IT企業のコンテンツマーケティング事例5選｜施策の種類やポイントも

2024.03.21

「コンテンツマーケティングに取り組みたいけれど、どのような事例があるのだろうか」「コンテンツマーケティングの手法を知りたい」とお考えではありませんか？この記事ではそのようなIT企業のWeb担当者向けに、コンテンツマーケティングの手法や事例について紹介します。

またコンテンツマーケティングを成功させるポイントについても紹介するので、ぜひ最後までご覧ください。

なお、コンテンツマーケティングに取り組むにあたって、集客の受け皿となるサイト制作の事例集もご用意しております。IT企業に特化して制作のポイントも解説した資料となっておりますのでぜひあわせてご活用ください。

IT企業が取り組むWebマーケティングの代表的な流れ5ステップ

まずはWebマーケティングのコンテンツマーケティングの中での立ち位置を整理するため、IT企業のWebマーケティングの代表的な流れについて紹介します。Webマーケティングには大きく、以下の5つのステップが挙げられます。

リード獲得
リードナーチャリング
リードクオリフィケーション
インサイドセールス
カスタマーサクセス

この流れの中で、コンテンツマーケティングは「リード獲得」と「リードナーチャリング」を主に担当します。それぞれについて、以下解説します。

関連記事：リード獲得とは？15のリード獲得方法や効率的に増やすポイントを解説

1. コンテンツマーケティングによるリード獲得

コンテンツマーケティングはそもそも、潜在顧客の関心を惹きつけ、自社のサービスや製品への理解を深めてもらうために有効な手法です。自社のWebサイトやブログ、SNSなどを通じてターゲットとなる層に役立つ情報を提供することで、潜在顧客の信頼を獲得し、リード獲得することができます。

関連記事：コンテンツマーケティングとは？種類やメリット、成功事例を徹底解説

たとえばIT企業であれば、技術ブログや活用事例、ホワイトペーパーなどの専門的なコンテンツを発信し、自社の強みや提供価値を訴求することが考えられます。質の高いコンテンツを継続的に配信することで、自社の認知度とブランドイメージを向上させ、リード獲得につなげていきます。

2. リードナーチャリング

リードナーチャリングとは獲得したリードを育成し、購入意欲の高い見込み客へと育てていくプロセスを指します。具体的には、リードの行動や関心領域に合わせて、適切なタイミングで関連性の高い情報を提供していきます。

関連記事：リードナーチャリングとは？意味や効果的な7つの手法を解説

たとえばWebサイトでの閲覧履歴や資料請求履歴などを分析し、リードの関心ステージに応じたメールマガジンの配信や、セミナーへの招待などを行います。リードの興味や課題に寄り添った丁寧なアプローチが求められる過程だといえるでしょう。

3. リードクオリフィケーション

リードクオリフィケーションはナーチャリングされたリードの中から、自社のサービスや製品の購入可能性が高く、営業活動に値するリードを選定するプロセスです。一般的には、リードのプロフィール情報や行動履歴、問い合わせ内容などをスコアリングし、一定以上の基準を満たしたリードを営業担当へと引き継ぎます。

関連記事：リードクオリフィケーションとは？意味や方法、失敗しないコツを解説

スコアリングの際は企業規模や業種、決定権者かどうかといった情報に加え、Webサイトでのエンゲージメント度合いなども考慮されます。

4. インサイドセールス

インサイドセールスは電話やメール、チャットなどを利用して、オフィス内から営業活動を行う手法です。マーケから渡されたリードに対して、インサイドセールス担当者が直接アプローチ、最終的には訪問面談やWeb商談の機会を設定し、受注獲得を目指します。

関連記事：インサイドセールスとは？意味やメリット、やり方を解説

インサイドセールスによって、営業の生産性を高め、新規顧客の開拓と既存顧客のフォローアップを効率的に進めることができます。

5. カスタマーサクセス

カスタマーサクセスは顧客が自社のサービスや製品を導入した後、その価値を最大限に引き出せるようサポートする活動です。専任のカスタマーサクセス担当者が、顧客の課題やゴールを理解したうえで、適切な利用方法のアドバイスやトレーニングを提供します。また、顧客の利用状況をモニタリングし、満足度の向上や追加提案につなげていきます。

とくにサブスクリプション型のサービスにおいては継続利用率の維持・向上が重要な指標となるため、カスタマーサクセスの役割が大きくなっています。顧客との長期的な信頼関係を築きアップセルやクロスセルの機会を創出することで、顧客生涯価値（LTV）の最大化を目指します。

IT企業のコンテンツマーケティングの施策の種類5選

IT企業のコンテンツマーケティングには、次の5つの施策が挙げられます。

オウンドメディア（SEO）
SNS
動画サイト
オンラインセミナー
ホワイトペーパー

1. オウンドメディア（SEO）

オウンドメディアとは、自社で所有・運営するWebサイトやブログのことを指します。IT企業にとって、オウンドメディアは情報発信の中心的な役割を果たします。

自社の製品やサービス、技術的な知見などに関する記事を定期的に公開することで、検索エンジン経由での流入を増やすことができます。SEOには対策するキーワードの選定、内部リンクの最適化、外部からの被リンク獲得などが効果的です。

オウンドメディアを通じて自社の専門性や優位性を訴求し、潜在顧客との接点を増やしていくことが重要となります。コンテンツの品質を維持しつつ、ユーザーの関心や検索意図に合致した情報を発信しましょう。

関連記事：オウンドメディアとは｜運用する目的や活用事例、作り方とコツも解説

2. SNS

ソーシャルメディアは幅広いユーザーとの直接的なコミュニケーションが可能な点で、IT企業のコンテンツマーケティングに欠かせないチャネルです。

X（旧Twitter）、Facebook、LinkedIn、Instagramなど自社の特性に合わせて適切なSNSを選定し、アカウントを開設します。オウンドメディアの新着記事や製品アップデートの告知、業界ニュースのシェア、イベント情報の発信など、多様なコンテンツを配信していきます。

またユーザーからの質問や反応に迅速に対応することで、エンゲージメントの向上を図ることも大切です。BtoCの商材であればインフルエンサーとのコラボレーションや、ユーザー参加型のキャンペーンなども効果的な場合もあります。

3. 動画サイト

動画コンテンツは、製品やサービスの特徴を視覚的に訴求したり、技術的なハウツーを分かりやすく解説したりするうえで非常に有用です。

商材によっては長尺の動画だけでなく、SNS向けの短尺動画も併せて用意すると、幅広い層へのリーチが期待できます。動画の内容だけでなく、タイトルやサムネイル、説明文の調整も意識して、視聴率とエンゲージメントの向上を目指しましょう。

4. オンラインセミナー

オンラインセミナーはとくにBtoBにおいて、専門的な知識やノウハウを提供するうえで効果的な施策です。自社の得意分野に関するテーマを設定し、オンラインでセミナーを開催します。

セミナーの内容としては、技術的なチュートリアルや活用事例の紹介、業界動向の解説などが考えられます。外部の専門家を招いたり、ユーザー企業と共同で開催したりするのも一つの方法です。

参加者との質疑応答の時間を設けるなど、インタラクティブな要素を盛り込むことで、満足度の高いセミナーになるでしょう。セミナー終了後は録画データをリードマグネットとすることで、さらなる見込み客の獲得につなげることもできます。

関連記事：リードマグネットとは｜種類、作り方、効果を最大化するポイントを紹介

5. ホワイトペーパー

ホワイトペーパーはebookとも呼ばれ、特定のテーマについて解説したお役立ち資料のことを指します。自社の技術力や知見を活かし、業界の課題やトレンドに関する有益な情報を提供することで、見込み客のリード獲得を目指します。

ホワイトペーパーの作成にあたっては、ターゲットとなる層のペルソナを明確にし、そのニーズに合致したテーマ選定が重要です。

関連記事：ホワイトペーパーの作り方は？成果が出る8つのコツと注意点を解説！

ホワイトペーパーはオウンドメディアでの公開やメール配信、SNSでのプロモーションなどを通じて、広く周知しましょう。プレスリリースも有効です（LeadGridチームも行っています）。問い合わせの際に個人情報を収集することで、効率的なリードジェネレーションが可能となります。

IT企業のコンテンツマーケティングの成功事例5選

ここからはIT企業の参考になるコンテンツマーケティングの成功事例を紹介します。ここでは次の5つについて解説します。

株式会社GIG：LeadGrid Blog
株式会社ショーケース：おもてなしSuite
エキサイト株式会社：FanGrowth
VAIO株式会社：Work×IT
HubSpot Japan株式会社：HubSpot日本語公式ブログ

1. 株式会社GIG：LeadGrid Blog

このサイト「LeadGrid Blog」はLeadGridというCMS販促のためのオウンドメディアです。リード獲得を目的としてCMSやWeb制作、Webマーケティングなど幅広く取り扱っており、多くのKWで上位表示を獲得しています。

またLeadGridチームのナレッジが詰め込まれたホワイトペーパーも並行してリリースしており、各記事には記事中に複数のホワイトペーパーのリンクを設置、読者が気になったホワイトペーパーがあればいつでもダウンロードできるよう導線設計しています。

関連ページ：お役立ち資料一覧｜LeadGrid

2. 株式会社ショーケース：おもてなしSuite

▲出典：おもてなしSuite

CV改善ツールや顧客情報管理のセキュリティツールといったSaaSの開発を手掛ける株式会社ショーケースのWeb接客ツール「おもてなしSuite」。

Webサイト制作を担当したLeadGridチームではユーザーが欲しい情報にたどり着けるよう、導線をはじめとする情報設計に注力しました。「おもてなしSuiteとは」のページでサービス概要が伝わるよう、ページトップでチャット機能、フォーム機能の両方が搭載されていると一目で伝わるよう機能を並列に配置。

運用としてもコンテンツマーケティングを前提としたお役立ちコラムから資料ダウンロードにつながるような導線を組めるように設計、運用体制を構築しました。

おもてなしSuiteの詳細はこちらから

おもてなしSuite事例ページはこちらから

3. エキサイト株式会社：FanGrowth

▲出典：FanGrowth

数々のプラットフォーム事業やSaaS・DX事業を手掛けるエキサイト株式会社のウェビナー施策実行ツール『FanGrowth』。

Webサイト制作を担当したLeadGridチームでは、エキサイト様が以前より社内で活用していたMAツールであるHubSpotとの連携を前提に設計しました。資料ダウンロードの入力フォームはHubSpotのものを実装し、フォームの編集更新もLeadGrid上で簡単に行えるようカスタム開発することで、シームレスなリード管理を実現。また「導入事例」「イベント情報」「お役立ち資料」といったコンテンツ更新が可能な動的ページをフルで搭載しました。

FanGrowthの詳細はこちらから

FanGrowth事例ページはこちらから

4. VAIO株式会社：Work×IT

▲出典：Work×IT

「Work × IT」はモバイルノートPCを中心に製造・販売しているVAIO株式会社が運営するオウンドメディアで、法人の情報システム部門や総務部向けに業務効率化に役立つ情報を発信しています。

セキュリティやPCに関して情報を探している潜在顧客に対し自社の技術力をアピールできるようなコンテンツの設計が特徴的です。コンテンツを通じて自社の専門性や課題解決力を示すことで、ブランディングと見込み顧客の獲得を同時に実現するコンテンツマーケティングの効果的な活用事例と言えるでしょう。

Work × ITの詳細はこちらから

5. HubSpot Japan株式会社：HubSpot日本語公式ブログ

▲出典：HubSpot日本語公式ブログ

HubSpot日本語公式ブログは、マーケティングオートメーション（MA)ツールを提供するHubSpotが運営する、マーケティング・営業・カスタマーサクセス・ウェブサイト制作に関する情報発信メディアです。

HubSpot日本語公式ブログでは自社の専門性を活かし、MAツールの活用方法やSEOを含むマーケティングのトレンドなど、読者の課題解決につながる有益なコンテンツを提供しています。

たとえば2024年現在日本でも標準となりつつあるSEO施策「トピッククラスターによるキーワード戦略設計」を2017年に提唱し実践、成果を出すなど、自社の信頼性とブランド価値を高めつつ、潜在顧客の獲得にもつなげている点が成功要因と言えます。オウンドメディアを通じて自社の強みを訴求するHubSpotの手法は、多くのIT企業の参考になるでしょう。

HubSpot日本語公式ブログはこちらから

IT企業でコンテンツマーケティングを成功させるポイント

IT企業がコンテンツマーケティングを成功させるポイントとしては、以下の3つのポイントが挙げられます。

キーワード戦略設計を行う
Web広告出稿も並行する
目的ごとに記事をバランスよく公開する

1. キーワード戦略設計を行う

オウンドメディアでコンテンツマーケティングを効果的に進めるためには、適切なキーワード戦略が不可欠です。

自社の製品やサービスに関連するキーワードを洗い出し、検索ボリュームと競合状況を分析したうえで、ターゲットキーワードを選定します。その際、商品名や業界用語だけでなく、顧客が抱える課題や悩みに関するキーワードも含めることが重要です。

関連記事：SEOキーワード選定の方法6ステップ｜おすすめツールや注意点も

「キーワード選定も戦略設計もやったことがないので、どうすればいいのかわからない」という方は、LeadGridチームまでお問い合わせください。具体的にどの順番でどんな内容の記事を作成するべきか、というアクションプランまで落とし込んでご提案します。

お問い合わせはこちらから

2. Web広告出稿も並行する

オウンドメディアを中心としたコンテンツマーケティングと並行して、Web広告の出稿も検討しましょう。

というのもコンテンツ公開の初期段階では、オーガニックの集客だけでは十分なアクセスを獲得できない場合が多いためです。そこでGoogle広告などの即効性のある施策が効果的です。ディスプレイ広告やSNS広告を通じて、オウンドメディアへの誘導を図りましょう。

コンテンツマーケティングとWeb広告を相互に連携させることで、より効率的にリードを獲得することができるでしょう。

3. 目的ごとに記事をバランスよく公開する

オウンドメディアでは、ユーザーの購買フェーズ合わせた内容の記事を用意することが重要です。具体的には認知、興味、検討、購入と各フェーズに適した記事を戦略的に公開していきましょう。

たとえば認知フェーズでは業界の動向や基礎知識に関する記事、興味フェーズでは自社製品の特徴や利点を紹介する記事、検討フェーズでは導入事例やよくある質問への回答、購入フェーズでは料金プランや申込方法の説明などが求められます。それぞれのフェーズで必要とされる情報を過不足なく提供し、ユーザーを自然と次のステップへと誘導することが理想です。