物流業界に効果的なWebマーケティング施策｜必要性や手順、事例も解説

# Webマーケティング

2024.04.22

物流業界では、Webマーケティングが重要な役割を果たしています。新規顧客の獲得やブランディング、業務効率化など、物流業の企業が抱えがちなさまざまな課題の解決に貢献するためです。そこで本記事では、物流業界におけるWebマーケティングについて詳しく解説します。

効果的な施策やコンテンツ例、戦略の立て方について解説します。事例についても紹介するので、ぜひ参考にしましょう。

なお、Webマーケティング施策を実行するためには受け皿となるWebサイトが必須です。LeadGridを導入した物流業界のサイト制作事例集は以下でまとめておりますのでぜひあわせてご覧ください。

物流業界においてWebマーケティングが必要な理由

Webマーケティングは、物流業界の抱えがちな下記5つの課題の解決に貢献します。

新規顧客の獲得
ブランディング
業務効率化
顧客体験の向上
人手不足へ

それぞれについて、以下解説します。

1. 新規顧客の獲得

物流業界は競争が激化しており、新規顧客の獲得が重要な課題となっています。Webサイトやブログ、SNSなどを活用したインバウンドマーケティングにより、自社の強みや特徴を訴求し、潜在顧客を引き付けることができます。

具体的にはSEOによって検索エンジンでの表示順位を上げたり、ターゲットを絞ったオンライン広告を配信したりすることで、自社サービスを必要としている顧客を効果的に引き付けることができるのです。またソーシャルメディアを通じて企業の魅力を発信し、口コミによる新規顧客の獲得も期待できます。

2. ブランディング

物流サービスは価格競争に陥りやすいですが、Webマーケティングを通じて自社の価値や企業文化を発信することで、価格以外の差別化ポイントを打ち出せます。コーポレートサイトやブログ、SNSなどを活用して、自社の取り組みや価値観を発信しましょう。一貫したブランドメッセージを発信することで、顧客からの信頼や好感度を高められます。

またブランドイメージの向上は、優秀な人材の採用にもつながります。

関連記事：ブランディングとは？構築手法や効果を高めるコツ、成功事例を解説

3. 業務効率化

Webマーケティングは、業務効率化にも貢献します。たとえばWebフォームやチャットボットを導入することで、問い合わせ対応の自動化が可能になります。その結果、人的コストを削減しつつ、迅速な顧客対応を実現できるでしょう。

またオンライン上での見積もりシステムを構築すれば、営業担当者の作業負担を大幅な軽減も可能です。データ分析ツールを活用することで、マーケティング施策の効果測定も容易になり、PDCAサイクルを回しやすくなります。

関連記事：営業DXとは？取り組む重要性や現場で導入する方法を解説

4. 顧客体験の向上

Webマーケティングは、顧客体験の向上にも寄与します。

Webサイトやアプリで荷物の追跡情報を提供したり、AIを活用して配送ルートを最適化したりすることで、利便性の高いサービスを提供できます。これにより顧客満足度とロイヤルティの向上が期待できます。

メールでの配送通知、オンラインでの問い合わせ対応、倉庫の在庫状況の共有など、顧客の利便性を高める施策を講じることが大切です。ターゲットにあったサービスと対応を構築することで、リピーターの獲得や口コミによる新規顧客の獲得につなげましょう。

5. 人手不足

物流業界では人手不足が深刻な課題となっていますが、Webマーケティングはこの問題の解決にも二つの方向性からアプローチが可能です。

一つは採用について、自社で採用サイトを作成し人材を募集するのです。企業の価値観や方向性、働く人の日常などの情報をWeb上で展開することで、幅広い層の人材を募集できます。

関連記事：自社採用サイトを作るメリット・デメリットは？運用のコツもあわせて解説

また上記の業務の自動化や効率化を進めることで、少ない人数でも効果的に業務を遂行できるようになります。社内の情報共有やコミュニケーションにもWebツールを活用することで、人手不足に起因するさまざまな問題を緩和できるでしょう。

物流業界で有効なWebマーケティング施策

物流業界で有効なWebマーケティング施策は、主に次の3つです。

Webサイト制作・リニューアル
コンテンツマーケティング
Web広告

1. Webサイト制作・リニューアル

物流業界でWebマーケティングを効果的に進めるには、自社Webサイトの最適化が欠かせません。WebサイトはWebマーケティングの母艦です。見込み顧客が問い合わせを送るのも、広告からの遷移先も自社のWebサイトになります。

またサイトが検索エンジンから評価されるようになると、検索結果から半自動的に集客ができるようにもなります。

一方で古くなったデザインや分かりにくいサイト構造はユーザーの離脱を招く要因となるため、もしWebサイトがない、もしくは制作してから何年も経つ、といった場合はサイトの制作やリニューアルを検討しましょう。情報設計を見直し、ユーザービリティを高めることが重要です。

制作・リニューアルを行い、ブランドイメージの向上と顧客満足度の向上を図りましょう。

2. コンテンツマーケティング

コンテンツマーケティングは、自社の専門性や強みを活かした情報発信を行うことで、顧客との関係性を構築する施策です。

関連記事：コンテンツマーケティングとは？種類やメリット、成功事例を徹底解説

自社の取り扱うサービスにもよるものの、物流業界であれば輸送の効率化やコスト削減、環境対策など、荷主企業の課題解決につながる有益な情報を提供することが考えられます。詳細は後ほど紹介します。

また自社の独自サービスや先進的な取り組みを紹介するコンテンツも重要です。コンテンツの形式は、ブログ記事やホワイトペーパー、動画などが挙げられます。高品質なコンテンツを継続的に発信することで、自社の信頼性や専門性を高め、潜在顧客の関心を引き付けることができるでしょう。

物流業でのコンテンツマーケティングの詳細は、下記の記事をご覧ください。

3. Web広告

Web広告は検索連動型広告やディスプレイ広告など、オンライン上で広告を配信する施策です。物流業界では新規顧客の獲得や、自社サービスの認知度向上を目的として活用できます。

とくに検索連動型広告は、物流サービスを必要としている潜在顧客にリーチできる点で効果的です。広告の配信先やキーワードを適切に設定し、ターゲットに響く広告文を、テストをしながら見つけましょう。

物流業界でのWebマーケティング効果的なコンテンツ例

物流業界でのWebマーケティングにおいて効果的なコンテンツの例を5つ紹介します。

自社の強みや独自サービスを訴求するコンテンツ
求職者向けの情報発信
業界の課題解決につながる情報提供
顧客向けの利便性を高めるコンテンツ
業界動向や物流に関する役立つ情報

1. 自社の強みや独自サービスを訴求するコンテンツ

物流業界は競争が激しいため、自社の強みや他社にはないユニークなサービスを分かりやすく伝えるコンテンツが重要です。高品質な輸送サービスや独自の物流管理システム、熟練ドライバーによる安全運転への取り組みなどを、具体的な事例を交えて紹介することで、競合他社との差別化を図ることができます。

自社の歴史や実績、顧客満足度の高さなども、アピールポイントになります。これらの情報を記事や動画やインフォグラフィックスなどの形式で提供することで、自社の魅力を効果的に伝えられるでしょう。

2. 求職者向けの情報発信

物流業界は慢性的な人手不足に悩まされています。そこで、求職者に向けて自社の企業文化や働く環境、スタッフの声などを伝えるコンテンツを発信することが有効です。

自社の社風や教育制度、キャリアパスなどを具体的に紹介することで、求職者の関心を引き付けましょう。先輩社員のインタビュー記事や、職場の雰囲気が伝わる写真・動画などを活用するのも効果的です。

また求人情報を分かりやすくまとめたページを用意し、応募手続きをスムーズに行えるよう配慮することも大切です。

関連記事：採用サイトに掲載したい10のコンテンツ｜制作ポイント・成功事例も解説

関連記事：採用サイトの作り方5ステップ｜手順や必要なコンテンツも

3. 業界の課題解決につながる情報提供

物流業界が直面する課題として、サプライチェーンの可視化やデジタルトランスフォーメーション（DX）の推進などが挙げられます。これらのテーマについて、自社の取り組みや知見を共有するコンテンツは、顧客や業界関係者の関心を集めやすいでしょう。課題解決に役立つ情報を発信することで、自社の専門性や先進性をアピールできます。

4. 顧客向けの利便性を高めるコンテンツ

顧客の利便性を高めるコンテンツは、顧客満足度の向上とリピート率のアップにつながります。たとえば、荷物の追跡システムの使い方を解説する記事や、配送料金の見積もりツールなどが該当します。

また倉庫内での在庫が少ない時にアラートを出すようなシステムの提供など、利用者目線に立ったコンテンツを充実させることで、顧客満足度の向上とリピート率のアップが期待できます。

5. 業界動向や物流に関する役立つ情報

物流業界の最新動向や、物流に関する役立つ情報を発信することで、自社の業界への理解度の高さを示せます。たとえば物流関連の法改正や新たな技術トレンド、業界イベントの報告などは自社の専門性を裏付けるとともに、顧客にとっても有益な情報源となります。

また継続的に役に立つ情報を発信することは検索上位表示を狙うSEOの観点からも有効な施策で、有益な記事コンテンツによりSEOを促進する戦略を「コンテンツSEO」と言います。コンテンツSEOについての詳細は下記の記事をご覧ください。

関連記事：コンテンツSEOとは？やり方やメリット、効果を出すコツについても

物流業界でのWebマーケティング戦略を立てる手順

物流業界でのWebマーケティング戦略は次の5つステップで策定しましょう。

目標の設計やターゲットの選定
市場の分析と自社の強み・弱み分析
マーケティング施策の選定
実行計画の策定
実行と効果測定、改善

それぞれについて、以下解説します。

1. 目標の設計やターゲットの選定

Webマーケティング戦略を立てる際、まず行うべきは目標設定とターゲット選定です。

新規顧客獲得、ブランディング、人材採用など、達成したい目的を明確に定義しましょう。目標が具体的であればあるほど、戦略の方向性が定まり適切な施策を選択しやすくなります。

またターゲットとなる顧客層を絞り込むことも重要です。荷主企業の業種や規模、地域などの特性を踏まえ、ターゲットを具体的に設定してください。ターゲットが明確であれば、そのニーズに合わせたアプローチが可能になるでしょう。

2. 市場の分析と自社の強み・弱みの分析

次に行うべきは、市場分析と自社の強み・弱みの把握です。競合他社のWebサイトやサービス内容を入念に分析し、自社との差別化ポイントを探ります。また、自社の物流サービスの強みや独自性を整理し、顧客に提供できる価値を明確にしておきましょう。

SWOT分析などのフレームワークを活用すると、自社の立ち位置がより明確になります。市場分析と自社分析に基づいて、戦略の優先順位を検討していきます。

先に選定した「ターゲット」に似た単語に「ペルソナ」があります。ターゲットはサービスを提供する相手となる「集団」を指し、ペルソナはサービスを提供する「個人」を指す点が違いです。ターゲットの選定後はペルソナまで設定ができると、施策の方向性に芯が通りやすく、メンバー同士でも認識にずれが生じにくくなります。

この段階でペルソナまで設定しておきましょう。

なおLeadGrid Blogチームでは、ペルソナを設定する際に参考になるホワイトペーパーを無償配布しています。実際にクライアントとのワークショップで使う方法をベースにしたものなので、ぜひご確認ください。

3. マーケティング施策の選定

目標やペルソナ、市場分析の結果を踏まえ、適切なマーケティング施策を選定します。サイトのリニューアルやコンテンツマーケティング、Web広告など、各施策の特性と期待される効果を理解した上で、優先順位をつけていきましょう。

自社の強みを活かせる施策や、競合他社があまり実施していない施策などに注目するのも効果的です。ただし、予算や社内リソースとのバランスを考慮しながら、現実的な施策の組み合わせを検討することが重要となります。

4. プロジェクト計画の策定

Webマーケティング戦略を実行に移すには、具体的な実行計画が不可欠です。施策ごとに、目標値や KPI、スケジュール、予算、担当者などを明確にしましょう。

また、社内の関連部署との連携体制や、外部リソースの活用方法なども検討します。実行計画を可視化し、関係者で共有することで、円滑な実行が可能になるでしょう。計画の策定にあたっては、柔軟性を持たせ、状況の変化に応じて修正できるようにしておくことも重要です。

5. 実行と効果測定、改善

いよいよWebマーケティング戦略の実行フェーズです。実行計画に沿って、着実に施策を進めていきましょう。同時に、各施策の効果測定を行い、目標の達成度を確認することが欠かせません。

Web解析ツールを活用し、アクセス数や CVR、エンゲージメント率などの指標を定期的にモニタリングします。効果測定の結果を分析し、改善点を洗い出すことで、PDCAサイクルを回していくのです。柔軟にプランを調整しながら、継続的な最適化を図ることが、Webマーケティング戦略の成功の鍵となります。

物流業界でのWebマーケティング成功事例

ここからは、物流業界でのWebマーケティング成功事例を下記2件紹介します。

三菱商事ロジスティクス株式会社
サンインテルネット株式会社EC物流サービス

三菱商事ロジスティクス株式会社

▲出典：三菱商事ロジスクティクス株式会社

三菱商事ロジスティクス株式会社は、Webサイトのデザインや機能の古さを改善するため、サイトのリニューアルをご依頼いただきました。

LeadGridでは綿密なヒアリングの上で「信頼」を重視した落ち着きのあるデザインを採用し、特に力を入れた「サステナビリティ」ページでは独自性を打ち出しました。

またCMS「LeadGrid」の導入で社内での更新作業を容易にし、お知らせやコラムなど自社で更新できる領域を新設。リニューアル後はデザインの改善とSEO効果も表れているとのことです。三菱商事ロジスティクスは新サイトを活用し、ブランディング活動にも注力していく方針です。

三菱商事ロジスクティクス株式会社コーポレートサイトはこちらから

三菱商事ロジスクティクス株式会社コーポレートサイト制作事例はこちらから

三菱商事ロジスクティクス株式会社コーポレートサイト導入インタビューはこちらから

サンインテルネット株式会社

▲出典：サンインテルネット株式会社

50年以上に渡り物流に関するコンサルティングやシステム開発を手掛けるサンインテルネット株式会社。以前のサイトは7年以上前に制作したもので、新規の事業内容を正しく発信できていないことが課題でした。そこでコーポレートサイトのリニューアルから着手、LeadGridにご依頼いただきました。

LeadGridでは情報設計から写真撮影、ページのライティングまで一気通貫で対応。Webマーケティングの土壌を構築しました。

サンインテルネットではコーポレートサイト制作後、EC物流に特化したサービスサイトを作成、Webマーケティングを進めています。

サンインテルネット株式会社コーポレートサイトはこちらから

サンインテルネット株式会社コーポレートサイト制作事例はこちらから

物流業界でのWebマーケティングならLeadGridまで

この記事では物流業界におけるWebマーケティングの必要性から、施策やコンテンツ例、始め方について解説しました。ぜひこの記事内容を参考に、Webマーケティングに着手しましょう。

Webマーケティングを始める際は、事例にもあった通りまずWebサイトのリニューアルから始めるのがおすすめです。WebサイトはWebマーケティングの母艦となる存在です。Web広告からの遷移先であるランディングページは自社のWebサイト上にあるものですし、オウンドメディアにしても、情報を更新する担当者が使い勝手の良いシステム（CMS）でないと継続的な情報発信を妨げてしまいます。

そこでWebサイトのリニューアルから始めるWebマーケティングなら、ぜひLeadGridにご相談ください。