NGO・NPOで参考にしたいコンテンツマーケティング事例5選｜成功させるポイントも

2024.03.13

NGO・NPOの活動を支え、さらにその影響力を広げるためには、効果的なコンテンツマーケティング戦略が不可欠です。デジタル時代においてさまざまなマーケティング手法が登場していますが、なかでもコンテンツマーケティングは組織のミッションを伝え、支持者を増やし、必要な資金やリソースを確保するための強力なツールとなり得ます。

そこでこの記事では、コンテンツマーケgティングで成功を収めたNGO・NPOの事例を紹介します。NGO・NPOの運営にお悩みの方は、ぜひ最後までご覧ください。

NGO・NPOとコンテンツマーケティングの相性が良い理由

コンテンツマーケティングとは、有益な情報を発信することで組織のファンを増やしていく施策のこと。検索や口コミなどを通して組織を認知していない層にもリーチできるため、認知度拡大や信頼度向上に効果的です。

ここでは、NGO・NPOとコンテンツマーケティングの相性が良い理由について解説します。

関連記事：コンテンツマーケティングとは？種類やメリット、成功事例を徹底解説

コスト効率が良い

コンテンツマーケティングの利点は、コスト効率が良い点です。たとえば既存のWebサイトやSNSアカウントを活用する場合、コンテンツ配信には大きな初期投資がかかりません。コンテンツ作成を自分たちで行えば、コストをかけずに施策を実行できます。

NGO・NPO法人のなかには、財政面で課題を抱えているケースも多く見られます。そのため比較的低コストで実施でき、長期にわたって価値を提供し続けられるコンテンツマーケティングは、NGO・NPOにとって理想的な戦略といえるでしょう。

組織のファン作りに効果的

NGO・NPOは、人々の共感を呼びファンになってもらうことが活動を継続するうえで重要となります。その点コンテンツマーケティングは、読者や視聴者に価値を提供することで組織のファンを増やす施策であり、2つの親和性は高いといえます。

活動報告をはじめ、影響力のあるストーリーや成功事例など、共感を呼ぶコンテンツを発信すれば、読者が組織の大切な支持者へと変わる可能性も。このようにコンテンツマーケティングを通して共感と信頼を築くことで、支持者との長期的な関係を構築することができます。

専門知識を生かした高品質なコンテンツを作れる

NGO・NPOは、教育、環境保護、社会福祉など、特定の分野において深い専門知識を有していることが多いです。この知識を生かせば、他では得られない高品質なコンテンツを作成することができるでしょう。

コンテンツマーケティングの基本は「有益なコンテンツを発信すること」ですから、専門性の高さは非常に大きなアドバンテージとなります。読者が悩みを解決したり、感銘を受けたりと、心が動くコンテンツを意識して作成することが大切です。

また専門性の高いコンテンツを発信することはSEOの面でも有利であり、検索結果での上位表示を目指すうえで重要な役割を果たします。

NGO・NPOのコンテンツマーケティング事例5選

ここからは、NGO・NPOで参考にしたいコンテンツマーケティング事例を5つ紹介します。

育て上げリサーチ

▲出典：育て上げリサーチ

育て上げリサーチは、若者の就労支援を行う認定NPO法人育て上げネットが運営する調査研究です。若者の支援に関わる方をはじめ、社会課題に関心がある市民や企業、行政、大学等研究者などを読者として想定しています。

メインのコンテンツは若年無業者に関する調査結果をまとめた記事で、データに基づく情報を届けることで、若者の問題や支援への関心を高めていく狙いがあります。

育て上げリサーチはこちらから

スゴいい保育

▲出典：スゴいい保育

スゴいい保育は、病児保育や障害児保育などに取り組む認定NPO法人フローレンスが運営するWebサイトです。

病児保育のポイントをまとめた「病児保育のツボ」や、保育の現状や未来を見つめる「シンカする保育」、保育に関わる方々にインタビューをする「保育人生」などコンテンツも豊富で、読みごたえがあります。

スゴいい保育はこちらから

greenz.jp

▲出典：greenz.jp

greenz.jpは、採用＆キャリア支援事業やスクール事業などに取り組むNPO法人グリーンズが運営するWebマガジンです。

くらしやエネルギー、教育、地域活性、環境、社会問題など幅広いテーマの記事が公開されており、どのコンテンツも文章や写真にこだわりが垣間見えます。求人情報とリンクした記事があるのも特徴的です。

greenz.jpはこちらから

2枚目の名刺webマガジン

▲出典：2枚目の名刺webマガジン

NPO法人二枚目の名刺が運営する2枚目の名刺webマガジンでは、多様なキャリアを持つ社会人を紹介することで、新しい働き方や生き方を提案しています。

パラレルキャリアやキャリア教育、副業兼業など、働き方やキャリアに関する記事が充実しており、読者に多様な価値観や可能性を示しています。

2枚目の名刺webマガジンはこちらから

NPO CROSS

▲出典：NPO CROSS

NPO CROSSは、日本NPOセンターの会員が寄稿し、市民社会を多角的に考察するオピニオンメディアです。NPO活動や社会的課題に関する議論を提供し、さまざまな視点からの寄稿記事を掲載しています。

NPO CROSSのように、会員からの寄稿でメディアを作ることも可能です。会員やボランティアの協力を得ながら運営されている事例として参考になります。

NPO CROSSはこちらから

NGO・NPOで有効なコンテンツマーケティングの手法

ここからは、NGO・NPOで有効なコンテンツマーケティングの手法を紹介します。

Webサイト

Webサイトには活動内容やミッション、ビジョン、達成した成果など、読者が知りたい情報を余すことなく掲載します。また寄付の受付、ボランティア登録、イベント情報の提供など、直接行動を促す機能を持たせることも可能です。

SEOを施し、検索エンジン経由でのアクセスも増やしましょう。

関連記事：NPO向けのホームページ制作会社7選｜デザイン事例や助成金も解説

ブログ・オウンドメディア

ブログやオウンドメディアは、組織の活動を定期的に紹介し、読者との関係を築くのに有効な手段です。成功事例や活動報告だけでなく、読者の関心が高いテーマの解説記事や、インタビュー記事も効果的でしょう。

ブログやオウンドメディアは検索経由での流入も見込めるため、認知度の拡大を期待できます。

関連記事：オウンドメディアとは｜運用する目的や活用事例、作り方とコツも解説

関連記事：ホームページとブログの違いとは？それぞれの特徴5つと選び方を解説！

なお「これからオウンドメディア運営を自社で進めようと思っている」方にはLeadGridチームが無料で公開しているオウンドメディア運用インハウス化マニュアルがお役に立てるかもしれません。オウンドメディアをインハウスするまでの9ステップや注意点を解説しているので、ぜひダウンロードしましょう。

SNS

SNSでは、リアルタイムで情報を共有し、フォロワーと直接コミュニケーションを取ることができます。Facebook、X（旧Twitter）、InstagramなどさまざまなSNSを活用し、活動の様子や成果をビジュアル豊かに伝えましょう。

またSNSは情報の拡散力が高く、イベントの告知やキャンペーンの促進にも有効です。

プレスリリース

プレスリリースは、新しいプロジェクトや成果、イベントなど、NGO・NPOの重要なニュースをメディアを通じて広く伝える手法です。メディアを介して情報発信が行われるため、信頼性が高い情報として扱われます。

認知度拡大や信頼性の向上、ブランディングに効果的です。

メールマガジン

メールマガジンは、既に関心を持っている人々に対して、NGO・NPOの活動更新やニュースを届ける方法です。イベントの参加者募集や寄付の呼びかけに利用することもできます。

メールマガジンは定期的に配信されることから、読者との関係構築に効果的です。

関連記事：メールマーケティングとは？BtoBにおける重要性や具体的な方法を解説

NGO・NPOのコンテンツマーケティングを成功させるポイント

最後にNGO・NPOのコンテンツマーケティングを成功させるポイントを解説します。

ストーリーテリングを駆使する

NGO・NPOで発信するコンテンツは、ストーリーテリングを意識しましょう。

NGO・NPOのコンテンツマーケティングでもっとも重要なのは、組織のミッションや活動を通じてどのような社会的影響を生み出しているかを伝えることです。具体的な活動例や、その活動が個人やコミュニティにもたらしたポジティブな変化をストーリーとして共有すれば、支持者との関係強化につながります。

ストーリーテリングは読者に深い共感を呼び起こす手法であり、NGO・NPOのコンテンツマーケティングに向いています。

ターゲットを明確に定義する

コンテンツマーケティングでは、誰にどのようなメッセージを伝えたいのかを明確に定義することが不可欠です。支援者、ボランティア、寄付者、または利益を受ける人々など、異なるターゲットに合わせたコンテンツを計画的に作成し、配信しましょう。

各ターゲットの関心事やニーズを理解し、それに応じたコンテンツを提供することで、より深い関わりと支援へとつなげることができます。

複数のチャネルを組み合わせる

コンテンツマーケティングでは、Webサイト、SNS、メールマーケティング、イベントなど、複数のチャネルを組み合わせたマルチチャネル戦略を展開することが理想です。たとえばWebサイトのコンテンツをSNSでポストする、というように、複数のチャネルを横断することで相乗効果を期待できます。

NGO・NPOで考えられるチャネルの組み合わせを、以下に例として紹介します。

Webサイト×SNS
- Webサイトに掲載された最新のプロジェクトやイベント情報をSNSで共有する。たとえば、FacebookやTwitterでイベントの告知をし、詳細情報へのリンクとしてWebサイトへ誘導する方法など
メールマーケティング×SNS
- メールマーケティングを通じて、寄付受付や特別なイベントの情報を定期的に配信する。メール内でSNS上での関連する投稿を共有し、読者に対しフォローや共有を促す
オフラインイベント×デジタルチャネル
- オフラインで開催されるイベントやボランティア活動の様子を、リアルタイムでSNSに投稿し、イベントに参加できなかった人々もその雰囲気を共有できるようにする。イベント後は、Webサイトに活動報告や写真アルバムを掲載し、メールマーケティングを通じてそのリンクを購読者に知らせる