー株式会社は、スキマ時間に単発のアルバイトができるマッチングアプリ「タイミー」を提供するスタートアップ企業です。2015年のリリース当初、スポットワーク（雇用型ギグワーク）の認知度が低く、不安視する人も多いという課題がありました。

そこで打ち出した施策が、スポットワークの実態を伝えるオウンドメディア「タイミーラボ」の立ち上げでした。GIGのCMS「LeadGrid」を導入することで、短期間で安定的なサイトを開発。リリースから約5ヶ月でPV数が9倍に伸び、SEOからの流入を増やすことに成功しました。

さらに、2019年末からは有名女優を起用したTVCMを放映し、「スキマバイトと言えばTimee」というブランドイメージの確立に成功。CMの放映に合わせてアップストア内の検索連動型広告「Apple Search Ads」の対策を強化したことで、インストール数が過去最高を記録し、CPI（インストール単価）も40%減と大幅に改善しました。

加えて、アプリ内のUI/UXの改善にも注力。アプリ内チュートリアルの刷新により初回離脱率が10%改善し、プッシュ通知の最適化によりDAU（デイリーアクティブユーザー）が20%向上するなど、ユーザー体験の向上につなげました。

TwitterやInstagramなどのSNSを通じたD2C（ダイレクト・トゥ・コンシューマー）の手法も積極的に活用。ユーザーの声を直接収集・分析し、サービス改善につなげる一方、共感を生むコンテンツを発信することでユーザーとの長期的な関係性の構築を目指しています。

こうした多角的なWebマーケティング施策の展開により、タイミーは2022年2Qの募集人数が前年比4倍に成長するなど、着実にサービスを成長させてきました。ユーザー目線に立った施策の積み重ねが、成果につながっていると言えるでしょう。

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Bright（日機装株式会社）

▲出典：Bright

日機装株式会社は、産業用特殊ポンプや航空宇宙機部品、血液浄化分野を中心とした医療機器などを開発するメーカーです。事業領域が非常に専門的であるため、一般層への認知度の低さが課題となっていました。

そこで立ち上げたのが、オウンドメディア「Bright」です。ものづくり現場の情報や社会を支える技術、人々の健康的な生活の実現に役立つ情報などを発信しています。

専門的なテーマであっても、理解しやすい言葉を使うことで、今までリーチできなかった層に情報を届けることに成功。日機装の高い技術力の裏付けにもなっています。

例えば「【宇宙ビジネス最前線】」と題した連載記事では、日機装の航空宇宙事業の取り組みを、九州の宇宙ビジネス最前線の動向とからめて紹介。専門的な内容をわかりやすく伝えています。

また、就活生向けに医療事業や航空宇宙事業の記事をまとめた「【就活生におすすめ】シリーズ」の展開など、ターゲットを意識した記事作りを行っています。

Brightは明るく親しみやすいデザインを採用したことで、技術系の堅い印象が和らいでいます。コンテンツはSEO戦略を立てて制作されたこともあり、リリース後は今までとは異なる求職者層からの応募が増加。幅広い層からの認知拡大に成功しました。

このように、日機装のオウンドメディア「Bright」は、専門的な事業領域を一般層にもわかりやすく伝えることで、認知拡大とリード獲得を実現した成功事例と言えます。読者目線に立った記事作りと、SEOを意識した運用が奏功したと考えられます。

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ワタシゴト（株式会社コラボスタイル）

▲出典：ワタシゴト

株式会社コラボスタイルは、ライフスタイルに関するWebメディアを運営する企業です。同社が運営するオウンドメディア「ワタシゴト」は、働く女性のキャリアとライフスタイルをテーマに、記事コンテンツを発信しています。

「ワタシゴト」は、自分らしく生きるためのヒントを届けるメディアとして、20代後半から40代の働く女性をターゲットに展開。キャリアや恋愛、結婚、お金など、リアルな悩みを持つ読者の心に寄り添う記事を配信しています。

サイト制作にあたっては、LeadGridのCMSを活用。読者のペルソナ設計を行い、読者の関心が高いテーマを選定し、専門家監修のもと信頼性の高い記事を制作しています。

また、SEOを意識した記事設計により、検索流入の増加にも成功。開設1年で月間50万PVを達成するなど、着実に読者を増やしています。

コンテンツ制作と並行して、サイト内の導線の最適化にも取り組んでいます。読者の関心が高い記事へ効果的に誘導することで、滞在時間の増加とともに、CVRの向上も実現しています。

「ワタシゴト」は、働く女性に寄り添うコンテンツを発信することで、ターゲットとの強い信頼関係を構築。自社サービスの認知拡大とブランディングに大きく貢献しています。

オウンドメディアを通じて読者との接点を持ち、共感を得ることで、自然な流れで自社サービスにつなげる。「ワタシゴト」は、Webマーケティングにおけるオウンドメディア活用の成功事例と言えるでしょう。

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スマートスタジオ（株式会社SHARE）

▲出典：スマートスタジオ

株式会社SHAREが運営するフィットネスクラブ「スマートスタジオ」のWebサイトは、自然検索流入の少なさと広告費の増加が課題となっていました。

そこで、Webサイトのリニューアルに踏み切りました。特に力を入れたのが、良質なブログコンテンツの制作です。ユーザーが検索しそうなキーワードを意識した記事を量産することで、自然検索流入数の増加を狙いました。

その結果、リニューアル前と比べて自然検索流入数が50倍に増加。2023年2月時点では月間10万を超える流入数を獲得するに至っています。

ブログ記事の内容も工夫されており、トレーニングやダイエットに関する専門的な知識を、初心者にもわかりやすく解説。ユーザーの悩みに寄り添った記事を提供することで、見込み顧客の獲得にもつなげています。

制作面では、株式会社GIGのクラウド型CMS「LeadGrid」を採用。初期費用を抑えつつ、早期のリリースを実現しました。

以上のように、スマートスタジオは自社Webサイトのリニューアルとブログ記事の強化により、自然検索からの集客に成功。広告費に頼らない集客基盤を構築した好事例と言えるでしょう。

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新潟・長岡・上越不動産買取応援隊（株式会社リアルト・ハーツ）

▲出典：新潟・長岡・上越不動産買取応援隊

株式会社リアルト・ハーツは、日本全国で不動産の買取・販売事業を行っている会社です。同社の新潟県内の事業所では、Webからの流入獲得ができず、買取物件の情報を集めるために営業担当が直接不動産会社を訪問するなど、非効率な状況が課題となっていました。

そこで立ち上げたのが、新潟・長岡・上越に特化した不動産買取専門のサービスサイト「新潟・長岡・上越不動産買取応援隊」です。地域に根ざしたサイトを制作することで、エリアに特化したキーワードでの上位表示と、Webからの集客を目指しました。

サイト制作にあたっては、CMSにLeadGridを採用。更新性の高いサイトを低コストで構築することができました。

コンテンツ面では、オリジナルイラストを活用し、サービス内容をわかりやすく伝えることを重視。競合サイトとの差別化を図りました。

加えて、リリース後のSEO施策にも注力。LeadGridのSEOコンサルタントの伴走のもと、上位表示を狙える体制を整えました。

こうした施策の結果、Webからの問い合わせ獲得に成功。営業担当の負担を減らしつつ、事業の成長を後押しすることができました。

以上のように、株式会社リアルト・ハーツは、地域密着型のサービスサイトを制作し、Webマーケティングを強化することで、不動産買取事業の課題解決を実現。LeadGridの導入により、低コストかつスピーディなサイト構築・運用を可能にした好事例と言えるでしょう。

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白瀧酒造株式会社

▲出典：白瀧酒造株式会社

白瀧酒造株式会社は、1855年創業の老舗酒造メーカーです。同社は2020年6月から、自社の日本酒ブランド「上善如水」のLINE公式アカウントの本格運用を開始しました。

それまでは通販事業やリアルイベントを中心に展開していましたが、顧客とのつながりを維持するためのツールとしてLINEに注目。新規顧客の獲得とファン化を目的に、LINE公式アカウントを活用した施策に乗り出します。

特に力を入れたのが、友だち追加広告の活用です。広告経由で新規友だち9,000人を獲得するなど、アカウント成長の原動力となりました。

また、アカウント内では自社商品の紹介や、イベント・キャンペーン情報の発信を積極的に行いました。商品の魅力を丁寧に伝えることで、ファンの拡大とエンゲージメントの向上を狙ったのです。

これらの施策が奏功し、LINE公式アカウント開設から1年半で友だち数が2万6,000人まで急増。想定を大きく上回る伸びを記録しました。

さらにLINE公式アカウントを通じたファンとのコミュニケーションが、ECサイトでの売上アップにも貢献。LINEからECサイトへの送客と購入率向上という好循環を生み出すことに成功しています。

以上のように、白瀧酒造はLINE公式アカウントを通じて顧客との関係性を強化。特に友だち追加広告を効果的に活用することで、短期間で飛躍的なアカウント成長を実現した好事例と言えるでしょう。

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竹内金属箔粉工業株式会社

▲出典：竹内金属箔粉工業株式会社

竹内金属箔粉工業株式会社は、各種金属箔や精密金属加工品の製造・販売と金属材料および金属粉の販売を行う企業です。以前は自社の公式サイトはあったものの、情報量が少なく活用もしていませんでした。そのため、公式サイト経由の問い合わせはほとんどない状態でした。

Webマーケティングに取り組もうと決めたきっかけは、営業部の従業員が4人から2人に減ってしまったことでした。その状況を機に、Webサイトを有効活用することを検討し始めたのです。

そこで、MAツールを導入し、以下の施策を実施しました。

Webサイトのリニューアル
MAツールを活用したWebサイトの流入データ分析
Webコンサルサービスの開始
ホワイトペーパー施策の開始

Webサイトのリニューアルでは、製品情報を充実させ、問い合わせフォームを設置。MAツールを活用し、サイトへの流入状況や問い合わせ状況を詳細に分析しました。

また、自社の強みを活かしたWebコンサルサービスを開始。金属加工のノウハウを活かし、顧客企業のニーズに合わせたソリューションを提案しました。

さらに、リード獲得を目的としたホワイトペーパーの無料配布も開始。専門性の高い内容で、見込み客の関心を引くことに成功しました。

これらの施策の結果、Webサイト経由の問い合わせ件数がリニューアル前と比べて約300％向上。ホワイトペーパーでも1か月で200件のリード獲得に成功し、その後も毎月50件ほどのリードを創出できるようになりました。

竹内金属箔粉工業の事例は、MAツールを中心としたWebマーケティング施策により、営業リソースが限られる中でも見込み客の獲得に成功した好例と言えるでしょう。自社の強みを活かしたコンテンツの発信と、データ分析に基づく改善の積み重ねが奏功したと考えられます。

竹内金属箔粉工業株式会社はこちらから

Webマーケティングで成功している事例の共通点

Webマーケティングの成功事例に共通するのは、Webサイトを中心に据えた戦略的な取り組みです。紹介された事例では、自社サイトのリニューアルやオウンドメディアの立ち上げなど、まずはWebサイトの整備から着手しています。

Webサイトは、自社の情報発信とユーザーとのコミュニケーションの要となる存在です。事例企業は、ターゲットユーザーのニーズを捉えたコンテンツの制作や、ユーザビリティの高いサイト設計により、Webサイトの価値を高めることに注力しました。その上でSEOやSNS、広告などの施策を組み合わせ、トータルでのWebマーケティングを展開しています。

つまりWebマーケティングの成功には、Webサイトを中核に据えた戦略的なアプローチが不可欠と言えます。自社サイトは、Webマーケティングの母艦ともいえる存在。まずはWebサイトの制作・リニューアルから着手し、ユーザーにとって価値のある情報とコミュニケーションの場を整備することが重要です。その上で、周辺施策を有機的に組み合わせていく。Webマーケティングに取り組む際は、Webサイトを起点とした戦略の立案がカギを握ると言えるでしょう。